家の中の温度計は34℃に、念ため外気温(日陰)を測ると40℃を。アスファルトの街中じゃぁあるまいし・・・・・・・
明日のゴルフを早めにキャンセルして大正解。
熱い一枚を。「長時間聴いても聴き疲れしない音」、オーデイォの極意、王道と言われている。
その観点からすれば、この「音」は即、失格、落第だろう。いきなり、不穏めいたメロディがけたたましい音で飛び出してくる。
ゲルダーは「極意?王道? それがどうした」とばかり、当時のマクリーンの抑えても抑えきれない創造意欲と燃え盛る熱量をダイレクトに伝えるには「これしか無い」音で録り、ウルフはローアングルで力感・躍動感を高め、マイルスは敢えてネガを、そして朝顔の上に”ACTION”をやや斜めに三段重ね、しかも余白を充分に。
聴く前からイマジネーションを駆り立てられる。BNならではの「いい仕事」してますね。
N・ヘントフはライナー・ノーツで本作は「アウトサイド(新しい方向性)とインサイド(伝統)の両方を表現している」と。
確かに”LET FREEDOM RING”(BLP4106)から始まるこれまでのアグレッシヴ・ジャッキー作品群の中では「アウトサイド面」がやや薄らいでいる印象を受けるけれど新進性が後退しているわけではない。
その例が、「パーカーの完璧なプレイに対し、自分は今まで何度トライしても納得できる演奏は出来なかった」と述懐している”I Hear A Rhapsody”。
この時代のマクリーンがスタンダードを取り上げるのは珍しく「やっと納得できるレベルになった」証だろう。
この曲は57年の”MAKIN' THE CHANGES"(NEW JAZZ)にも収録されていて、聴き比べると7年の間に何を捨て、何を習得し、進化・深化したか良く解ります。BNでは一曲だけスタンダードを一種のサービス?のように取り上げるケースがまま有りますが、本作は趣旨が全く違います。このポイントを聴き逃すと ・・・・・・・・
一番好きなナンバーはラストの”Hootman”。フラジオを織り交ぜ悠然と吹くマクリーン、実にクール。フラジオをネガティブに捉える人もいるけれど、自己表現に制約は無用、何の抵抗もなく聴けます。
好むと好まざると、この時期がマクリーンの音楽的ピークですね。