Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

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右脳型は左脳型より優秀なのか?

2015-12-08 21:59:03 | コラム

イーノック教授「リーマン予想を解いた」と主張 (CNNの記事より)

高校の頃の数学の先生がいたのですが、少し変わっていました。
数学の先生なのに計算が苦手で、二桁同士の足し算もわざわざ黒板を使ってました。
生徒にそれをつっこまれた時こんな風に反論していました。
「計算の能力と数学的な思考力は別物だ」

一般論で言えば、確かにこれはまあまあ納得できる意見です。
だいたい細かくて理屈っぽい人は発想力に欠け、発想力に優れた人はいい加減で大雑把です。
数学の先生の主張は、そんな左脳と右脳どちらが優位かの違いに似ています。
(そもそも数学自体が左脳的とも言えますし、あくまでものの例えです)

ですが、左脳優位の緻密な計算や論理的思考の得意な人はちょっと分が悪いです。
今の時代、そんなものは電卓やパソコンの表計算ソフトに任せておいたほうがいい気もします。

カーナビだって同じことでしょうし、今では3Dプリンターで精巧な部品も機械が作ってくれます。
めんどくさいことは機械に任せて、人間はもっと人間にしかできないことに力を入れるべきと言う人は多いです。

しかし、これは本当でしょうか?

例えば、プロ棋士の実力を凌駕しはじめている将棋ソフトですが、ある対局で大変興味深いことがありました。
ソフトが繰り出した未知の一手が、新しい定跡だとわかったのです。

将棋という論理ゲームの中の話ですが、プログラムの左脳的な緻密な思考から新しい天才的な発想は生まれるということです。
それがソフトによって証明されたのは皮肉ではありますが、これは人間の脳にも言えることだと思います。

究極的には、左脳型も右脳型も違う道から同じ結論にたどり着くことだってあるはずです。
ですから、機械が得意な分野だからと任せっきりにするのは間違いです。
計算力や論理的思考力それに手先の器用さを失ったら、人はきっと発想力や想像力まで失ってしまうことになるでしょう。

コメント
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