jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

迂闊でした ・・・・・・・ ALONE / BILL EVANS

2019-03-30 |  Artistry of Bill Evans

 

 

例外はあっても、元々、ピアノ・ソロはあまり好みではなく、このアルバムも開封した時に一度聴いただけで内容は全く記憶がない。

それにタイトルと病的なイメージのイラストが重なり過ぎ、まるで・・・・・・・・

”ALONE”が必ずしも”LONELY”ではなく、自分の美的センスの無さは分かっているけれど。

 

気が進まなかったけれど針を降ろすと、一度しか聴かなかった理由が分かった、「音」が濁っている。ピアノ・ソロでは致命傷ですね。

てっきりRVG録音(先入観から)と思い込んでいましたが、響き方が異なり頭の隅に微かに聴き覚えのあるものだった。

裏カヴァを見ると、なんとエンジニアはRay Hall、しかも場所はNYのWebster Hall、あの”WHAT'S NEW”とまったく同じです。もう迂闊と言うよりも大失態です。それに本作は”WHAT'S NEW”の僅か三ヶ月前の録音。

どうしてこんな「音」に、という疑問が湧き上がり、センター・ラベルを。そこにはMGMではなくPOLYDORのクレジットが、つまり再発というより再々発盤の可能性が高いですね。ガチョ~ン。

 

「音」の問題は置いて、改めて聴いてみましょう。

ソロ・アルバムを吹き込む心構えは充分に出来ていたのでしょう、タッチがいつもより心なしか強くしっかりしている。感情移入も妙に深入りせず一音一音の強弱、イントネーションも比較的フラットだ。

ビジュアル的に表現すれば、猫背になったり鍵盤に覆い被さるのではなく背筋がピンと張っている。小細工せず凛然と攻める、そこが良い。

グラミー受賞作にも拘わらず、わが国ではそれほど人気がないのは、猫背になったり鍵盤に覆い被さるイメージが定着しているからだろう。

 

世評通り、一曲のみのB面”Never Let Me Go”が聴きもの、特に中盤~後半、そしてエンディングに掛けてのイマジネーションの豊かさ、深さは他の追従を許さない。やはり「もの」が違いますね。

 

さぁ、Evans、Hall、Webster Hall、三位一体となったMGMプレス初版盤を探そう。

 


静かな郡上八幡

2019-03-23 | まち歩き

 

霙が降り始めた美濃を後にして郡上八幡へ。

途中から冷たい雨に、それも本格的な。所用を済ませた後、温泉に浸った。

車に戻ると雲の切れ間から日が差し始めたので雨上がりの町中へ・・・・・・・・・、さすがに観光客の姿は殆どない。

 

 

至る所に水路が、水と生きる町ですね。自然と共生している。

 

 

よくある川沿い風景だが、狭い地形に知恵を絞って生活を楽しみ営んでいる。

 

 

いつの間にか青空に・・・・・・

 

 

 

町の中央を流れる吉田川(長良川の支流)に架かる橋から10倍ほどの手持ちズーム。ライカ準正モデルC-LUXだが、思いの外、ブレが少なかった。

 


冬模様 ・・・・・ 美濃 「百春」蔵元 小坂酒造場

2019-03-20 | 日本酒・洋酒

 

 

今日は全国的に春の陽気に包まれていますが、17日(日)、所用で郡上八幡へ出かけた時は、道路脇の外気温表示でなんと3℃!真冬並みでした。

折角なので、「うだつ」で知られる美濃市の百春蔵元「小坂酒造場」に寄り道を。

建物は安永初期(1770年代初め)に建てられ「国指定重要文化財」になっている。昭和57~58年に半解体、6,500万を掛けてほぼ江戸時代の形に改修されたそうです。

 

 

もう何度も来ていますが、中に入ってみましょう。

 

 

歴史の重みがずっしりと、そりゃ、見事ですよ。

 

 

こじんまりした味わいある中庭です。

 

 

 自宅にまだ未開封のものを2、3本ストックしているので、今回はこの一本を。数量限定、この時期だけの「新酒しぼりたて・原酒蔵出し」を。

 

 

外に出ると、霙が降り始めていた。


分水嶺 ・・・・・・・ FREE FORM / DONALD BYRD

2019-03-16 | ジャズ・tp

 

Transition盤、”IN PARIS ”が「幻の名盤」に、また”FUEGO”の「名定盤」扱いによりバードの知名度、人気度はコレクター及び一般ジャズファンの間で高い。でも、ディープなバード・ファンにお目にかかったことがない。つまり「広く浅く好かれる」がバードの絶妙な立ち位置なんだろう。

BNの諸作の中では、そろそろ怪しくなり掛け、一部の毒舌家から「トタンペット」と揶揄され始めた頃のあまり目立たない”ROYAL FLUSH”が意外に自分の好みに合っているかな。恐らくバード自身もトランペッターとしての限界に薄々気付いていたのだろう、アルバム全体の印象により腐心している様子が窺われ、自分なりに満足できる作品になったことをタイトルが示している。

それから僅か3ヶ月後に録音されたのがこの”FREE FORM”、メンバーはP・アダムス(bs)の代わりにW・ショーター(ts)が入っただけだが、タイトルとショーターの名に、ひょつとして・・・・・・・と危惧する向きも。

