jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

熱くてクール ・・・・・・・・ACTION / JACKIE McLEAN

2018-07-23 | Aggressive Voyage of Jackie McLean

家の中の温度計は34℃に、念ため外気温(日陰)を測ると40℃を。アスファルトの街中じゃぁあるまいし・・・・・・・

明日のゴルフを早めにキャンセルして大正解。

熱い一枚を。「長時間聴いても聴き疲れしない音」、オーデイォの極意、王道と言われている。

その観点からすれば、この「音」は即、失格、落第だろう。いきなり、不穏めいたメロディがけたたましい音で飛び出してくる。

 

 

ゲルダーは「極意?王道? それがどうした」とばかり、当時のマクリーンの抑えても抑えきれない創造意欲と燃え盛る熱量をダイレクトに伝えるには「これしか無い」音で録り、ウルフはローアングルで力感・躍動感を高め、マイルスは敢えてネガを、そして朝顔の上に”ACTION”をやや斜めに三段重ね、しかも余白を充分に。

聴く前からイマジネーションを駆り立てられる。BNならではの「いい仕事」してますね。

 

 

 N・ヘントフはライナー・ノーツで本作は「アウトサイド(新しい方向性)とインサイド(伝統)の両方を表現している」と。

確かに”LET FREEDOM RING”(BLP4106)から始まるこれまでのアグレッシヴ・ジャッキー作品群の中では「アウトサイド面」がやや薄らいでいる印象を受けるけれど新進性が後退しているわけではない。

その例が、「パーカーの完璧なプレイに対し、自分は今まで何度トライしても納得できる演奏は出来なかった」と述懐している”I Hear A Rhapsody”。

この時代のマクリーンがスタンダードを取り上げるのは珍しく「やっと納得できるレベルになった」証だろう。

この曲は57年の”MAKIN' THE CHANGES"(NEW JAZZ)にも収録されていて、聴き比べると7年の間に何を捨て、何を習得し、進化・深化したか良く解ります。BNでは一曲だけスタンダードを一種のサービス?のように取り上げるケースがまま有りますが、本作は趣旨が全く違います。このポイントを聴き逃すと ・・・・・・・・

一番好きなナンバーはラストの”Hootman”。フラジオを織り交ぜ悠然と吹くマクリーン、実にクール。フラジオをネガティブに捉える人もいるけれど、自己表現に制約は無用、何の抵抗もなく聴けます。

好むと好まざると、この時期がマクリーンの音楽的ピークですね。


MONKの響き ・・・・・・・・・・ SOMETHING IN BLUE

2018-07-11 | ジャズ・p

「記録的大雨」の最中、親類が亡くなった。

長良川の上流に行こうにも高速、国道は通行止めになり近づけず、葬儀に行くのは無理と覚悟したが、奇跡的にお通夜の一時間前に国道の通行止めが解除されギリギリ間に合い、翌日の本葬も無事に。

かなり前から、ゴルフへ行く道路際や庭の樹木、雑草の伸びが例年と比べ早く、ちょっとした異変を感じていましたが、まさか・・・・・・

 

 

もうかれこれ20数年以上、牢屋(カプセル・キーパー)に入れたままのAT33EとDL103の救出を。

折角なので気分転換を兼ねてシェルを交換。用意したのはオーディオ・クラフトとFR。

 

 

クラフトはダブル・ピンと上下二つのツメでパーフェクト・ロック出来、リード線も直付けのタイプ、FRはロゴ・マークが利いているちょつと懐かしいタイプで端子もまだ金メッキになっていない。

組み合わせは見た目と収まり具合で。

 

 

AT33Eはベスト・セラー、DL103はロング・セラーとして国産を代表する名器ですね。さすがちゃんと音が出ました。

AT33Eはパッと視界が開けた感じで見通しが良く、本体に似て高域に輝きを持ちやや派手目、一方、DL103はある意味で正反対で落ち着きあるしっかりした音ですね。

何枚かテスト盤を流した後、選んだ一枚は、

 

 

コロンビアと契約が決まった際、小躍りして喜んだモンクの第一作目。タイトルがメジャー昇格の夢が叶った事をダイレクトに伝えている。

モンクの独自性とメジャーの意向?に沿った大衆性が次元を落とすことなく融合している。意向を汲み過ぎとの批判もありますが、イメージと異なりモンクは「大人」、しかも「素直」ですね。

 

ただ、気になる点が、

全体の音は一聴、骨太ながらソロ2曲はともかくカルテットのモンクのpの音に今一つ、ジャズ史上における彼の存在位置に相応しい厚み、重みが感じられない。音の密度が薄いなぁ~

二ッ目と黒字のSTEREO 360 SOUND、矢印ナシは初版盤と思いますが・・・・・・・、ま、それよりお前のシステムの問題と一笑されそうですね。

 

 

モンクの音で大好きな一枚がこちら。

オフィシャルのラスト録音盤と言われている。

 

 

欧州遠征を嫌がるモンクをブレイキーが熱心に説得して実現した作品(1971年11月15日、 ロンドン)。

素晴らしいpの響きですね、勿論、演奏も最高。我々はブレイキーに感謝してもしきれません。

 

 

 

誰も褒めないけれど、それでいい。ひっそりと聴く一枚が有ってもいいではないか。

同日に収録されたもう一枚"THE MAN I LOVE”(ポリドール盤)は未入手のまま、急がねば・・・・・・・・・