風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

糸電話、君のひそひそ、声、届く 震える心、伝える手、ないか 【短歌】

2024年08月13日 | 短歌

昔、学校の実験で糸電話を作り
友人と話をした覚えがあります

何故こんな簡単な仕掛けで
声が聞こえるのだろうと
とても不思議で驚きの気分だったことを
思い出します

そんな風に人の心の震えも
そのままに届くような道具があれば
便利だし、誤解も少ないのだろうなと思います

言葉に乗せるとどうしても上手く伝えられず
もどかしさばかりが募るばかりです

それでも言葉ぐらいしか
今のところ心を伝える手立てはないので
それを磨かなければと思います


ぎっしりの蔦押しやぶらん夏の窓 眩しさ、緊張、力、均衡す 【短歌】

2024年08月06日 | 短歌

今年も夏の間に蔦が伸び
駅の外側から壁を乗り越えて
ホームの方まで侵入していました

毎年、楽しみにしているのですが
だんだんと、ホームへ入り込む
割合が増えている気がします

その蔦の勢いは透明な窓を眺めると一目瞭然で
今にも窓を打ち破って押し入ろうとする勢いです

そうしてそれに負けまいと力を入れる窓という構図に
夏の光が緊張感を与えていました


一つとて同じではない夏雲が何故懐かしく、胸、明るます【短歌】

2024年07月30日 | 短歌

夏のこの時期
空を見て、雲を眺めていると
どこか懐かしさが込み上げてきます

夏の雲の形状は一つとして同じ物はなくて
何に、懐かしさが呼び起こされるのか
夏の雲の色合いなのか、質感なのか

いずれにしろ、その根っこは
子供の頃に田舎で過ごした
夏休みの思い出にあるようです

楽しかった時間は大切ですね
それが今でも胸に蘇って
自分を慰めたりしてくれるのですから

秋田に遊びに出かけている三男も
沢山の満ち足りた時間を
持って帰って来てくれればと期待するばかりです


白い帆は 風を丸ごと 捕まえた その勢いで 滑れ ヨットよ【短歌】

2024年07月23日 | 短歌

海のそばを自転車で走っていると
白い帆を張るヨットを見かけます

海原を滑るようにで
気持ち良さそうだなと思うのですが

実際に、自分で操作したら
きっと大変なのでしょうね
僕ではもしかすると
体力的に追いつかない位に

風の流れを捉えようと
普段から感じ取っていると
その見えないものにも
敏感になるのでしょうね

僕が感じれない
風の吹いてる方向を予想できたりもして

そんなことを勝手に想像しながら
ヨットの滑る様を見ている自分です


歩道橋、街路樹、一路、夏空に梢、感受す、摘まむ手仕事【短歌】

2024年07月16日 | 短歌

歩道橋に上ると、一直線の道路に添うように続いている
銀杏の街路樹が、青々と茂って綺麗でした

夏空にその先端を差し出して
空に届こうとして、空からの音信を
受け取ろうとしているかのようです

きっと大きな街路樹もまだ成長をしていて
夏の空に潜む見えない手が
その幹の先端を引っ張り上げようとしている
そんなイメージが自分の中に広がりました


知られても困る宛名に書く短歌気づいて欲しい馬鹿な恋文【短歌】

2024年07月09日 | 短歌

時々、昔、心を寄せた人を
思い出す時があります

もう音信も途絶えて
それ以降の気持ちも伝えられなくなった人
思い返せば感謝の気持ちしかありません

今ではその気持ちを伝えれば
きっと迷惑でしかないその宛名に
時々は思いを伝えたくて書き連ねる言葉

気づいてもらっても今さらという感じなのですが
どこか気づいて欲しいという気持ちもあって

人は誰かに伝えたい事だらけで
言葉を書き連ねるのでしょうね


波寄せて引くに飽きない子供らを大人は、微笑み、沖を見るだけ【短歌】

2024年07月02日 | 短歌

小さな女の子が二人
波打ち際に遊んでいました

一人は見た目、1歳位
もう一人は3歳位でしょうか

いずれにしろずっと飽きずに遊んでいて
時々、歓声を上げます
何が「やったー」なのか分からないのですが
何度も「やったー」を繰り返していました

あんな夢中になれる遊びを
いつから僕は忘れてしまったのかなと
ちょっと寂しく思いました

いつからか目の前のことよりも
未来に何か、いいことが起こらないかと
遠くばかりを見ているような気がします

目の前の一つ一つに
懸命に向き合わなければいけないのだと
自分を戒めていました


戻る波 押し寄せる波 もつれあう 引くに引けずに 定まらぬ心【短歌】

2024年06月25日 | 短歌

波打ち際に佇んで見ていると
戻る波と
新たに押し寄せてくる波がもつれあい
行ったり来たりを繰り返します
まるで定まらない自分の心を見るようです

思い立って一瞬は気持ちが昂るのですが
それを否定する思いも湧いてきて
結局、迷いのままに
何も行動に移せない繰り返し

自分の性分なのでしょうが
我ながら情けなくなる時もあります


人の目に右往左往だ閉じ込めて街の気分だ心苦しさ【短歌】

2024年06月18日 | 短歌

街で暮らしていると
沢山の視線に
体を切り裂かれるようです

きっと僕が
そうしたことを気にし過ぎるからなのでしょうが
その視点に晒されるごとに
おろおろとしていしまい
右往左往とする自分です

そんな気分は
もしかすると多少なりとも
皆感じているものかも知れませんね

心苦しさが街の雰囲気のようになって
心に毎日のしかかっています