風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

夏の川みなもの緑ウフフフと 【季語:夏の川】

2016年05月29日 | 俳句:夏 地理

涼をとるため
川の流れにそって歩きました

生い茂った木陰の下の遊歩道
ときどき葉の間から
木漏れ日が漏れてきます

川も時の流れを忘れたように
ゆったりと流れ

川原におりてのぞき込むと
水面に映るのは
頭上で風に揺れる木々の葉

それらは重なりあい
さざなみ立ち
ウフフと笑っているよう

賑やかすぎる
夏の川の面でした

(Haiku)
Summer river gleams,
Young leaves dance on ripples' flow,
Laughter's song echos.


五月雨やぎゅっと濃くなる葉の緑 【季語:五月雨】

2016年05月22日 | 俳句:夏 天文
雨が何日か降り続きました

その間は
外出の際には傘を持たなければならず
鬱陶しいなと思いながら
過ごしていました

とある朝
窓の外には久しぶりに
明るい太陽が顔を出していました

いい天気だなと思い
僕は窓を開けて外を眺めたのですが
気がつくとベランダの鉢植えの植物の緑が
随分と濃くなっていました

僕らには鬱陶しい雨でも
植物には恵みの雨だったんだなと
改めて思いました

春雷の怒声見上げる怖さかな 【季語:春雷】

2016年05月15日 | 俳句:春 天文
街を歩いていたら
ちょっと前まで青く澄んでいた空に
急に真っ黒な雲が一杯になって
大粒の雨が落ちてきました

傘をもたない僕は
雨宿りにと軒先に姿を隠したのですが

暗い雲の奥では大きな雷が走り
空が光ったかと思うと
太鼓を耳元で鳴らされたような
大きな音が僕を驚かしました

僕は何か悪い悪戯をして
怒られた子供のように
どこか心細くなって
暗い空をしっかりと見守っていました

絵本読む童麗し風光る【季語:風光る】

2016年05月08日 | 俳句:春 天文

先日親戚の小さな男の子が遊びに来ました
疲れを知らずちょろちょろと動き回るので
付き合う方は結構大変です

それでも時々は体を動かす遊びに飽きて
持ってきた絵本を一緒に眺めたのですが
真剣な眼差しを絵本に注ぐその横顔が
とても麗しく思えました

きっともの凄い勢いで
知識を頭にしみ込ませているのでしょう

窓から吹く光る風は
その姿を祝福するかのように
頭を撫でてゆきました


メーデーの人波一人空見やる 【季語:メーデー】

2016年05月01日 | 俳句:春 人事
晴れた五月の初めの日でした
メーデーの人ごみの中にまぎれて
ゆっくりとした調子で
歩を進めていました

旗やポスターを手に行進する人
スピーカーを通して伝わってくるメッセージ
たくさんの物音で騒然とする中

風に肩を触られて
見上げると頭上には
青い空が広がっていました

そんな空の色に見入っていたら
まわりのすべてが空々しく思えてきて
人波から離れ道の片隅で
一人ぼんやりと空を眺めていました