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jazz and freedom and avenger

JAZZを聴きながら勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

落日燃ゆ 埋もれた傑作 ・・・・・ HEAR YE! / RED MITCHELL-HAROLD LAND

2025-07-06 | ジャズ・tp

のっけからこんなことを言うと、身も蓋も無いけれど、このレコードはコ・リーダーを務めるミッチェルとランドを聴くよりもtpのカーメル・ジョーンズを聴く作品と言っても過言でないと思う。ただ、それが故にミッチェルとランド、二人の存在感が皮肉にも薄まる結果となっている。そして、録音された時期(1961年10、12月)が、所謂、W・コースト・ジャズ(LAのジャズ・シーン)の衰退の最後期に入り、ジャズ・ファンの関心も惹かなかった。
昔から通の間で、B面の一曲目を聴くとその作品の全てが解るという説が実しやかに囁かれている。本作は正にその説を裏付ける内容と言え、それがカーメルのオリジナル‘Somara’。何気ないp
のイントロから一転、キビキビとしたバップ調のテーマから、コルトレーンの影響を受けたランドの引き締まったトーンによる筋肉質のソロ、そしてミッチェルのbをブリッジにして、右チャンネルから、満を侍し飛び出すカーメルのtpがメチャ熱い! 専属先のP・Jazzレーベルではあまり見せない姿だけに、貴重です。

続く、ちょっとオリエンタル・フレーバーを効かしたランドのオリジナル、‘Catacomb’、ここでもミッチェルのアルコの後、まるでブラウンが生き返ったような鮮やかなカーメルのソロ・ワークが聴きものです。ラストのストラッゼリ作‘Pari Passu’でも燃えるようなソロを展開するカーメル、もう火傷しそうですね。B面はまるでCARMELL JONES QUINTETです。

それにしてもこのアルバム・カヴァは何を表現しようとしているのだろう。 デザインは別の担当者がいるけれど、フォトはあのW・クラクストンが撮っている。貼り付け人形のようなミッチェルとランドの二人(多分、合成?)、まぁ、それなりの意図はあるのだろが、購買意欲を削がれる。

でも、そんな外的要因に囚われず、一度、本作を聴いてみてください。カーメルの素晴らしいtpに驚かれるでしょう、HEAR YE!。それに、全曲、メンバーのオリジナルという点も注目したいです。E・コースト派に負けないエモーショナルな好演奏になっている。けれど、W・コースト・ジャズの再興には至らなかった。


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