最近、「はし(端)」を「はじ」と濁って発音する人が多いように思う。一休さんの頓知話に、「このはし渡るな」の立て札に、「いやいやはし(端)は渡りません、真ん中通って来ましたよ」というのがあるように、日本語は「はし(端)」が正しい発音である。口語体(俗語)で「はじっこ」という言葉が生まれ、ここから独立して「はじ(端)」と言う人が増えてきたのであるが、日本語を学ぶ外国人は混乱する。学校教育でも「はし(端)」が正しく、「はじ」は俗語であるときちんと教える必要がある。
また、最近、「知らんぷり」と「ふり」を破裂音の「ぷり」と発音したり、新聞などもそのように書いているが、「ふり」は動詞「振る」の連用形(名詞形)であり、「ふり(振り)」が正しい発音である。「身振り手振り(濁音化)」「見て見ぬふり」「知らぬふりする」も同じ。もともと固有の日本語(大和言葉)には擬音・擬態語以外に、「ぱ行」などの破裂音は存在しなかった。古代語はそれに近い音ではあったが、完全な破裂音ではなかった。F 音と表記される。もっと古い上古音は P 音であったとの説が定説化しているが、私はすべてそうではなかった思っている。「小走り」は濁音になるが「小春びより」では「春」は濁音にならないように。上古にも P 音と F 音はともにあったのではないかと思っている。 この「知らんぷり」は外国語の影響であろうか・・。本来の正しい現代日本語の表記に戻って欲しいと願っている。