海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

県議選の選挙公報を読んで

2012-06-07 14:56:09 | 米軍・自衛隊・基地問題

 県議選は今日から三日攻防に入っている。今回の県議選では、初めて選挙公報が配られている。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-192043-storytopic-116.html 

県と市町村の選挙管理委員会の発行で、県のホームページにも掲載されている。

http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=38&id=27122&page=1

 配布された選挙公報には、「候補者から提出された原稿をそのまま印刷しております」と記されている。各候補者の政策が有権者に示された公式文書ということになる。名護市選挙区では、以下の四名の立候補者の政策が載っている。

・玉城よしかず
・ひがせいじん
・玉城ケンイチ
・スエマツ文信

 改めて前副市長の末松氏の政策を見て、基地問題について一言も触れられていないことに疑問を抱く。
 日本政府・野田政権は、日米「合意」に基づいて普天間基地の辺野古「移設」を進める方針である。これにどう対処するかが、名護市選出の県議会議員にとって、最重要の政策課題となる。加えて、沖縄では今、MV22オスプレイの普天間基地配備が大きな問題となっている。オスプレイの爆音被害と墜落事故の恐怖は、名護市民にとっても他人事ではない。名護市選挙区において県議選立候補者は、普天間基地の辺野古「移設」とオスプレイ配備という喫緊の課題に、どう対処するかが問われている。
 末松氏は岸本・島袋市政において助役・副市長という要職を務め、辺野古「移設」を推進してきた中心人物である。今回の県議選に立候補するにあたり、辺野古「移設」に関して、これまでの姿勢を維持するのか、転換するのか、転換するとすればどのような内容なのか、そのことを政策として具体的に示すことは、自らが過去に行ってきた基地への関わりからしても、当然の義務のはずだ。有権者の多くもそこに注目しているはずだが、公報には基地問題に対する政策はまったく示されていない。
 選挙は各候補者が自らの政策を具体的に示し、政策論争をとおして有権者の関心を高め、政治参加を促して判断をあおぐものだ。本音を出せばマイナスになるという判断から、普天間基地の辺野古「移設」やオスプレイ配備など、名護市・沖縄県にとっての重要課題を回避しているのなら、それこそ政治家としての資質が問われる。
 雇用や経済振興、教育、福祉など生活に密着した問題にとりくむのは、県議として当然のことだ。加えて、沖縄の政治家にとって基地問題は避けて通れない。にもかかわらず、基地問題について政策を示さず、有権者の判断を回避する候補者には、仮に当選しても同問題に関して発言する資格はない。そのことを自覚すべきだ。残り三日間、名護市選挙区の候補者には、基地問題をはじめとした課題について、実現の手法を含めより具体的に政策を論じ、示してもらいたい。

 


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