病院の帰り、HARD=OFFで拾ってきた。材質について何も触れられていないので、まず、普通のCu(銅)に違いないでしょう。手持ちの625Eには、現在、オルトフォンの6Nものを取り付けていて、やや大人しい感じがしますが不満なく聴いている。グレード的にはダウンになりますが、相性が優先する確率が高い部分なので、同じブランドの組み合わせで、どう変化するか、期待しましょう。線は細くて柔らかいので取り付けは、楽ですね。
まだ、十分に熟れていない段階ですが、トータル的なクオリティはオルトフォンの6Nに比べ少し落ちている。ただ、開放的なアメリカン・サウンドは変わりなく、ちょっとラフですが、こちらが「何も足さない、何も引かない」正当なピッカリングの音かもしれない。なお、ブラシは外しています。
急にアメリカが身近に感じられ、この一枚を。
二十数年前、NYのペン・ステーションの構内を、ここからどんな街に列車が発するのか、行先表示を見ながらぶらぶらしていた。何処と当てがあったワケでもなく、偶々、”PHILADELPHIA”の文字が眼に入った。発券窓口の黒人女性に所要時間を尋ねると「一時間半ほど」と。充分、返って来れる時間だった。アメリカ版新幹線・アムトラックでほぼ東京~名古屋間ですね。アメリカでは発車時間、間際にならないとホームに降りれないとか、車社会なので日本のように鉄道の駅前に必ずしも市街地が広がっているとは限らない、等々、戸惑いながら、全く無計画、無防備なトリップだった。
もし、「B面名盤」の人気アンケートを取ったら、まず上位にランク・インしてくる作品。まるで眼下に広がる雲海を、そして日の出とともに滝雲として動き出す光景を連想させるB-1、”Thursday's Theme”が素晴らしい。右チャンネルから流れ出すゴルソンのテナーの音も実に生々しい。
このカヴァは2ndですが、一般的にこちらの方がよく知られている。曲も編曲もゴルソンをはじめ全てジャズメンの手によるものでハード・バップと言うスタイルが高い次元で最も安定していた1958年の録音。派手さはないけれど、十分に聴ける一枚です。ゴルソンの編曲(4曲)センスと2管とは思えぬ色彩感は、ここでも光っている。