風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

寄り添えるポブラ二本の信じ合い【季語:ポプラ】

2024年06月29日 | 俳句:夏 植物

夏の川縁を歩いていた時のこと
背を伸ばしたポプラが二本
寄り添うように立っていました
その遠くには夏の雲が漂っていました

他に高い木もなくて
何故そこに二本だけだったのか
良く分からなかったのですが
何故かその姿が心に強い印象を与えました

お互いに支え合うような姿に
一本だけであったのならば
きっと寂しかったのだろうなと
勝手な想像をして

願わくは二本の木のどちらかが
欠けることなく寄り添うように
立っていられればと思っていました


窓開けて虫の脅しに蠅取草【季語:蠅取草】

2024年06月08日 | 俳句:夏 植物

暑い夜が続いて
窓を開けて眠る日が増えました

風が心地よく
そのまま寝入ってしまうのですが
気になるのが蚊の侵入です

もちろん虫よけを炊いたりもするのですが
そんな物はなしですませるのが一番だなと思います

網戸も古くなっているので
風が強いとガタガタと音と立て
ここの所はハエトリソウを窓辺に移して
蚊を取ってくれとお願いしています

もっともそれで蚊の侵入を防げるとは思えず
脅しにはならないのでしょうが
僕の心の気休めにはなっているようです


手折り来て小言相手に月見草 【季語:月見草】

2023年09月09日 | 俳句:夏 植物

河原を歩いた時に
月見草をいただいてきました
そうして、一輪挿しに挿しました

その日
嫌なこともあって
気分がすぐれなかったので

その月見草に小言を
聞いてもらいました

月見草は黙って聞いてくれるので
良い相手

ひとしきり小言を言ったら
すっきりして眠った僕でした


この坂は紫陽花推しの画廊かな 【季語:紫陽花】

2023年06月24日 | 俳句:夏 植物

傘をさそうか迷うぐらいの
小雨が降る中を歩きました

途中、坂道があって
上るのもきついなと思っていたのですが
道の端の至るところに紫陽花が咲いていて

その色とりどりの花を眺めながら
休み休み進むと
思った以上に苦しくなく
歩くことができました

それにしても
沢山の紫陽花が花をつけて見事

紫陽花を並べた
画廊を歩いているようでした


苔青し如雨露の威勢の雨続き 【季語:苔青し】

2022年06月18日 | 俳句:夏 植物
雨が続く日がありました
ここぞとばかりに苔を育てている鉢を
外に出しました

一日、一回は水をたっぷりと上げているのですが
どうもそれでは足りないらしくて
元気を失い気味なので、天からの恵みの雨に
お任せしたものです

外に出しっ放しにしていた苔は
家の中にいるよりも元気を取り戻したようで
少し緑を濃くしたようでした

朝採りの胡瓜の美味やぱくつく子 【季語:胡瓜】

2021年08月21日 | 俳句:夏 植物

秋田を訪れた際
朝にもいだ胡瓜をいただきました

無農薬栽培のせいか
とにかく甘くて美味しいものでした
普段は胡瓜はあまり食べない自分ですが
その胡瓜は酒のつまみにと
何本も食べたぐらいです

小さな子供たちも
美味しいものはわかようで
胡瓜を手に掴んでは
大きな口でかぶりつき
まるまる一本食べていました

日に焼けた小麦色の頬っぺたが
りすのように膨らんでいました


新緑や風一つドンとぶっかって 【季語:新緑】

2021年05月15日 | 俳句:夏 植物
家の近くの公園の木々が
随分と葉を茂らせていました

冬の間は
陽射しがそのままに落ちていた公園は
今では柔らかな影につつまれて
木陰の合間に太陽も零れるばかりです

まだ青々とした木々の葉を見ていると
気分も高ぶってきます

そうして見上げていた木の一つに
意地悪な風が体当たりをしました

驚いたように大きく枝と葉っぱが揺れ

その横暴な風は
僕と力比べをするかのように
僕の体にも体当たりをして
僕を持ち上げようとしました

盃に若葉の美味を飲み干せり 【季語:若葉】

2021年05月08日 | 俳句:夏 植物

友人と山間の酒蔵を訪ねました

広い中庭で
日本酒を買って試飲ができるので
それが目的です

沢山の人で賑わっていたのですが
タイミング良く席が空いて座れました

早速、小さな盃とお酒
それから簡単なおつまみを買って
酒を酌み交わしました

頭の上には若葉が茂り
程よい眩しさの木陰

近くには大きな川が流れ
涼しい風が吹きます
カヌーの練習もしています

手にした盃の面には
若葉の柔らかな緑が映えて
若々しい味わいを添えてくれるよう

ひといきで飲み干すと
初夏の賑わいが
口一杯に広がるようでした

 

(Haiku)
Empty my sakazuki,
Green leaves reflected within,
Taste of early summer.


日も暮れて寄り添うものあり葱坊主 【季語:葱坊主】

2020年05月23日 | 俳句:夏 植物
夕焼けが優しく空を染めはじめた
道を一人で歩いていました

どことなく風も涼しく感じられて
夜の香りを含んでいました

道を歩いて行くと小さな畑があり
幾つかの野菜が植えられていました

その内の一つには
頭に玉のような花をつけた葱の一群
育ちすぎたのか随分と大きくなっています

そのシルエットが日暮れの寂しさを
寄り添い分かち合おうとするもののようで

一人で歩いていた僕は
家の灯りが恋しく思えました