jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

クズ盤?のような扱いだが ・・・ BUTTERCORN LADY / ART BLAKEY & THE NEW JAZZ MESSENGERS

2016-03-26 | ジャズ・ds

 

 

花形のハバードが独立し、替わりにモーガンが復帰したのもつかの間、ショーターまでマイルスの許へ去り、そしてモーガンも間もなく辞した所謂、「苦悩時代」のJMが新しいメンバーでスタートしたアルバム(LIMELIGHT LS 86034、1966年1月、CA、ハーモザ・ビーチのライトハウスでの録音)。

 

まだ無名のキース・ジャレットの存在にスポットライトが当たるものの、ほとんど無視状態の本作ですが、意外におもしろい。

確かに「飛車角落ち」のメンバーで、マイルスそっくりのミュートで既にポップぽさを匂わせるC・マンジョーネとガチ小型コルトレーンのF・ミッチェル、正体不明のキースとなれば、おおよその見当が付き、日本人の好みに合わないこのカヴァとなれば、目を向けられないのも止むを得ないかも。

でも、そこは大黒柱、ブレイキーの手綱捌きは超一流、ライブ・パフォーマンスの「ツボ」をしっかり押さえている。

マンジョーネのtpの音がやけに良いなぁ、と思ったら録音はW・Heiderで、これがなかなかいいんだなぁ。

2曲目‘Recuerdo’では、一瞬、‘The Shadow of Your Smile’のワン・フレーズが出てきてなかなか味な事をしてますね。

 

で、キースはどうか?と言うと、‘Recuerdo’でピアノの弦をも弾く異端ぶりを早くも見せている。当時まだ20歳にしては「ふてえ野郎」ですが、黙ってやらせるブレイキーも太っ腹ですね。他の曲ではそれほどの存在感はまだ無く、リリカルでリズムの乗り方がちょっと違うかな、と感ずる程度ですが、案外、バンド全体のスパイシー役になっているのかも。

とにかく、各自がバラバラなのに際どい所で妙に演奏が成り立っているのが「名門」たる所以でしょうか。

ライナー・ノーツでL・フェザーはキースの「非凡さ」を既に指摘している。

なお、キースの在団期間は4ヶ月ほどと短く、この後直ぐ、あのC・ロイド・グループで一気にその才能を開花させることになる。なので、フェザーのコメントは「後付け」の可能性(リリースの関係上)が無きにしも非ずです。

 

 

TOPの‘Buttercorn Lady’がカリプソ調なので、同じテイストで知られる‘Fungii Mama’がTOPに入った一枚を。

THE THING TO DO / BLUE MITCHELL(BST 84178)

ミッチェルのBN第1作目(1964年7月30日録音)。BNらしいモノトーンのカヴァがイカシている。

当時、まだ新進のC・コリアのBN初録音でジャズ・ファンに広くその名を知られる切っ掛けにもなった作品ですね。

こちらはもうしっかりとコリアがキー・パーソンになっていて、ラストに‘Chick's Tune’が入るほど。

日陰の男、クックが頑張ってるいるし、もう一人のまだ無名の新人、A・フォスターがいい仕事をしてますね。

この抜群のリズム・セクションをバックにミッチェル・クックが気持ちよさそうに吹いています。

 

 

 

 

巷では、方や、苦悩時代の「クズ盤」、一方はBNらしく隙なく造り込まれた「好盤」との評判ですが、じっくり聴くとなかなかどうして‘BUTTERCORN LADY’の非整合性も棄て難い以上の魅力があります。

 

この二枚に世代交代も含め次の時代のスター達の「足音」が刻まれている。


物憂い香りが ・・・・・ AT SHELLY'S MANNE-HOLE / BILL EVANS

2016-03-20 |  Artistry of Bill Evans

 

 

正真正銘!超驚愕の発掘音源!!ビル・エヴァンス幻のスタジオ録音が遂に陽の目を見ます!

「メンバーは、エディ・ゴメスにジャック・デジョネットというトリオ。つまり、ビル・エヴァンスの数ある作品の中でも人気が高く、グラミー賞を受賞した(最優秀ソロイスト賞)、あのジャズ史上の名盤『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』と同メンバーのトリオ。このトリオは活動期間が6ヵ月しかなく、今までモントルーの音源が唯一の公式録音。それ以外でも数曲しか聴くことができませんでしたが、本録音は、モントルーでのパフォーマンスの5日後の演奏をたっぷり記録。しかもスタジオ録音というのだから本当に驚きです。」

以上はキャッチ・コピーです。

   

 

 

 

いゃ~、凄い音源(MPS)が出てきましたね。4月の上旬にリリースされる予定でLPもあるとの事。

どうしようかな?・・・・・・・・・

実はこの『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』、ちょっと苦手なので。

 

 

念のため、聴き直しましたが、うぅ~ん、あまり気持は変わりません。

でも、スタジオ録音か ・・・・・・・・・・・・・

 

 

