本作に登場するクライマック、それは2005年6月13日。場所は、ニューヨーク・プラザホテル。2005年と日付は、20年前にこのホテルで行われた歴史的な「プラザ合意」があった日です。主人公・笙子が宿泊するのは、竹下登大蔵大臣が宿泊し、先日6月6日付の記事「ホテル界の巨人が書いた、「『帝国ホテル』から見た現代史」(犬丸一郎著/東京新聞出版局)」で取り上げたフランク・ロイド・ライト(1867-1959)がグッゲンハイム美術館を建造中に長期滞在し終の棲家となったことから命名された「フランク・ロイド・ライト・スイート」。
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