春、暖かい風が吹いて
その人の服装もその日はいつもよりも軽やか
そうして冷たい風に口をふさがれることもなく
言葉も軽やかです
マスクを外した時に見えた
その人の唇もどこかふっくらと見えて
冷たさから解放されたようでした
春、暖かい風が吹いて
その人の服装もその日はいつもよりも軽やか
そうして冷たい風に口をふさがれることもなく
言葉も軽やかです
マスクを外した時に見えた
その人の唇もどこかふっくらと見えて
冷たさから解放されたようでした
嫌がる三男を捕まえて
その頬に口づけをしました
上の子供たちは大きくなりすぎて
そんなことをする気分にもならないのですが
三男は背が小さいので
ついつい赤ちゃんのように扱って
怒られています
冬の間は冷たかった頬も
春の足音を聞いたせいか
少し温もりもあり
柔らかさも増したようでした
今年の立春はだらけて何も準備をしなかったのですが
子供たちから、恵方巻を食べたかったと
怒られたりしました
その夜は、眠ってしまった三男の横で
パソコンを見ながらワインを飲みました
三男は疲れたのか、軽い乾いた鼾をかいていて
その夜の酒の肴でした
夜、眠れずに考え事をしていました
思いはあちらこちらに及んで
あの世のことなども考えていました
目をつむって
その場所を想像をしてみるのですが
暗い道が、暗闇に続くばかりです
道の両側に時々
篝火のような赤いほの明かり
そうして道に沿うように咲いている曼殊沙華
夜の闇の中の想像は止めるものもなく
何処までも膨らんで
余計に頭も冴えてしまい
明日の朝のことを思うと憂鬱になりました
夜、一人の時間の過ごし方は
人それぞれ
もしかすると一番
ほっとできる時間かも知れません
若い時には自分の気になる人が好きだった歌を
一生懸命に聞いてみたりと
そんな時間の過ごし方もあったのですが
今は、子供との時間の後
そっとビールを飲んで
一日を終わらせたりしています
時間があったので
大量にいただいた甘夏のジャムを作りました
以前、ゼリーを作ったのですが
子供たちの評判があまり良くなく
そのまま甘夏を放置していたら
果実の一つに青カビが生えてしまいました
今回は早く食べなければと思い
日持ちもするジャムに挑戦しました
皮をむいて房から果肉を取り出し
ゆっくりと煮詰める作業をしたので
時間はかかったのですが
なかなか美味しいジャムが出来て
ヨーグルトにかけて食べたのですが
家族にも好評でした
ちょっと苦味があるので
三男などは、あまり好きではないようでしたが
春の夕暮れ
気持ちの良い風に吹かれながらの
買い物からの帰り道
空を見上げると
淡い夕映えが広がり
その中を雲を引きながら飛ぶ飛行機が
まるで春の夕焼けにもらい火をして
炎に包まれているように見えました
そのまま燃え尽きて
落ちてしまうような錯覚にとらわれて
はらはらと飛ぶ様子を眺めていたのですが
飛行機は何事もないように進みます
淡い夢の世界の出来事のようでした
#2021 春に
自称しりとり世界チャンピオンの三男
何故かしりとりに自信を持っています
確かに単語を研究していて
特に「ぷ」で終わる単語を覚え
僕の順番では「ぷ」から始まる言葉が続きます
きっと子供同士で
そんな激しい戦いをしているのでしょうね
そんなしりとりを
最近はお風呂の中でしています
半身浴でも寒くはなくなったので
ダラダラと長風呂をしながら
三男としりとりで戦っています
大概は負けそうになるので
時間切れで引き分けと誤魔化して逃げます
なかなか、立派なチャンピオンになったものです
# 2021 春に