風のささやき 俳句のblog

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朝顔やもう御眠かな宵の口 【季語:朝顔】

2015年08月30日 | 俳句:秋 植物
ベランダに植えた覚えもないのに
朝顔がいつの間にか蔓を長く伸ばし
花をつけました

きっと昨年知らないうちに小さな鉢植えに
種を落とし、今年も芽を出したのでしょう

朝にはその紫の顔を得意げに開き
夜になると閉じて
何も考えずに眠りほうけるその姿が
子供の分かりやすい行動にも似ているようで
思わず微笑を誘われました

サンダルの焼かれた素足夏の色 【季語:夏の色】

2015年08月23日 | 俳句:夏 時候
夏の間は素足の見える
サンダルをつっかけ
外を出歩いていました
夏を迎えて
足元の衣替えと言ったところでしょうか

先日は強い陽射しが顔を出し
素足の爪先がじりじりと焼かれるように感じられ
室内に入った後も
しばらく足元にかすかな熱を感じていました

夏の名残の日焼の跡が
僕の足元には残っています

降り続く雨の切れ間は蝉時雨 【季語:蝉時雨】

2015年08月16日 | 俳句:夏 動物
とある温泉街を歩いていました

せっかく遊びに来ていたのに
いつまでも止まぬ雨を
少し恨めしく思いながら
傘を差して出かけたのです

歩いてしばらくすると
雨脚が少し遠のいたのですが
その瞬間を待っていたかのように
蝉が一斉に鳴き始めました

僕ら以上に
なかなか止まない雨に
蝉もヤキモキしていたのでしょうか

雨が止まった瞬間の蝉時雨に
木に張り付いてその瞬間をじっと待っていた
蝉の姿を思いました

炎暑干す寝具は焦げた香のままで 【季語:炎暑】

2015年08月02日 | 俳句:夏 時候

雲一つない空に
太陽が我が物顔で
燃え盛っていました

夏草もその暑さには
うんざりとするよう
うつむきかげんに元気を失くし

風だけが火照った体で
動き回っていました

少しは暑さも和らいだ夜
干した布団や敷布に横たわると
だいぶ時間もたつのに
まだ太陽の焦げた香りが漂うようでした