読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

学生、研究者、経営者にお勧めの啓蒙書「否定学のすすめ」(浦壁伸周著/プレジデント社刊)

2007-01-18 02:37:49 | 本;ビジネス
~エジソンかアインシュタインになってみないか~
第一章 創造は否定に始まる
第二章 否定学とは何か
第三章 否定学の具体的事例
第四章 創造性と思想構造論

「著者は企業家である。本書は企業家としての、著者の創造物語である。著者は実際、否定学を切り口に、ゼロから会社を立ち上げ、今日までさまざまな創造的研究成果を世に問うことを専らとしてきた。その思想と戦略をまとめて書にした」(本書「あとがき」)

凄い本だ。著者はどんな人なのかと感心した。株式会社アドバンス(本社/東京都中央区日本橋小舟町5番7号)の社長。創立が昭和48年3月26日、資本金 払込資本金 5億2千万円。今まで全く知らない会社だ。HPを覗くと、事業内容は、医療機械器具、情報セキュリティ機器、腸内細菌関連食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、美容器具、環境機器、デンタル医療材料、3次元測定切削加工機、電化製品、食料品、日用雑貨等の開発・製造・販売並びに輸出入その他とある。

本書を読めばこれらの事業の製品群は特許が取られ、既存の製品と全く異なる観点から発明されたもの。「否定学」の見地から発明された製品は、「革新」「原理」「異質」「社会的価値」というフィルターにかけられ新たに創造的価値があるものばかりだという。その「否定学」と本書については、数学者秋山仁氏の書評を引用しよう。ちなみに本書が刊行されたのは2002年である。

「ノーベル賞同時受賞に沸いたとはいえ、まだまだ日本では独創的発見が少ない、とよく言われます。そうした日本風土を『否定』し、新たな思考法を提言する、啓蒙書・ビジネスガイドです。コペルニクスの地動説、ガリレオの天体運動理論、さらにニュートン、アインシュタインまで―。人類史上に残る偉大な発見の背後には、常に現在の概念形態・ありように対する『否定』があった、と著者は説きます」。

「ヨーロッパにはキリスト教の世界観、つまり『目に見える世界』と『神がつくった、目に見えない真理の世界』とがあるはずだという二次元的思想構造があって、それが現状否定の契機となった。しかし日本人は世界を『あるがまま』に受け入れるため、現状を肯定し、新しい発想をしようとしないのだ、と」。

「そこで著者が提唱するのが、まず現状を『否定』する、『否定学』です。『否定学の創造の手法は単純だ。…現にあるパラダイム、社会事象、さまざまな出来事に対し、対象化し、否定し、コペルニクス的展開をかければよいのだ。そうすればその対極に、現にあるものと正反対な新しい異質なパラダイムを生み出すことができる』」。

「著者自身が携わった、新薬剤投与システムや新素材入れ歯の開発、といった実例も多く紹介されています。著者のユニークな個性が文章からもあふれる、まさに『新しい発想法』を体現した一冊です」。

私はこの本から多くのことを学びました。この歳になって「抽象」の意味が実感できたことはありがたい。「創造性は思想にある。人、モノ、金、制度などに宿っているのではなく、思想の非連続性の地平にある。思想が変わらばければ、創造性は生まれない。思想が変わるとは、非連続な地平への思想シフトである」。


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-05-24 19:30:09
マルチ商法の詐欺罪で逮捕、のちに有罪判決された男だね。
会社ではワンマンで年間数十人を採用しては首を切っている無能経営者ね。
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Unknown (Unknown)
2012-05-24 19:38:00
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008010701000507.html

浦壁伸周詐欺師
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