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風のささやき 俳句のblog

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オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

緑陰に老いて優しき地蔵かな【季語:緑陰】

2025年05月17日 | 俳句:春 植物

田舎道を歩いたら
大きな木蔭に
お地蔵さまがいました

大分古いようで
目鼻立ちや顔の輪郭も
少しぼやけた感じです

それが良い味になっていて
優しく微笑むように見えます
年を上手く重ねて来たのでしょう

自分も年を経て
こんな穏やかな良い顔になりたいと
お地蔵さまの顔を胸に刻みました


蒲公英や猫の額に点描す 【季語:蒲公英】

2024年05月04日 | 俳句:春 植物

駅の階段から見下ろせる小さな空き地
少し前までは何かがあったはずなのですが
それがすっかりと思い出せません
僕の記憶も当てになりません
ここの所、自信を持ってもの覚えが悪いと開き直れます

その空き地は春になり自然と緑に覆われて
その中に幾つかのタンポポが花を開いていました

猫の額ほどの小さな緑の空き地に
映えるタンポポの黄色
草の緑だけであれば、きっと立体感のない
のっぺりとした感じになっしまうのでしょうが
いいアクセントとなって
雑草の緑を引き立てていました


地下鉄の出口の先や芽吹く木々 【季語:芽吹く木々】

2024年04月27日 | 俳句:春 植物

いつものように
地下鉄の駅で降りて階段を上ろうと
出口の先を見上げました

するとどこかジメジメと感じられる
地下の暗さとは対照的な
明るい春の光景がありました

そうしてその明るさに
色を添えるような街路樹の新芽

寒い時分は地下鉄の通路もその階段の先も
代わり映えのしない薄暗さだったのですが
今は光の量の違いに
思わず目を逸らしてしまうほどでした


無理に手を取る口実とし花盛り 【季語:花盛り】

2024年04月06日 | 俳句:春 植物

花見と言えばそれを嫌がる人も少なく
誰かを誘い出すための良い口実です

ちょうど花盛りの頃
誘いたい人に声をかけて
その手を無理に取って連れ出した覚えもあります

桜はその無理強いも許してもらえる程に
見事に咲いていて心にも艶やかで
強引で図々しいという印象を和らげてくれました

もっともそれがいつも
通じる手ではないのでしょうが


靴の紐結び直すは花の陰【季語:花の陰】

2024年03月30日 | 俳句:春 植物

通勤途中のことです
靴の紐が解けていることに気が付きました

踏んで転んでしまそうだったので
結び直そうと思ったのですが
ちょっと先には花盛りの桜の木が一本あり
そこまで行ってからにしようと
足元に注意して歩きました

そうして桜の花の下まで行くと
根元の方で紐を結び直しながら
頭の上の桜を眺めていました


寄り添えることの可愛さ霞草 【季語:霞草】

2023年07月01日 | 俳句:春 植物

街角の花屋さんで
カスミソウを見かけました
いつ見ても可愛らしい花です

鉢植えのカスミソウで
その後、ベランダに置かれて
僕が水やりをしていたのですが
一つ一つの花というよりも
寄り添って咲いている様子が
可愛らしくありました

花は人の心を和ませてくれて
いらいらとしがちな心には
ありがたいですね


老木がまたいじらしき芽立ちかな 【季語:芽立ち】

2023年05月27日 | 俳句:春 植物

木が芽吹き
自転車で走ったりしていると
若々しい色をして目を楽しませてくれます

芽立ちの時分の
木々の姿はとてもいじらしく見えます

きっと僕よりも長く生きている
老木も多いと思うのですが
いつまでも健気さと若さを失わず
自分も見習わなければいけないなと
木々を見上げます


藤垂るる思い重ねて老夫婦 【季語:藤垂るる】

2023年05月13日 | 俳句:春 植物

藤棚の下に、高齢のご夫婦が座って
何やら楽しそうに話をしていました

天気の良い日だったので
藤棚の下の日陰に入って
休んでいだのでしょう

きっと、仲良く過ごされてきたのでしょうね
話す話題にも尽きないのでしょう
風も穏やかで心地よく
二人を遠巻きに包むようでした

自分もそんな二人を
見習いたいなと思っていました