でも、TOPの”Pentecostal Feeling”に針を落すと、ほとんどの人が「あれ、まぁ~、なに、これ・・・」と肩すかしを覚えるに違いない。ウォターメロン・マン、サイドワインダーも顔負けの立派なジャズ・ロック。しかもウォターメロン・マンに先行すること半年。

ところが、”Pentecostal Feeling”がヒットし、”FREE FORM”が話題に上った形跡は全くない。

半年後に録音された”TAKIN' OFF”のNo.は4109に対し本作は4118、つまりレコードNo.順にリリースされたとしたらウォターメロン・マンが1stで、”Pentecostal Feeling”は二番煎じとなり妙に辻褄が合いますね。本当の所はどうなんだろう。

”ROYAL FLUSH”との間隔を取るために”FREE FORM” のリリースを遅らせたと考えるのが妥当ですが、ひょっとして人柄の良いバードが弟子のハンコックの初リーダー作を優先させたかもしれませんね。

で、本作の内容ですが曲構成、曲順等、十分に練られている。2曲目のハンコックがバード用に?書いたと思われるバラード”Night Flower”ではバード流リリシズムが聴けます。ただ、もっと毒があったほうが、と思わせるほどクソ真面目ですね(笑)。

フリーの香りを微かに漂わせたタイトル曲をラストに据える等、思わせぶりな演出も効果的です。

 

 

ショーター、ハンコックは後年のような新主流派スタイルをそれほど見せていませんが、バードのスタンスとの違いは歴然としている。

頭の良いバードは「違い」をハッキリ自覚したのだろう、その後の作風を大きく転換していった。 


SHURE M95HE   これ、なかなかGooなんですが・・・・・・・・

2019-03-10 | お遊びオーディオ

 

一年程?前、SHUREがカートリッジ市場から撤退、そして生産を終えるニュースが流れた。

タイプVから44Gまで5モデル揃えていれば、もう充分と思っていたけれど、この際、他のモデルも集めてみようと。

たまたまM95HEをネットで、このモデルはスタイラス・チップが接合ダイヤでなくムクなので、前から狙っていた。

 

 

まず、何でもないシェルとリード線で聴いてみると厚みが、しかも芯があり想定外の良い音が。

そこでシェルをアントレに、 

 

リード線も6NCuタイプを新たに用意すると、透明感とリッチ感が両立した豊潤なサウンドに。 いや~、こりゃ、掘り出し物ものですね。

 

 

そこで、D・バードのかっての人気盤 “FUEGO”を、

 

 

このSTEREO 盤の音は、今までのシステムではあまりRVGサウンドの恩恵を受けてていなく、SHURE95HEではどうなんだろう? 

 

 

期待の度が大き過ぎたのか、それほどの向上は無く、リズム・セクションは兎も角、バードのtp、マクリーンのasはもう少し厚み、潤いがあると良く、特にマクリーンは紙っぽくやや耳当りが強めです。この辺り(1959年)のBNものはMono盤の方が、やはりいいのだろう。

カート・シェル・リード線のマッティングに問題があるのかもしれない。 


THE JAZZ COMPOSER'S ORCHESTRA / MICHAEL MANTLER

2019-03-02 | ジャズ・etc

 

あの頃、「しゃんくれ~る」が京都ジャズ喫茶のメッカ的存在として人気があった秘訣の一つは、新譜の入荷が一番早かった。

恐らく独自のルートを持っていたのだろう。例えば、C・ロイドの”FOREST FLOWER"なんか、他店にまだ無い時、「しゃんくれ~る」ではばんばんリクエストで流れており、運が悪いと「先ほど掛けたばかりなので・・・・・・・」と。

この”JCOA”(1968年録音)もSJ誌の海外新譜コーナーに載ってからまもなく掛かった。つまり本国とほぼリアルタイムでジャズレコードを聴ける環境だったので必然的に他の店よりある意味で耳が進んだ人達があの赤カーペットの階段を上がっていった。初心者の自分は肩を窄めて・・・・・・・・

 

その時のカヴァは、下のブラックだったような朧げな記憶があり、上のシルバーはリ・イシューもの(ECM盤)で、ブラックはECM盤のインナー冊子にあります。また、JCOA盤はゲート・ホールドではなかったような・・・・・・・・

それはともかく、この手のレコードはジャズ喫茶で充分な音量で聴くものと勝手に決めていたけれど、もうそう言う状況は困難と思い、諦め気味にECM盤を可哀そうな位の安価で入手。

 

 

 

当時から前衛ジャズの名盤、傑作として不動の評価を得ている作品ですが、改めて聴いても間違いありません。前衛ジャズに対する一部の歪んだ先入観は無用です。

ただ、このECM盤、耳に残っている音とちょっと違うような気が。特に2枚目、C・テイラーの圧巻のパフォーマンスを聴くと、オリジナルJCOA盤の壮大なスケール感がECM・スケールに・・・・・・ ・・・・

 

同時期、「しゃんくれ~る」で記憶に残った"A GENUINE TONG FUNERAL / GARY BURTON"、邦題「葬送」。

この作品の良さを上手く語る術を知らない自分がもどかしい。優れたアルバムですね。

 

 

 今思えば「あの頃のJAZZ」は本当に凄かった。「何でもあり」だが「芯」もあった。