風のささやき 俳句のblog

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春の波寂しさは寄せ泡立ちぬ【季語:春の波】

2024年04月20日 | 俳句:春 地理

福岡に単身赴任した初めの頃

海を眺めながら離れた家族のことを思い
少し寂しい気分でいました

押し寄せる波が
僕の心を洗う寂しさのようで
その寂しさがどこから来るのかもわからず
止める術も知らずに

打ち寄せたと思ったら
泡立つように消えてしまう

そんな心の様と波とを
重ね合わせて見ていた自分でした


指置けば生暖かし春の土 【季語:春の土】

2023年04月08日 | 俳句:春 地理

ローズマリーが
青い小さな花を咲かせました

その鉢植えを眺め
水をあげようか確かめるために屈み
土の上に指を置くと
指先が温かく感じられました

人の感覚は思った以上に繊細ですね
そんな僅かな温度を感じ取って
嬉しくなるなんて

ついでに
ローズマリーの葉をつまみ
指先についた気付け薬のような
苦味のある薫りを楽しみました

 # 2020 春に


春の瀬や朽木ひねもす渦に巻き【季語:春の瀬】

2021年03月27日 | 俳句:春 地理

春の暖かな川べりを歩きました
菜の花も咲いて彩を添えていました
春の瀬も饒舌に流れ
たくさんの人が川べりを歩きます

川には流れてきた
朽木が縦渦に巻かれて
その場に留まり回っていました

しばらくそこで磨かれたら
朽木も随分と奇麗な仕上がりになるのではという
丁寧な仕事振りでした


開港の騒ぎはあれど春の海【季語:春の海】

2017年04月22日 | 俳句:春 地理

下田は函館とともに
日本最初の開港の地として知られています
1854年日米和親条約により
ペリー艦隊7隻が入港し上陸を遂げました

外人を見たことのない当時の人たちにとって
これはとても大きな事件
人々の驚きや恐れといった感情は
想像するに難くありません

穏やかな色合いで
旅人を迎えてくれた下田の海は
その当時も同じような優しさを
浮かべていたのでしょうか

今でもペリー上陸の碑やペリーロード等
当時を偲ばせる場所もあるのですが
やはり隔世の感があります


せせらぎは高鳴る鼓動春の川【季語:春の川】

2014年04月16日 | 俳句:春 地理

毎日、電車から眺める川があります
冬の間はどこか重たく流れていたのですが
春がきざすとともに
流れが勢いを増したように感じられます

春を待ちわびていた川が
鼓動を高鳴らせて
それに合わせて流れも速くなったよう

川の高鳴りにあわせて
水面には暖かな風が誘われ集います