読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「千円札は拾うな。」(安田佳生著/サンマーク出版刊)

2006-03-18 04:21:11 | 本;ビジネス
「私は社員みんなで生活を楽しみながら美しい会社を作りたい。そう考えるから、収益を増やし、その中の一部をタクシー代に使うことがとても素敵なことに思えるのだ。お金はまた社員と一緒に稼げばいい」。これが安田氏の基本的な経営理念だ。

「美しい会社」というのはこれまで聞いたことがないが、魅力的な言葉だ。「千円札は拾うな」というのは、目先の価値にとらわれて本質となるものを見失うな、ということ。安田氏の「捨ててこそ、新たなステージに進める」という主張に、なるほどと頷く。冒頭のアインシュタインの箴言、「常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」に、自らの「偏見」を捨てる勇気をもとう。


「ビジネスは、頑張って努力して百メートルを9.5秒で走るより、全く別の方法で百メートルを5秒で移動した者が勝つ世界なのだ」。

「五百円のワインには文化がないが、二万円のワインには文化がある。ここで言う『文化』とは、具体的に言えば、そのワインを作っているシャトーの歴史だったり、ブドウを守ってきた人々の歴史だったり、そのワインが秘めているさまざま『ストーリー』のことである」。

「数や量の追求には、必ず限界があり、どこかで破綻する。たとえば、『広い家』をどこまでも追求していったとしても、ユーラシア大陸以上に広い家を作ることはできない。しかし、『美しい家』を追求していくとき、そこに限界はない。そうした意味で、企業文化というものを、これからは『数や量』ではなく『質や美意識』を追求していく時期に来ていると思う」。

「本当に豊かな生活を送っている人というのは、預金高の高い人ではなく、キャッシュフローの多い人、つまり持てる権利を十二分に行使している人のことなのだ。人が生きていく上で必要なのは、お金そのものではない。必要なときに必要なお金を作り出すことのできる能力を身につけることである」。

「三十億の会社が百億になるということは、あと七十億売るということではなく、今の三十億のビジネスモデルを手放して、百億のビジネスモデルをゼロから作り上げるということなのだ」。

1章 成果を生み出す「時間」のとらえ方
~時間の常識はゴミ箱へ~
・勤勉は悪、努力は報われない・残業をやめれば給料は増える・優秀な人材には仕事をさせない・「本郷猛」を鍛えてはいけない・自分でできることは自分でしない・値切りは半額に、値切りは三倍に・売上げを伸ばすために顧客を捨てる・一手先で「損」と見なすか、三年先の「得」を見過ごすか・四半期決算の落とし穴

2章 利益をもたらす「お金」の上手な使い方
~お金の常識はゴミ箱へ~
・経営とは買い物だ・「お金は血と汗と涙の結晶」という考えを捨てる・損をしないとお金の使い方はうまくならない・社員の決済能力が会社の業績を決める・決算書に表れない投資のリターン・社員のために気持ちよく無駄金を使う・無駄のないところに豊かさはない・まず「借金」から始めよう・晴れた日にこそ傘をさず・タクシーに乗るのに理由はいらない・贅沢の基準は自分で決める・質の追求に限界はなく、質の追求に未来はない・家を売ってワインを買っても人生は破綻しない

3章 大成する「いい男」「いい人材」の見抜き方
~人を見る目の常識はゴミ箱へ~
・男性アイドルの頂点は髪型でわかる・変化値は捨てられるものの量で決まる・女性が「いい男」を決めている・大成する男はお金と時間の使い方が違う・彼氏は「彼女がいる人」の中から選ぶ

4章 トレンドを捨て、「本質」を貫く考え方
~常識を捨てる勇気ある決断~
・即決にこそ、価値がある・大きいことはもはや安定ではない・三年後の百億のために今の四十億を捨てる決断・本質とトレンドを見誤らない・「似合うスーツ」は選んではいけない・二十メートル掘り進めた穴を潔く捨てられるか・自分の給料を下げる努力・経営に不可欠な「売り上げ設計図」・リスクという言葉の本当の意味


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