小松格の『日本史の謎』に迫る

日本史驚天動地の新事実を発表

日本語の諸問題(1) 朝青龍の「張り手」

2007年08月26日 | その他

 横綱・朝青龍の問題が世間を騒がせているが、朝青龍がよく使っていた相撲の技に「張り手」がある。ある取り組みで、朝青龍の強烈な張り手を受けた相手がそのまま膝を土につけて負けた。そのときの決まり手は当然「張り倒し」だと私は思ったが、なんと決まり手は「突き倒し」であった。「張り倒し」などの決まり手はもともとないのである。    
 そのとき私は思った。「張り手」の「張る」とは「障子をはる」「ばんそう膏をはる」の「は(張)る」ではないのか。「張り手」の本来の日本語の意味が誤解されているのではないのか。日本語の「張る」は「田に水を張る」「弓の弦を張る」のように静止(固定)の動詞である。つまり、相撲の「張り手」とは相手の出鼻をくじいて、手を広げて顔に当てる(張る) つまり、相手の出だしを阻止する技であったと思う。それが、おそらく昭和の軍国主義の時代に「ほっぺたを張る(平手打ち)」の意味に使われるようになり、相手の頬を張り倒すという全く別の技に誤解されて、これを使う力士が増えたのではないか。
 もし、江戸時代の谷風や雷電に聞くことができたら、多分、「張り手」とは手を張り出して相手の出だしを止める技だと答えると思う。大相撲の技のひとつ「張り手」は「張り倒し」ではないのである。大相撲は本来の日本語の正しい意味を取り戻して、相撲48手の一つ「張り手」を本来の正しい形に戻して欲しいと願うばかりである。


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