☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

宵山・・・祇園祭<祇園祭をスケッチする>

2009-07-17 13:15:46 | 徒然・・・祇園祭

雨上がりの微かな匂いが漂う道を駅に向かう。
今夜は「宵山」。
 
祇園祭では山鉾巡行前夜を「宵山」
その前の夜を「宵宵山」その前を「宵宵宵山」と言う。
その頃から祭りに集う人がどんどん増え
京の町は熱気に包まれ祭り情緒が盛り上がる。
 
「祇園祭は人、人、人の祭りの熱気のなかでこそ描かなければ」
と家人が言うのでそれを味わうために今年は
「宵宵山」「宵山」と二日続けて出かけた。

6時を過ぎると四条辺りは歩行者天国に。
平日だと言うのに団扇片手の人が溢れる。
今年も浴衣姿が目立つ。
若い男性のシックな浴衣もなかなかいい。
鉾や山はたくさんの提灯をつけ
祇園囃子もその音色に力強さや華やかさが増している感じだ。
厄除け粽(ちまき)を売る声も一段と高くなる。
昔はちまき売りは町内の子ども達の仕事だったらしい。
今も浴衣姿の女の子の甲高い声が時々聞こえてくる。

「長刀鉾」や「函谷鉾」・「月鉾」等
鉾の上に上る人たちの順番待ちの行列が長く続く。
鉾ビルから鉾に向かう木製の渡り廊下「橋掛り」が創られている。
なかなか情緒があって面白い。
 
「長刀鉾」の橋掛りを袴姿の男の子が3人渡っていった。
二人は白い着物に黒袴。一人は上等そうな着物に袴。
「お稚児さん」と「カムロ」二人か?何かちょっと嬉しい。

普段は京都市の交通の要、四条河原町のど真ん中、
家人はありえない場所でスケッチブックを開き、
青のコンテで函谷鉾と月鉾、お囃子の人、行きかう人波を描き始めた。
「見ていく人」はいても誰一人邪魔する人や
ぶつかっていく人はいない。
ありがたいことだ。
大勢の人の中で描くなんてとっても無理だと思っていたが。
 
宵山の今日は警備の警察官にも温かく見守られて?!
いろいろな場所でスケッチは進む。
こんな時は185センチの長身は便利だ。
MBTとかいうスイス製の歩くだけで筋力が付くと言う
上げ底の革靴を愛用しているので190センチは優に越す。
人波の上から山鉾が見渡せるようだ。


それぞれの山鉾町ではこの期間「屏風祭」と言われるように
老舗や旧家が普段は博物館預かりや大切にしまわれている美術品
屏風等を公開している。
「南観音山」では加山又造氏のたくさんの団扇絵を公開していた。

以前、「保昌山」を守って来られた家に寄せてもらって
ご当主から祇園祭にまつわるお話を伺ったことがある。
その時博物館から円山応挙の屏風が帰って来ていた。
さすが迫力が違っていた。
 
「先の戦争で、京の町が丸焼けになったときうちのご先祖は
他のものは一切持ち出さず祇園祭のものだけ大切に
抱えて逃げたんです…」
「先の戦争って?」
「応仁の乱ですよ…」
落語等では聞いたことがあったが
「生」で聞いてビックリした。
こともなげ出る「先の戦争」が京都人にとっては
京の町が丸焼けになった「応仁の乱」だなんて…
さすが千年の都!?

今日は「宵山」。
長い間受け継がれ練習に練習を重ね上がり囃子
戻り囃子それぞれに工夫を重ねた「祇園囃子」が雅に鳴り響く。
 
今日初めて鉾の前で「祇園囃子」をじっくり聞いた
秋田生まれで大阪に住む方が言った。
「小さい時からこのお囃子を聴いて育って、
今またお囃子を聞いた人はたまらないでしょうね…」
一応京都人の私は答えた。
「夏の声を聞いて、お囃子の練習やたとえC・Dでも
 祇園囃子が聞こえてくると血が騒ぐと言うか
 胸キュンな不思議な感じになりますね…」。
もう一人の京都人の方は言われた。
「祇園囃子の響きは、<お迎え>とか<送り>の感じがする…」と。
 
「祇園囃子」から私の感じるのは「祭り」の気配
もう一人の京都人の方は「祀り」の感じか。
でも「胸キュン」のそこに流れるのは「祀り」の感じかも。
祇園囃子にさまざまな想いをのせて
「宵山」は更けていく。

                   
 
 
 
 

 

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