風のささやき 俳句のblog

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絵日記が封じたままで夏休み 【季語:夏休み】

2016年08月27日 | 俳句:春 時候
夏休みの宿題で
絵日記を毎日
つけなければいけない年がありました

僕はと言えばてんで
絵心の無い人間なので
随分と適当に書いていた記憶があるのですが

その絵日記も
きっと捨ててしまったのでしょう
今は何処にも見当たりません

遠い夏休みの感触は
きっと捨てられた絵日記のページに
封じこまれたままで
僕に語りかけてくることも
もう無いのかも知れません

蝉時雨声なきものの高ぶりに 【季語:蝉時雨】

2016年08月20日 | 俳句:夏 動物
夏休みも終わりに近づいて
緑の多い街角を歩いてたら
たくさんの蝉が鳴いていました

まるで自分の耳元で鳴いているかのようで
歩を進めているのですが
その鳴き声が去りません
青く透明な通り雨に
足を踏み入れてしまったかのようです

蝉も夏の終わりを
感じているのでしょうか

僕に降り続く蝉時雨は
残された日を一生懸命に
鳴き尽くそうとする
声なきものの高ぶりにも思えました

蝉の声過ぎ去りし日のそのままに 【季語:蝉の声】

2016年08月13日 | 俳句:夏 動物
暑い真昼時に街を歩いていたら
どこの木陰から
蝉の声が聞こえてきました

蝉の声は僕の中では
幼い時分の夏休みに
遊びに出かけた故郷の
野山の思い出と結びつき
手足を真っ黒にして
走り回っていた自分を思いおこさせます

幼い頃からはだいぶ変わってしまった
自分を思うとき
あの頃と少しもかわらないままの蝉の声には
どこか苦いものを感じるときもあります

ひまわりに何を学ぶかおさげの子 【季語:ひまわり】

2016年08月06日 | 俳句:夏 植物
僕の背丈よりも高く伸びたひまわりが
夏の強い陽射しを受けて
大輪の顔を一層明るませていました

その下にはおさげの小さな女の子が
ひまわりをまぶしそうに見上げていました
背伸びをしても届かない
ひまわりの背丈に驚いているようです

その姿は知識が豊富な老先生の言葉に
一生懸命に耳を傾けているようにも見えて

どこか微笑ましいこの一時が
ずっと続けばいいのになと思っていました