リリースされた当時、随分、好評を持って迎えられた作品(ECM)。
パーソネルは、
Kenny Wheeler(flugelhorn) Keith Jarrett(p) Dave Holland(b) Jack DeJohnette(ds)
録音は、June 1975. NY
Kenny Wheelerの名は全く知らず、1970年のDB誌のクリティク・ポールで‘The Talent Deserving Wilder Recognition’、つまり新人賞?を、あのW・ショーと分けていた、と知り驚いた。
1930年生れ、遅咲きとでもいうのでしょうか。録音時は45歳。
現代音楽から前衛ジャズにも通ずるプレイと透明感あるフリューゲルホーンはECMのレーベル・キャラクターにピッタリ。しかも、リズム・セクションは当時の最先端の一つ、となれば・・・・・・・・・
リアルタイムで聴いた時から ・・・・・・・・・、再度、じっくり聴き直したが、やっぱり自分には合わないなぁ。
ウィーラーのフリューゲルホーンは、結構、HOTに鳴っているが、ソロの組み立て、展開が意外にパターン化され、途中からどれも同じように聴こえ、しかも音色自体が澄んでいるのでワン・ホーンでは表現力に限界が浮き出てしまう。
また、キースとのコミュニケーションを積極的に行っているとは思えず、キースは「じゃぁ、オレはオレで演るぜ」と言わんばかりに前のめり気味、サイドとしてはOBラインを超える局面も。
事前の打ち合わせ通りなのか、それとも自然の成り行きなのか、キースのソロ・スペースのほうが長く「主客転倒」している。ウィーラーのセッション・リーダーとしての自覚が充分でなかったかもしれませんね。いゃ~、演り始めて、「こりゃ、ものが違う」と思ったのかも。
あくまで勘ですが、ウィーラーもキースもこの企画に内心は気乗りしていなかったのでは。
演奏レベルは決して低くないけれど、やはり、tpのリードとpのアシストが噛み合わないと「tpワンホーンものは難しい」、という壁は超えられないと思う。
ま、「お前の耳はタコだ」と笑われるのは、覚悟の上ですが(笑)。