迷いながらこのアルバムに針を。

1963年5月、ハリウッドのシェリーズ・マン・ホールでのライブもの。

カヴァ同様、地味な作品ですね。下は後年、リリースされた同ライブの未発表作品集。

 

 

   

 

 

ちょっぴりレイジーさを含んだpとごく普通にリズムを刻むbとdsが醸しだす物憂い香りは、センシティブでクールなリリシズム、ドラマティックな展開、またb、dsとのインタープレイ等々、他の名盤で聴かれる世界とまるで別もの。

 

夕暮れ時、閑静な住宅街を散歩中、何処からともなく‘Lover Man’(TIME REMEMBERED収録)のメロディが聴こえ、ふと見上げると二階の窓から仄かな灯りとともに。思わず立ち止りタバコに火を・・・・・・・・・

そんな情景を思い浮かべる穏やかさに包まれたアルバムですね。

 

この2枚の作品の中に、自分の好きなもう一人のエバンスがいるような気が・・・・・

 


活気溢れる名古屋駅前 ・・・・・ 大名古屋ビルヂィング・グランド・オープン

2016-03-19 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

長年、名古屋駅前のランドマークとして親しまれてきた大名古屋ビルヂィングが、3月9日に新しく高層ビルとなり生まれ変わりました。地下4F、地上34F、174mです。

商業スペースのキー・テナントは伊勢丹(イセタン・ハウス)。

 

そこで昨日、久し振りに駅前に。平日の午後3時なのに地上も地下も人で溢れかえっている。自分もそうでなんですが、どこからこれだけの人がやってくるのでしょうか!と驚くほどです。

飲食店はどこも満員で行列状態。

 

リニア開通に向けて、他にも高層ビルの建設が進んでおり、ずっと駅前の会社で仕事をしていて大体の事は解っていますが、これからどう変わるのか、ちょっと想像が付きませんね。

  

残念な事にJRのツイン・タワーの影が映ってしまいました。

 

 

 

 右のビルがミッド・ランドです。

 

 

 

 

帰りにミッド・ランドで、ブラッド・ピットの「華麗なる大逆転」を観て、「ハゲ天」で天ぷらを。

日本タイトル「華麗なる大逆転」はちょっと違うんじゃない?

ま、どうでもいいことですが・・・・・・・・

 

 


GETTIN' TOGETHER! ・・・・・ ART PEPPER

2016-03-12 | ジャズ・as

 

 

ペッパー自身は気に入っているものの、世評はあまり芳しくないレコードですね。

こうした例は決して稀ではありません。

 

「ミーツ・ザ・リズムセクション」の二番煎じ、柳の下の・・・・・と言われるのを恐れた?L・ケーニッヒの「筆の誤り」とでも言うのでしょうか?

曲によりC・カンドリ(tp)を入れたり、tsを吹かせたりしないで、何と言われようと策を弄さずasのワン・ホーンでやらせた方が案外いい結果が出たかもしれません。居心地が悪るく、本来の力を発揮していないカンドリが気の毒な位です。

もっとも、あくまで結果論であって、ケーニッヒの眼に、当時のペッパーが3年前の「奇跡」はもう起きない、と映っていたならば話は別ですね。

本作を聴くと、確かにペッパーの「体内変化」は進行している。

 

聴きものはバラードの2曲、‘Why Are We Afraid?’と‘Diane’と思います。

‘Why Are We Afraid?’、後年の‘WINTER MOON’に入っている‘Our Song’にも通ずる心の綾を繊細にして鮮明に浮び上らせる描写力はさすが。「泣きのアルト」ですね。

また、2番目の奥さんに捧げた‘Diane’はTAMPAの‘QUARTET’(1956年)でも演奏しており、聴き比べるとTAMPA盤では彼女への想い、愛をストレートに「歌っている」のに対し、本作ではデープに「語っている」。

 

 

 

所謂、後期の異色作‘AMONG FRIENDS’。

これは1978年録音のINTERPLAY原盤の別カヴァ(DISCOVERY盤)です。

このレコードも懐古的な後ろ向き作品とか、前期派と後期派の妥協的作品とか、あまりポジティブに語られない一枚ですね。

でも、敢えて散々手垢が付いたお馴染みのナンバーを通して、今在るがままの自分の証しを立てようとする情熱的なプレイに何かしら心を打たれます。

 

 

 

もう一枚、リーダーとしては2度目の日本公演(1979年7月16&23日、東京))のライブもの。

‘LIVE IN TOKYO - BESAME MUCHO’

第1集の‘LANDSCAPE’に続き、2年後にリリースされた第2集です。

 

 

‘LANDSCAPE’ だけで充分、こちらは「落ち穂拾い集」との評を見受けますが、そんな事はありませんよ。

‘The Shadow Of Your Smile’(いそしぎ)、思いっ切りメランコリックな哀愁を帯びたアルトがまるで水面に広がる波紋のように会場を覆い尽くし、聴く者全てを深い感動に引き込む。聴衆の3度の反応は他の曲とはまったく異質。思わずペッパーがマイクを・・・・・・・・・・・

