穏やかなお正月を迎えたは大勢いらっしゃると思います。元日早々に大地震に見舞われた被災者の方々には、慰めの言葉も有りません。元の生活に戻られるようお祈りするのみです。
少し前に、中将棋の居食い三兄弟?を記しました。角鷹(一ヶ所)→ 飛鷲(二ヶ所)→ 獅子(八ヶ所)と、段々強くなります。このブログでも「角鷹」と「飛鷲」を作品名にしましたので、「獅子」と名付けられる強い居食いをご覧頂ける作品を探していました。やっと見つけたのですが、その作品には作家さんが名付けた作品名が付いていました。
その作品は、いちごナンプレ研究所 さん作の「宇宙二位の難問」でした。「獅子」と言う名を諦め切れなかったので、申し訳ありませんが今回のこの記事限りで、作品名を「獅子」とさせて頂きました。
その「獅子」が次の図です。
実は6年前に、いちごナンプレ研究所 さんより「世界一の難問より難しい作品ですが、解いてください。」と依頼されたのですが、当時の私はU字型一辺倒でしたので時間が掛かり過ぎて、ご期待に応じられませんでした。
候補数字を入力すると一つの数字が削除されます。
右上ブロックの5で進めて、
この図が解き始め図です。
最強の居食いですので、Loop を造ります。▢と▢、▢と▢に4の強リンクが2本在ります。この4マスの色分けが初手です。理由は、▢と▢が同色ならば左上ブロックの無色の▢に4が確定するからです。
色分けはそれ程難しくはありません。▢を使います。▢から左へ 強・弱・強・弱・弱 の奇数個連鎖で、▢の4が消えた図になります。
▢と▢の4は違う色になります。
この図になり4は削除されます。
▢と▢に4の強リンクが在ります。
▢に4が決まると▢と▢の4が残ります。
この色分けになり4は削除されます。へぇーそうなんだと、ここで納得してはいけません。前の図で▢の4が先に決まったらどうなるの?と疑問を持ってください。その答えは、▢と▢の共通の領域に有る▢2個に4が居ない事から▢と▢の4は色違いと判ります。
▢と▢に4の強リンクが在ります。
色分けはこの様になり、4は削除されます。
loop 完成までもう少しでですが、一旦色を消します。
▢の4と▢の4は一心同体です。
▢の4と▢の4も一心同体です。
重ねるとこの図になります。色分けをするのですが、強リンクが在りませんので、最初に使った奇数個連鎖が使えません。でも手段は有るものです。
以前の記事で使った「3個型弱リンクの原則」覚えていますか。第2行をご覧ください。数字4の3個型弱リンクですね。▢の4は消えたら4です。第7列の▢の4は消えたら4です。
これで▢の4と▢の4は色違いが決まりました。
もう一つ▢の4が消えたら、
奇数個連鎖が使え▢から下へ 強・強・強・弱・弱 で▢の4が消えた形になり、▢と▢の4が色違いであることが判ります。
色分けはこの様になりますので、4は削除されます。
元の色分けを戻します。
強リンクになって4と4のどちらかは確定しますので、4を4に4を4に色を変更します。従って、4は削除されます。
4の Loop が出来上がりました。
途中ですが、おまけです。
「3個型弱リンクの原則」を使わないで、初めから確定するとで始めると、4が確定する場合も含めなくてはなりません。
そうすると、この Loop が出来て、進めると別のマスあるいは領域に矛盾が発生します。つまり、仮定法になりますので、仮定法命の愛好者さん以外の方はご注意ください。
言葉を変えると、仮定法の裏側には必ずロジックが在ります。
本文に戻します。この Loop に2回接触の数字を探しますが、残念ながら無いようです。
でも、新手が有ったのです。
良く見ると、▢と▢に3の頭ハネ候補が有り、▢と▢に2の頭ハネ候補が有ります。共倒れの候補が2数字の時はどちらかが正しいのか、両方とも正しいのか不明でしたので、手が出せませんでしたが、この場合は両方とも正しいと4が全て削除されますので、どちらかが正しい事になります。
