此のところ、DU名古屋絡みの記事が続き、今回のネタも。
先日、買取査定に出した20枚の中にカウエルのギャラクシー盤が2枚入っていて、それが予想外の高査定でした。まぁ、精々、三桁の中~ほどと皮算用していたが、なんと四桁を、それもそれぞれ英世が複数枚に近い査定をはじき出した。スピリチュアル・ジャズ、JAZZ FUNKの世界で人気の曲が収録されているそうで、自分はこの分野に疎く「猫に小判」でしたね(笑)。
久々に、この”SIENNA”をターン・テーブルに乗せた。1989年に録音されたSteepleChase盤、60年代後半からメキメキと頭角を現し、独特のエモーショナルなプレイが注目された頃の彼とは別人の如くあくが抜けた演奏が展開されている。モンクとパウエルの曲が一曲ずつ、他の五曲はカウエルのオリジナルと言う構成です。長めの曲の演奏時間をもっとコンパクトに仕上げた方が良い結果になったのではないかな。
A-2”I Think It’s Time To Say Goodbye Again”(Cowell)はペッパーの”SEPTEMBER AFTERNOON(ギャラクシー) ”の中の”Goodbye Again”と同曲です。このアルバムは名作”WINTER MOON”の翌日、ストリングス抜きのコンボで録音された一枚でカヴァが二種類あり、こちらの方を良く見掛けます。もし、破局した二人が聴いたら、間違いなく泣き崩れる「慟哭のアルト」が全面にフィーチャーされている。後期ペッパーを象徴する名バラードですね。
ついでにロリンズのグループでの録音を思い出しました。1974年、スイス・ モントルー・ジャズ祭でのライヴもの。
ロリンズの左後方にカウエルの姿が映っています。”To A Wild Rose”のロリンズのプレイが評判でしたが、祭りを意識してか、全体にラフでカウエルとしては演りにくかっただろう。
キース、コリアと共に若手有望ピアニストとして注目された時期の作品を。
左上が”WHY NOT / MARION BROWN”(アヴァンギャルド・レーベル ESPからレコーディング・デビュー)、右上が”THE RINGER / CHARLES TOLLIVER”(実質的MUSIC INC.の1st作)、下はリーダ作、左から初の”BLUES FOR THE VIET CONG”、”BRILLIANT SIRCLES”、”ILLUSION SUITE”。
いずれも問題作、話題作、名盤、傑作、等々の冠が付く作品ばかりです。凡作など一枚もありません。以前UPしているソロ・ピアノの”MUSA”ははみ出してしまうので已む無く外しましたが、カヴァを含め最高ですね。また、トリヴァーとのMUSIC INC.で70年代初頭、一世を風靡している。
2020年12月17日、この世を去っている。享年79。