心が先か身体が先か

「同性愛者は異常動物」発言に尾木ママ「「最低発言！！恥ずべき最悪の人権侵害」（rbbtodayの記事より）

「病は気から」ということわざがあります。
心の問題が身体にも影響するという、言われてみればそんな気もする格言です。

でも、当然逆の場合もあります。
身体の調子の良し悪しは、気分の良し悪しに直接影響があります。

いわば「心が先か身体が先か」という問題です。
身体の中のバランスは、人の性格の部分にまで及ぶこともあります。
そして、それは自分の心の性別にまで関係してくるかもしれません。

テレビでニュースを観ていて、とある悩みを持つ人が特集されていました。
その方は若い男性なのですが、女性ホルモン分泌の異常で身体がどんどん女性化してしまっているのです。
顔も丸顔で声も高く、胸もおしりも丸みがあって、はた目からは女性にしか見えません。
番組内では、とまどいつつもブラジャーを買いに行ってたりしてました。

ただ、医者の診断によれば、ホルモン分泌の異常を抑え、男性化することは可能なのだそうです。
ご本人に将来的に誰かと結婚して子どもを設ける意志があるので、なるべく早めの決断をと促されていました。

ところが、ここでの彼の反応は、とても意外なものでした。
治療を受けるかどうか迷ってしまって、決断を下せないのです。

恐らく、彼はすでに心の性別まで女性になってしまっているのです。
それで、もう一度、心の性別が男性に戻ることへの踏ん切りがつかないようでした。
恋愛含めた自分の好みや趣向が、治療でどのくらい変わってしまうのか心配なんでしょう。

医学がすすめば、同性愛者の方を異性愛者にすることも「理論的には」可能になるかもしれません。
ただ、すでに本人のアイデンティティになっているため、それを望む人は少ないでしょう。
そうなった時に、同性愛者の方の差別が助長されるのか、それともなくなっていくのかは微妙なところです。