風のささやき 俳句のblog

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羽根よりも軽い舞いかな名残雪【季語:名残雪】

2016年02月27日 | 俳句:春 天文

家に帰ろうと駅に向かったら
パラパラと雨が落ちてきました
小ぶりだったので
傘も差さずに歩いたのですが

電車に乗り家に近づくにつれ
雨は雪に変わり
家に着くころには空一面の雪

フワフワと風に舞う雪は
行きつ戻りつ
重力も感じられず
真っ白な羽根が空に踊るようです

その羽根に埋め尽くされた空
街灯に照らされて幻想的です

心奪われて
家を急ぐ人波に乗り遅れて
空を見上げた僕でした


春立ちぬ君も指さす紅の月【季語:春立つ】

2016年02月20日 | 俳句:春 時候

昼間の暖かさがそのままに残る夜でした
普段はしっかりと閉めるコートも
ボタンを閉め忘れていました

友人と歩いていたのですが
彼が明るい空を指差すと
その爪の先には
ほのかに赤みを帯びた丸い月

月影にも温もりがこもるよう
空に春の気配を感じました


(Haiku)
With joy, you admire,
The crimson moon’s gentle light,
Springtime breathes again.


名ばかりも立春うれし寒き朝 【季語:立春】

2016年02月13日 | 俳句:春 時候
先日は立春でした
その割には随分と肌寒く
外に遊びに出かけようと思っていたのですが
布団の中にくるまって過ごしました

名ばかりの春ですが
それでも春という響きに
心はどこかうきうきとしてきます

立春を過ぎると急に陽射しも
明るくなるように感じられて
自分の感覚も怪しいものだなと
思えてくるのですが

大根も抜かれたがってる春隣 【季語:春隣】

2016年02月06日 | 俳句:冬 時候
まだ食に給されていないのでしょう
畑に大根が5本
白い頭と葉っぱを覗かせていました

今までは冬の冷たい台地が
大根をしっかりとらえて
離さないように見えたのですが

春兆して暖かな陽射しがそそぐからでしょうか
大地も気が抜けたように緩み
大根もその束縛から少し解放されたようです

子供の力でも
簡単に地面から出てきそうな大根自身も
暖かな陽射しに触れたいのでしょう
少しでも早く抜いて欲しいと
言っているようにさえ見えました