ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

カタナ屋ラーメン

2023-10-17 09:04:14 | 食事
カタナ屋ラーメンとは、バークレー市にある日本料理屋である。“ベイエリアで古本を寄付する”の回で記したように、筆者は古本の処分を目的に“ひまわり会”の古本市開催場であるバークレーを訪ねた。そこは“八百屋さん”なる日本スーパーの前だったのだが、八百屋さんは生憎開店前で、その日は入店せぬまま帰路に着いた。そして最近の孤独で暇な週末に八百屋さんのウェブサイトを見れば、弁当が美味いのだという。『孤独で暇だし、行ってみるか』と、似非30代独身日本式サラリーマンは最近すっかり重くなった腰を上げた。2023年の夏が終われば、ウクライナに続き今度はイスラエルで戦争が始まった。しかし今のところ筆者の周囲は平和である。



このお店の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①八百屋さんの隣の隣のラーメン屋
カタナ屋ラーメンは八百屋さんと同じ建屋にあり、インド料理屋を挟んで隣の隣の関係にある。八百屋さんの思いの外充実した品揃え(特にうどん・そうめん類)から、周辺地域の日本文化の浸透ぶりを意識した筆者は、この辺りの日本料理屋にも期待ができそうだと判断した。そこで八百屋さんでの弁当購入計画を中断し、久しぶりにレストランへ入ってみることにした。そして手っ取り早く、隣の隣のカタナ屋ラーメンの扉を開けたのだった。表からは中が見えにくい造りだが、古めかしい暖簾に『恐怖新聞』のような力強い書体で『刀屋ラーメン』と書かれている。



②中の様子
しかし扉を開けてすぐに懐かしい気分になった。それはコネチカット州マンチェスター市のハナ・スシの雰囲気を思い出させたのだ。提灯やなかなか立派な鯉の木彫りをぶら下げたり、丸額縁に掛けられた日本画などで雰囲気を出してはいるが、どことなく米国式ジャパニーズの香りがある。しかもこの店はラーメン屋ではなく日本料理屋のようだ。扉を開けた正面のカウンターに居る白人女子二人組はロール寿司を食べているし、案内されたテーブルの近くの中国人と思しきグループは所謂BENTO‐BOXを食べている。期待した日本料理レストランとは違うことは明らかだったが、なかなか面白い雰囲気で、残念な気持ちはなかった。



③メニュー・店員
ホールのリーダー格と思われる痩せた中年女性店員は、一見強面だが気さくだ。そしてよく見ると新垣結衣そっくりで笑える。一見“琉球らしさ”が薄い新垣結衣さんが、やはり南国顔であることが彼女を見ると認識できる。メニューはBENTOモノから丼物、スシと比較的豊富で選び甲斐がある。隣のテーブルにいる母娘が食べるBENTOは、から揚げと豚照り焼きがボリューミーに盛られていた。また、正面にはカツ丼をパクつく中年アジア女性がいた。カツ丼は調理された人参やシイタケが丁寧に添えられていて美味そうだし、小さな丸いコロッケのようなものも添えられている。だが筆者の胃袋はラーメンの準備万端だった。ラーメンのメニューも豊富だが、最近北米で人気のこだわりラーメンの様子は感じない。それに“から揚げラーメンや餃子ラーメン、照り焼きラーメン”などといったやや珍妙なメニューが多い。せっかくなので最も珍妙な、『エッグ・フラワー・ラーメン』を注文してみた。




エッグ・フラワー・ラーメンは蟹肉の入った卵とじ焼きが載った天津麺だ。塩味あっさりスープは、フワフワとは言い難いが確かに柔らかい卵とじと相性がよく、なかなかいい味のラーメンでした。麺は卵麺が固めに茹でてあってコシがある。日本のことをよく知る人により調理されているように思われる。筆者がラーメンを食べている間にもお客は増え続ける。日系移民っぽいグループのお客は、新垣結衣とは馴染みのようで親しげに話していた。近所に愛される老舗なのかもしれない。帰りのベイブリッジは、何でも空軍による航空ショーがあるとかで交通が混雑していた。関ケ原の戦いのおりにも、農民たちは弁当を持参して見物に行ったという嘘か本当かわからない話もある、やはり人は争いが好きなようだ。

コメントを投稿