風のささやき 俳句のblog

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風さらう風船次に我も空へ 【季語:風船】

2014年04月30日 | 俳句:春 人事
なにかイベントでもあったのでしょうか
子供が青い空の下で青い風船を手に歩いていました
風船も春の暖かな風に揺られて楽しそうです

そんな風船の様子が気に入ったからでしょうか
あるいは青空が自分のアクセサリーにしようと
風に命じたからでしょうか

子供が手の力を緩めた一瞬の隙をみて
少し強い風が風船をからめとって空に解き放ちました

僕の重たい心も一緒にと
風に頼んだのですが
僕の心は置き去りにされました

若草や踏まれてもなおみるみると 【季語:若草】

2014年04月27日 | 俳句:春 植物

色彩の乏しい冬の大地を
覆うように伸びる若草は
目に鮮やかで心も浮き立ちます

踏んだらフワフワと感じられるような
若く柔らかい色合い
勢いにまかせたままに大きく伸びて
楽しさが抑えられない様子です

花壇にはチューリップやパンジーが咲き
嬉しそうに春の陽射しを受けとっていました

どこもかしこも
萌えいずるものたちで賑やかな春先です


(Haiku)
Newly sprouted grass,
Walked over, yet it rises,
Over and over.


春風と芝生の上の添い寝かな【季語:春風】

2014年04月23日 | 俳句:春 天文

春の公園に遊び
歩きつかれて芝の上に休むと
青く茂った芝は柔らな布団のように僕の体を沈めて

目をつむる僕は春風の中に抱かれるように
ひとときを眠っていました

それは眠ったことさえ
わからないような軽い眠りでした


(Haiku)
Spring wind enfolds me,
On verdant lawn, dreams whisper,
Together we rest.


あくびして涙潤ます春の空 【季語:春の空】

2014年04月20日 | 俳句:春 天文

長閑な春の日
ベンチに座り本を読んでいたら
眠気に誘われました

何度もあくびをして
見上げた空は涙に潤み
ぼんやりかすんだで
一層、柔らかい色合いに見えました

本を置いて
見飽きない穏やかな色合いの空を
涙もぬぐわずに眺めていました


(Haiku)
Yawning, tears well up,
Moistening the springtime sky,
Hues of gentle blue.


せせらぎは高鳴る鼓動春の川【季語:春の川】

2014年04月16日 | 俳句:春 地理

毎日、電車から眺める川があります
冬の間はどこか重たく流れていたのですが
春がきざすとともに
流れが勢いを増したように感じられます

春を待ちわびていた川が
鼓動を高鳴らせて
それに合わせて流れも速くなったよう

川の高鳴りにあわせて
水面には暖かな風が誘われ集います