Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

続・国際版・修羅の街の風景

2015-12-04 21:52:40 | コラム

米カリフォルニアで銃乱射 被害者20人との情報(朝日新聞の記事より)

度々登場する元職場のIさんの話なのですが。

まだ十代の時、単身アメリカへ旅立ったIさんですが、行きたての頃はビクビクしてたそうです。
当時のアメリカといえば、紹介される度に『犯罪大国』が枕詞のようにつく、危険な国でした。
テレビではホームセンターで数分も車を止めれば、コカインの売人が車の窓をノックするのが日常のように言われてました。

ところが、いざ住み馴れてしまうと、そんな気配は微塵も感じません。
警察と強盗の派手なカーチェイスも、ギャング同士の血みどろの抗争も、画面の向こうの出来事という感覚は日本にいた時と同じです。
アメリカの各家庭の仏壇にお供え物と一緒に置かれていると思っていた銃も、全く目にしませんでした。

そんなわけで、現地で元自衛隊員だという日本人の友だちもできたIさんは、意外と安全なアメリカ生活をエンジョイしていました。

その彼と、ハリウッドの夜の街を練り歩いていた時のことです。
その日はロバート・デ・ニーロも通っているレストランでディナーを食べて上機嫌でした。

と、「パン、パン」と数度か何かが破裂した時のような音がほんの近くで聞こえます。
その時は車のパンクか何かだろうと反射的に思ったそうです。

しかし、隣を歩いていた元自衛隊の友人に突然覆い被せられ、無理やり道路にうつ伏せに倒されました。
若かったIさんは、思わず「なにすんねん、ボケッ」と仕返しに友だちを蹴りました。
あわやケンカになるところでしたが、自衛隊仕込みのマーシャルアーツで抑えこまれ、こう告げられました。
「何やってんの、Iちゃん!今の銃声だよ!」

慌てて路上に停まっていた車の影に隠れると、銃を持った強盗らしき男が二人のすぐ脇を駆け抜けて行ったそうです。

コメント
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