風のささやき 俳句のblog

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赤とんぼ 【詩】

2022年09月15日 | 

「赤とんぼ」

# 1

澄んだ秋の空を
たくさんの鰯雲が
心地良さそうに泳いでいく

その海のほとりで
迷走しているのは
たくさんの赤とんぼ

透明な羽で空を
叩く 一生懸命が
その枝のような体を
支えている

# 2

秋の空に
溺れてしまっているのか
どこに泳ぎつけば
いいのかも分からずに

ひと時でも
その羽を休ませた
向日葵は首を落とし
トウモロコシは
立っていられなくて
穂の長いススキも
秋の訪れに小刻みに震えている

# 3

羽はいつ休むことを知る
空を舞い続けることしか
術を無くして

やがては空に命
燃え立たせる赤とんぼ
薪のようにくべられて
夕日に炎 点されて

その紅は秋の頬紅
木々を景色を
赤く色づけるには
十分な量で

 



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