小松格の『日本史の謎』に迫る

日本史驚天動地の新事実を発表

日本語の諸問題(2) はし(端)と知らんぷり

2007年08月28日 | 言語

 最近、「はし(端)」を「はじ」と濁って発音する人が多いように思う。一休さんの頓知話に、「このはし渡るな」の立て札に、「いやいやはし(端)は渡りません、真ん中通って来ましたよ」というのがあるように、日本語は「はし(端)」が正しい発音である。口語体(俗語)で「はじっこ」という言葉が生まれ、ここから独立して「はじ(端)」と言う人が増えてきたのであるが、日本語を学ぶ外国人は混乱する。学校教育でも「はし(端)」が正しく、「はじ」は俗語であるときちんと教える必要がある。
 

 また、最近、「知らんぷり」と「ふり」を破裂音の「ぷり」と発音したり、新聞などもそのように書いているが、「ふり」は動詞「振る」の連用形(名詞形)であり、「ふり(振り)」が正しい発音である。「身振り手振り(濁音化)」「見て見ぬふり」「知らぬふりする」も同じ。もともと固有の日本語(大和言葉)には擬音・擬態語以外に、「ぱ行」などの破裂音は存在しなかった。古代語はそれに近い音ではあったが、完全な破裂音ではなかった。F 音と表記される。もっと古い上古音は P 音であったとの説が定説化しているが、私はすべてそうではなかった思っている。「小走り」は濁音になるが「小春びより」では「春」は濁音にならないように。上古にも P 音と F 音はともにあったのではないかと思っている。 この「知らんぷり」は外国語の影響であろうか・・。本来の正しい現代日本語の表記に戻って欲しいと願っている。

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日本語の諸問題(1) 朝青龍の「張り手」

2007年08月26日 | その他

 横綱・朝青龍の問題が世間を騒がせているが、朝青龍がよく使っていた相撲の技に「張り手」がある。ある取り組みで、朝青龍の強烈な張り手を受けた相手がそのまま膝を土につけて負けた。そのときの決まり手は当然「張り倒し」だと私は思ったが、なんと決まり手は「突き倒し」であった。「張り倒し」などの決まり手はもともとないのである。    
 そのとき私は思った。「張り手」の「張る」とは「障子をはる」「ばんそう膏をはる」の「は(張)る」ではないのか。「張り手」の本来の日本語の意味が誤解されているのではないのか。日本語の「張る」は「田に水を張る」「弓の弦を張る」のように静止(固定)の動詞である。つまり、相撲の「張り手」とは相手の出鼻をくじいて、手を広げて顔に当てる(張る) つまり、相手の出だしを阻止する技であったと思う。それが、おそらく昭和の軍国主義の時代に「ほっぺたを張る(平手打ち)」の意味に使われるようになり、相手の頬を張り倒すという全く別の技に誤解されて、これを使う力士が増えたのではないか。
 もし、江戸時代の谷風や雷電に聞くことができたら、多分、「張り手」とは手を張り出して相手の出だしを止める技だと答えると思う。大相撲の技のひとつ「張り手」は「張り倒し」ではないのである。大相撲は本来の日本語の正しい意味を取り戻して、相撲48手の一つ「張り手」を本来の正しい形に戻して欲しいと願うばかりである。

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