風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

庭草も押し黙らせて燃ゆる天 【季語:燃ゆる天】

2014年06月29日 | 俳句:夏 時候
浴梅雨が明けた後の陽射しはとても強く
少し表を歩いているだけで汗が滲みでてきます

家のベランダに飾っていたハーブたちも
その暑さにすっかりとやられたようで
葉っぱが茶色に焦げてかさかさになってしまいました

燃え盛る天の刑罰に
ただ黙って耐えているような彼らが忍びなく
急いで日陰に移してあげました

手に昼の暖語りおり庭のびわ 【季語: びわ】

2014年06月21日 | 俳句:夏 植物
夕暮れ時
とある道を歩いていたら
びわの木がたくさんの実をつけていました

オレンジ色に熟しているのに
一つ一つの実が随分と小さく
まだ食べるの適してはいないのでしょうか
ほったらかしにされている様子でした

僕は手の届くところにあった
びわの実に何気なく手を伸ばして触れてみました
すると一つ一つのびわの実が
昼の陽射しの暖かさを僕の手に伝えてきました

こんな小さな実の一つ一つにも
時間が通り抜けた跡が残っていることが
とても不思議に思えて
僕はしばらくびわの実を手にしていました

合羽着た子には楽しく梅雨の町 【季語: 梅雨の街】

2014年06月15日 | 俳句:夏 天文
朝から雨模様のある日
いつもの道を歩いていると
保育園のバスを待っている
小さな男の子を見かけました

その体は頭からスッポリと
黄色のカッパに包み込まれていたのですが
カッパの下には何やら
うれしそうな笑顔がありました

小さな子供にはきっと
梅雨の雨もいい遊び相手なのでしょう
そう言えば自分が小さな時も
雨に濡れて遊び回ることが
うれしかったのを覚えています

傘を広げて
雨に濡れないように気をつけている自分には
雨にも楽しめる子供が
うらやましいなと思われました

バス停は白い日傘の咲くところ 【季語:日傘】

2014年06月07日 | 俳句:夏 人事

暑い昼下がりのこと
汗をかきながら
バスを待っていました

バスが来るまでに
まだだいぶ時間があるので
近くの木陰で陽射しをしのぎました

バス停には他にも二人
バスを待っていたのですが
その二人の手には
ともに白い日傘

その陰に隠れて
汗を拭っていました

夏の陽射しは
二人の白い日傘に襲いかかり
白い傘はますます眩しく見えました


滝壷に光り泡立ち生まれ夏 【季語:夏】

2014年06月01日 | 俳句:夏 時候
この句の滝は
大阪で泊まったホテルの人工の滝です

朝にロビーで友人を待っていると
どこか目の端にキラキラとまぶしいものが触りました
そちらを振り向くとその滝が
朝日に明るく輝き
滝壷には光が弾け跳ね回っているようでした

夏の眩しさが生まれ来る場所を眺めているような
新鮮な朝の出来事でした