風のささやき 俳句のblog

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北国の遅々たる春を楽しめり 【季語:春】

2017年04月29日 | 俳句:春 時候
北国の春の歩みは遅く
けれどそれが一層に
春への期待を膨らませてくれます

辺りの変化にも敏感になるようで
空の色や野の草の様子
風の気配や陽射しの強さ
一つ一つの兆しを五感に確かに感じます

寒さは苦手な僕なので
一足先に暖かい時分になってくれればいいと
そんなことを思ったりする時もあるのですが

ゆっくりと訪れる春を
楽しんでいます

開港の騒ぎはあれど春の海【季語:春の海】

2017年04月22日 | 俳句:春 地理

下田は函館とともに
日本最初の開港の地として知られています
1854年日米和親条約により
ペリー艦隊7隻が入港し上陸を遂げました

外人を見たことのない当時の人たちにとって
これはとても大きな事件
人々の驚きや恐れといった感情は
想像するに難くありません

穏やかな色合いで
旅人を迎えてくれた下田の海は
その当時も同じような優しさを
浮かべていたのでしょうか

今でもペリー上陸の碑やペリーロード等
当時を偲ばせる場所もあるのですが
やはり隔世の感があります


雀らがついばみ飽きぬ花の庭  【季語:花の庭】

2017年04月15日 | 俳句:春 植物
雀らがついばみ飽きぬ花の庭
どこからか
可愛らしい鳴き声が聞こえてきたかと思うと
急に二羽の雀が桜の散り始めた
家の庭に降り立ちました

一羽はすぐに飛び立っていったのですが
もう一羽は僕が見ているというのに
尻尾を振りながら逃げる気配もなく
地面をついばんでいます

花びらが美味しそうに見えるのでしょうか
それとも花の裏に何か
餌が隠されているように見えるのでしょうか

いずれにしろ花の庭は魅力的なようで
いつまでもついばむことを止めない雀でした

春風邪の布団剥ぎたし空の色 【季語:春風邪】

2017年04月08日 | 俳句:春 人事
少し体調が悪い朝でした
風邪でもひいたのかなと思い
このまま家で寝ていようかと
そんな誘惑にかられたのですが

窓の外を見るととても鮮やかな
青い空の色
それを見ると布団の中で寝ているのが
もったいない気がしてきて
布団を剥ぎとって外にでかけようと
心に決めて立ち上がりました

入学を祝うまで待て散る桜 【季語:桜】

2017年04月01日 | 俳句:春 時候
花を開けば散るのも早い桜

ちょっとのぞき見た小学校の桜も
随分と花を風に散らした様子でした

自分が大学生になった時の入学式
青い空を背景に桜の花は満開で
それがこれからの新しい生活を
祝ってくれているように見えました

そんな経験を今年の新入生にも
感じて欲しいなと思えば思うほど
散り行く桜をとめる術がないことを
もどかしく思ってしまいます