ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ソーセージ鍋

2022-01-23 02:16:40 | 食材
 ソーセージ鍋とは、筆者が米国で30代独身日本式サラリーマンにお勧めする鍋である。そう、鍋の季節なのだ。気のせいかもしれないが、今年の冬は生暖かく、鍋を積極的に求める気持ちにならない。だが世の中はオミクロン株とかいう新型コロナの新株が広まって、再びマスクだの、ブースター接種だの、マンボウだの、そんな話で盛り上がっている。そんなときは長屋一人、社会から十分すぎるディスタンスをとってまったりと、グツグツした鍋でもつつきながら、熱燗で温まったり、ビイルで潤したりして楽しみたい。そこで今日は、アメリカで売られているソーセージを使った鍋を紹介する。


この鍋料理の詳細は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①米国のソーセージは大きい
カリフォリニアであればセイフ・ウェイやホール・フーズ、コネティカットであればストップショップやホール・フーズの精肉コーナーにはソーセージが売られている。しかしそれは日本のシャウエッセン風のソーセージとは異なる。まず大きい。男がソーセージの大きさを何かに例える場合、どうしても卑猥なものを対象にしてしまいがちで安易で悔しいのだが、10分ほど考えてもそれより適切な喩えが思いつかないので仕方がない。アメリカのソーセージは、比較的大きなアジア人が元気な状態のときの大きさと言ってよい。



②それに具材の質が全く異なる。
それに具材の質が全く異なる。日本のソーセージは練り物と呼んでよいほどに細かくなった肉やその他の添加物がぎっしり詰まってプリプリしているのに対して、米国のソーセージは普通のミンチ肉が入っているので空気を多分に含み、感触がけっこうフニャフニャだ。これを見たときに筆者は、『お、このソーセージを鍋に入れればつみれ鍋のようになるかな』と思い立ったのだった。これらのソーセージはパウンド6ドル程度で比較的安価なので、財布にもやさしい。



③ソーセージを購入する
さて、アメリカのスーパーマーケットで売られているソーセージは大きく2種類しかない。豚か鶏のイタリアンか Bratwurstである。筆者の偏見によればイタリアンはコショウや唐辛子が強すぎて鍋には合わないので、ドイツソーセージ(と思う)のBratwurstが好ましい。だが購入にはちょっとしたストレスがある。ホールフーズではこれらソーセージはパックされておらず、精肉コーナーの店員に“Bratwurstを2本おくれ”と告げなくてはならない。お分かりのようにBratwurstの発音が難解なのが何ともストレスだ。“ブラゥトゥワスト”とそれっぽく発音しても理解されず、『ハァ!?』と返されると泣きたくなる。何とか理解を得た場合も、店員がどことなく笑いを堪えているように見えるのは筆者の被害妄想だろうか。一方でセイフ・ウェイではパックされたものを籠に入れるだけでよいのだが、最低でも1パック5本入りなので、必要以上の本数を購入しなくてはならぬ。



④ソーセージ鍋
調理方法は簡単だ。大き目なアジア人の元気な状態ほどの大きさのソーセージを一口大に切って、野菜などと共に鍋に入れてグツグツすればよいだけだ。熱い湯で茹でられたBratwurstの中身のミンチ肉は膨張し、皮ははち切れんばかりにパンパンになる。こいつをポン酢につけて食べると、プリプリでジューシーでとてもうまい。切り口から出る肉汁で鍋の汁の風味も豊かになる。だが、他の野菜等の味を邪魔するほどではない。大成功である。




 昨日は同僚の中国人女性がついにフィアンセの住むシアトルへ転勤するということで、限られたメンバーでの送別会があった。中国では送別される側が支払いをするのだろうか、パル・アルトの小じゃれた寿司屋での会の支払いは全て彼女がした。筆者は悲しくて手取川をごくごくごくごく飲みたかったのだが、それはこちらでは高級酒であるし、支払いが彼女なのでできるだけ控えめにしていた。だがこの限られたメンバーに入れてもらえていたことは喜ぶべきことだ。つまらぬ仕事でも、つまらぬ相手でも、いちおう腐らずに真面目に対応していれば、世界は悪い方向には向かわない。そんなことを思うと同時に、なかなか元気になることが少なくなってきた30代独身日本式ソーセージのことを考えていた。どうやら食べごろが過ぎようとしているようだ。

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