風のささやき 俳句のblog

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蛤も楽器にされた子供の手 【季語:蛤】

2015年04月25日 | 俳句:春 動物
子供の手は創造の力に
溢れているようです
その手のひらにつつまれると
不思議な魔法をかけられたように
普段の役割から解き放たれた物が
いつもとは違った表情を見せてくれます

料理の材料にと買ってきて
水をはったボールに
砂抜きのため沈められていたはまぐりも
いつのまにか子供の手に取り上げられて
打楽器になってカチカチと
楽しく音をたてていました

巾着の陽はこぼすままチューリップ 【季語:チューリップ】

2015年04月18日 | 俳句:春 植物
咲いたばかりの
チューリップを見ていると
その形からでしょうか
色とりどりの巾着を思い浮かべてしまいます

花の一つ一つをそっとのぞくと
たくさんの春の陽射しが
そこに溜め込まれているように思えます

そんな連想からでしょうか
春先の花壇にチューリップが咲いていると
どこかほのぼのとした
楽しい気分を覚えます

時間とともにチューリップの巾着も
破れてしまうのですが
それはきっとたくさんの陽射しを
集めて過ぎて破れてしまったから

少しよくばりだなと
チューリップにははた迷惑な
想像をめぐらしたりします

菜の花や戯れ飽きぬ風といる【季語:菜の花】

2015年04月11日 | 俳句:春 植物

川の流れに沿って
菜の花が点々と咲いていました

川のすぐ側に陣取る菜の花は
川面にその姿を映して
身繕いをするようです

背丈を伸ばした菜の花には
暖かな風がまとわりついて
いつまでも遊び足りないと言うように
花を揺らします

菜の花は少し億劫そうに
ゆっくりとした動きで
春の風につきあっていました


犬ふぐり痛手小さな足見合い 【季語:犬ふぐり】

2015年04月04日 | 俳句:春 植物
明るい春の川べりを
小さな子供と一緒に歩きました

子供の足は春の風よりも軽やかに
ゆっくりと歩く僕をおいて
どんどん走って行きます

時々は横道に姿を隠し
大丈夫かなと思い追いかけてみると
小さくかがんで草をむしり遊んでいたりします

僕を見かけると安心したのか
また走り初めて

その足元を見ると小さな足に踏まれた
犬フグリの花がありました

僕がこの春初めて気づいた
小さな花の姿でした