風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

首筋もそろそろひやり九月尽 【季語:九月尽】

2016年09月24日 | 俳句:秋 時候
10月に向うに連れて
風も冷たくなってきました
9月中はクールビズということで
ネクタイをしていなかったのですが

先週あたりは首筋が
どこか涼しく感じられて
襟元のボタンを閉じたりしていました

僕と同じように感じる人もいたようです
電車に乗っていたら
手にマフラーを持っている人もいて
これからますます寒くなるだろうなということが
実感できました

苦しみの彼岸知らぬか曼珠沙華 【季語:曼珠沙華】

2016年09月17日 | 俳句:夏 植物
野原にひときわ目立つ赤い色がありました
何だろうと思い眺めると赤い曼珠沙華

その複雑な花の形が
祈りの手のように見えるのは自分だけでしょうか

その祈りの手が向けられた先に
自分の苦しみの終わる彼岸がないものかと
その赤い花に尋ねてみたい
気持ちでいました

帰国する小麦の肌にそぞろ寒 【季語:そぞろ寒】

2016年09月10日 | 俳句:秋 時候
一週間程度
日本を離れただけで
こんなにも季節は
表情を変えるのかと
暖かなところから
戻って来たせいでしょうか
余計にそんなことを感じていました

スペインで
季節はずれに日焼した
肌にはまだ
その国の色香が漂い
火照っていたのですが

日本に戻って来たことを
実感させるかのように
秋の風が肌に冷たく触れて行きました

いつからかよそよそしくて秋の風 【季語:秋の風】

2016年09月03日 | 俳句:秋 天文
夏の間吹く風は
肌にまとわりついて
しつこいぐらいでした
暖かな風に手をのせられると
肌もしっとりと汗ばみ
振り払おうにもなかなかできません

それがいつの間にか秋になると
風もどこか大人びいたように
そ知らぬ顔で吹きすぎて
少しの肌寒ささえ残して行きます

街角で風に吹かれた僕は
いつからこんな
風がよそよそしくなったのだろうと
遠くない記憶をたどっていました