「獅子の居食い定跡」です。3の頭ハネが正しいとすると、▢に3・4が入り削除されますので、
▢の3が確定します。
すると、▢の4が確定し▢の2が確定します。
反対に、2の頭ハネが正しいとすると、▢に2・4が入り削除されますので、▢の2が確定します。
すると、▢の4が確定し▢の3が確定します。
つまり、どちらの頭ハネが正しくても2と3が削除されて▢の3と▢の2が確定します。
ここまでが、別の2数字を居食いする「獅子の居食い定跡」の解説です。
そして、「頭ハネ定跡」は必ず存在することの証明にもなっています。
▢では3が▢では2が一手で消えています。2で進めて、
3で進めて、
左上ブロックの9で進めて、
第2列の7で進めて、
四国同盟で、
3で進めて、
ご覧の通り4が消えましたので、誤りとなります。4で進めて、
2で進めて、
1で進めて、
6で進めて、
7で進めて、
1で進めて、
8で進めて、
6で進めて、
5で進めて、
9で進めて、
6で進めて、
正解です。
「獅子の居食い定跡」も新手ですが、この記事の一番の売りは冒頭からの Loop の造り方です。特に「3個型弱リンクの原則」は覚えておいて損は無いと思います。Loop が造れれば枝が伸びて色々な構想が浮かんできます。この記事を参考にしていただければ幸いです。
別手順です。おまけでは有りません。numpl_npm さんに頂いたコメントです。記号で投稿されましたので、眺めているだけでは難しくて図にしてみました。
作品名はもちろん「宇宙二位の難問」です。
解き始め図からです。
numpl_npm さんは Nishio の大家として有名です。▢と▢をご覧ください。
▢に1が決まると、▢に1が決まり▢に2が決まります。
また、▢に3が決まると、▢に3が決まり▢に2が決まります。
▢と▢に1も3も決まらないとすると、▢も▢も6・7の二択マスになります。どちらに6が入っても同じ結果になります。
▢に4が▢に1が決まります。
すると、5・6の二国同盟が出来て▢に4が決まります。
すると、▢の2マスのどちらかに2が決まります。
そして、▢に1が決まります。
続いて▢と▢のどちらかに1が決まります。
▢に4が決まっていましたので、▢と▢のどちらかに4が決まります。
▢と▢はどちらも1・4の二択マスになりますので、▢に2が決まります。
この結果、▢と▢の数字はどの様な組み合わせでも▢に2が決まります。
2で進めて、
四国同盟で、
3で進めて、
▢と▢は3・4の二択マスになりますので、▢のどちらかに2が決まり▢に1が決まります。
▢に4が決まると▢に2が決まり▢に2が決まります。
そして、▢に3が決まり▢に3が決まります。▢▢▢▢の3は井桁です。
そして、▢に3が決まると▢に3が決まります。
Nishio で▢に4が入っても3が入っても▢に3が決まります。
この続きは本文と殆ど同じです。
奇しくも最初に確定したのは▢の2でしたね。でも進め方が違います。私のは Ioop を造ればその先に何かあるだろうと思っての偶然の結果で、numpl_npm さんの手順は 三択型の Nishio で▢の2を狙い打ちしています。レベルは二階級は違うでしょうね。兵隊さんで言うと。私は退役間近の上等兵で、numpl_npm さんは鬼軍曹といった処でしょうか。(笑)
次回は、誰にも解けない難しいナンプレ作家 さんの超難問のコメント付きの作品で、次の図です。
私はこの作品を、地震からの復興を祈願して「能登」と名付けようとしましたが、あまりにも生々しいので、「能登半島」と云う歌謡曲を歌った歌手に因んで「さゆり」と名付けました。
ご覧頂きまして有難うございました。