今年はじめての「さくらさくらカンパニー」の公演は「HIROIC GAME」
ゲームの世界と現実を繋ぐ世界
さくらさくらカンパニーの演劇世界は2つか3つの異次元(異時代!?)が
交錯し絡み合う世界を描き出すのが特徴の一つだ
(この前の作品は、現代の大阪と中東らしき戦乱の場と中世らしき
ちょっと妖しい!?世界が交錯していた!興味深くとても面白かった)
主人公は就活が上手くいかずゲームに明け暮れる普通の大学生
それを親にも友人にも隠し言い訳を重ねてゲームの世界に逃げ込んでいる
というのがいかにもありそうで今的だ
光と暗黒(ホワイトとブラック)がせめぎ合い閉じ込められた
平和と世界のバランスをつかさどる姫を 救出するか
手に入れるために戦いが繰り広げられているゲームの世界
誰を主人公に設定するかでゲーム世界の成り行きも変わってくる・・・
そこから閉じ込められた世界に飽き飽きした姫が
大学生の元に飛び出してくる・・・
こちらからその世界へ行くのではなくて向こうから
コッチへ来るというのが面白い
今テレビでやっている漫画の登場人物が現実世界に出てくる
「泣くなはらちゃん」の世界を思い出した
設定された世界でしか生きられないゲームの主人公たちと違って
自分の意志で選び自分の可能性を追求していくことができる
現実世界を肯定して大学生は前向きな意欲を取り戻す・・・
と言う展開になるのだが
笑いの部分も多々あり衣装とかもなかなかこっていて面白く楽しかった
ゲームの世界に精通していればより楽しめたかも
知れないけどなかなかだった・・・
今年はじめての「映画会」はウッディ・アレン監督の「ミッドナイトインパリ」
こちらはパリへ婚約者家族と旅行中のアメリカ人の売れっ子脚本家で
小説を書き始めた男性がパリの裏道に現れたクラシックカーに誘われて
憧れていた1920年代へタイムスリップする話
その頃のパリは世界中から様々な分野の芸術家がいっぱい集まっていた
コール・ポーター、スコット・フィッツジェラルドとセルダ夫妻、
ジャン・コクトー、ジョセフィン・ベーカー、
ガートルート・スタイン、パブロ・ ピカソ、
アーネスト・フェミングウェイあとサルバドール・ダリや
マン・レイ、エリオットなどなど聞き覚えや見覚え
それぞれの作品には接した覚えもある人たちが
次から次へとそれなりの風貌やしぐさで登場する
そこが見所・・・
(せっかくならレオナルド・フジタも登場してほしかったけど)
そこで芸術家たちとの恋多きとっても魅力的な女性に
一目惚れもしたりして・・・
現代と1920年代を行ったり来たりしながらお話は進み
その女性の憧れの「ベル・エポック」の時代
1890年代へも二人でタイムスリップする
そこでもロートレックやゴーギャン、エドガー・ドガと出会い
彼らが「もしルネッサンス期に生まれていたなら・・・」と
言うのを聞いて・・・深く気づく
それぞれがそれぞれで自分が今ある現実ではなく過ぎた時代に
幻想を抱き強い憧れを持っているのだと・・・
映画会を主宰しているAさんが言うようにウッディ・アレン作品としては
本当に皮肉もブラック的なところも少なくて素直に
楽しめるなかなかステキな映画だ
そういう意味では昨年12月に東京で見た
「恋のロンドン狂騒曲」の方がウッディ・アレン的
(らしくないとも言われていたが)と言えるかも知れない・・・
今を今として生きること(それしかできないのだけれど)
それならば今を今として今、この時を・・・