ペッパーと聴衆が一体化する素晴らしい瞬間です。

これをを聴かずして2日間の東京公演を語ることはできません。「画竜点睛」を欠くとは正にこの事でしょう。

 


あ~ぁ バンカーの餌食に ・・・・・・

2016-03-09 | ゴルフ

 

 

練習場で知り合った人から誘われ、さなげC・Cへ。

 

ここは20年ほど前、一度ラウンドしていますが、あまりいいスコアではなかった記憶しか覚えていません。

直ぐ近くの名門「三好C・C」と同じ設計者によるなかなか手強いコースと聞きました。

一緒に廻る二人は年齢的にほぼ同じでコンスタントに80台を出す方達で、一人は70台も出る上手い人です。

結構プレッシャーが掛かりますね。コースの特徴は、グリーンは砲台の小さめでバンカーでがっちりガードされ、しかも早い、との事。

 

OUTの1番、400Yのミドル、目の前に遮るものは何もなし、という感じの広々した打ち降し。用心してスプーンでティ・ショットを。残りは左足下がりの強い斜面から155Y、7Iでカラー付近まで。ピンは右奥でやや上りと見えたので、Pでランニングを。ところが球足が伸びてグリーンを横ぎり奥のラフへ。良く見ると途中から下りに!騙されてダボに。

2番163Yのショートは6Iでワン・オンしパー、3番493Y緩やかな登りのロング、ドライバー、4UT、共に会心の当たりでしたが、残り90Yをグリーン右横のバンカーへ。そこからホームラン、注意していたのですが・・・・・・・・8です。

ここが躓きの始まり、その後もバンカーに掴まり続け、51・50の101でした。

このコースはアイアンの精度とバンカー処理能力が高くないとやられますね。それと攻め方を考えないと。この日はピンが端に切られたホールが多く、ボールを止めるテクが無いとバンカーの餌食に。

INの14番439Yのミドル、ここは難しいですね。距離がありグリーンは打ち上げで奥に向かってやや下り?なのか、高いボールでないとグリーンに止まらない。それでもHCが8とは! 

 

二人もバンカーに苦しみ90台前半に終わりました。バンカーに嵌る回数とスコアの悪化が比例しますね。

 

全体にはそれほど難しいコースには見えませんが、スコアを纏めるのは慣れが要るようです。

 

 


やっぱ ~ オリジナルが ・・・・・ RED RODNEY RETURNS

2016-03-05 | ジャズ・tp

 

40年代末、パーカーのグループに迎えられ、一躍、名を上げたロドニーも「ヤク」によってその優れた才能の開花を果たせなかった一人。「伝説」、また、73年にカムバックした際には「不死身」のトラッペッターと話題にもなっている。

この作品は1959年にシカゴではなく故郷のフィラデルフィアで録音(但し、国内盤ライナー・ノートではシカゴ)となっており、ひょっとして当局の保護観察?から解放された時期と重なっているかもしれません。

シンプル過ぎる一本の赤いtpのイラストを眺めていると、tpにしか己の人生を託せなかった当時の心境が痛いほど伝わってくる。なお、フューチャリングと記載されているBILLY ROOT(ts)も7つ年下の同じフィラデルフィア生れです。

 

お馴染みのバップ・ナンバー、‘Shaw Nuff’から全8曲、中~高音にかけて柔らかく伸びるtpならではの煌びやかなサウンドは当時、白人最高のバップ・トランペッターとも称された力量を十分に発揮している。

相棒のB・ルートはバリトンsxも吹くだけあって、白人でありながら結構黒く、ちょっぴりワイルドな面も覘かせロドニーのtpと良くマッチしている。ルートも実力の割に録音の機会に恵まれていなく、本作の価値を更に高めていますね。

pのD・ケントのオリジナル4曲、ハード・バップの美味しい所を全部詰め込んだ曲調が堪らないです。D・ジョーダンの‘Jordu’に続く‘Shelley’なんか自然と気持がウキウキしてきますよ。 

ただ、惜しむらくは、スタンダード‘I Remember You’、ミュートがマイク・オフ気味なのが・・・・、誠に残念!

 

ロドニーのレコードで有名な「幻の名盤」、シグナルの「RODNEY 1957」。

こちらもGooですね。RVGの好録音でも知られています。

 

 

何しろメンツが凄いです。フラナガン、ペティフォード、フィリー・ジョー・ジョーンズ(A面)とE・ジョーンズ(B面)。

後にSAVOYから‘FIERY’のタイトルで再発されています。

 

個人的な好みでは、ふと立ち寄った路地裏の隠れ家風居酒屋で「これは、これは」と頷く無名の地酒のような「フィラデルフィア物語」‘RETURNS’に軍配があがるかな?

爽快にして仄かな哀愁が漂う「知られざる名盤」と思います。

同世代の他のハード・バップ・トランペッター、誰の後塵を拝するわけではない端正で気品に満ちたプレイはやはり一級品。

 

手持ちはCADETの国内盤ですが、暫く大人しく寝ていた「オリジナル盤(ARGO)」への思いが、ムクムクと。