無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

DJ-X8を使ってみて

2007-01-03 08:04:07 | 受信機・アンテナ
 皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、アルインコの新型受信機「DJ-X8」を使って1か月がたとうとしていますが、その感想をば。

 まず、ダメな点は以下の通りです。
①充電時の不具合
②抑圧を受けたときの空き線信号キャンセラーの不具合
③混変調特性

 ①ですが、これは付属のACアダプターでニッケル水素電池を充電しようとすると、タイマーの時間が数秒でリセットされてしまうのです。本来なら、設定された時間(デフォルトは12時間)からタイマーがカウントダウンしていくのですが、数秒たつと最初に戻ってしまう現象が起こります。
 バグなのかソフトウェアの不具合なのかどうかはわかりませんが、充電を開始してからすぐに本体の電源を入れることで解消できました。でも、「ラジオライフ」のインプレッションのように、付属のスタンドでは接点が安定せずにタイマーがすぐリセットされてしまいます。
 これはどうにかならないものでしょうか? 改善してもらいたいものです。

 続いては②ですが、これも「ラジオライフ」にも紹介された現象。例えばJRの列車無線を受信している場合、複数のチャンネルを送信している基地局の近くでは、隣接の周波数からの抑圧を受けて空き線信号キャンセラーが働かないのです。
 フィルターの問題もあるかもしれませんが、価格面を考えると妥協すべき点なのでしょうか‥‥。

 最後に③ですが、GPやディスコーンなどの固定用のアンテナに接続すると、混変調を受けてしまいます。ハンディ受信機の宿命といえばいたし方ないのですが、それでもスケルチが閉じている分に関してはほとんど問題がありません。
 ただし、スケルチを開放してしまうと、Sメーターが振れまくり、どこかの混変調の信号だらけになってしまいます。
 どうも、受信感度を付属のアンテナで最適化しているように思えます。

 以上、気になる点を書き上げてみましたが、決して欠点ばかりの受信機ではありません。地下鉄の誘導無線の受信実験をしたところ、驚くほどいい結果が出たのです。 実験をした区間は、東京メトロ東西線(基地局:185kHz)の中野~落合と、東京メトロ有楽町線(基地局:145kHz)の小竹向原~要町、京急(基地局:130kHz)の品川付近の3か所。いずれも、基地局の周波数から常時キャリアが出ています。
 AR8200mkⅡでは、これらの区間で誘導無線を受信しようとすると、中波の受信に対応した付属のBC帯アンテナを使っても、誘導線が張ってある壁際に近づかないと受信することができません。つまり、車内で受信しようとすると窓やドアに近づかないと受信できず、座席ではほとんど受信できなくなってしまうのです。

 しかし、DJ-X8では、内蔵バーアンテナでも良好に受信できますし、ティーアール無線研究会のIRアンテナを使えば、内蔵アンテナ以上に良好に受信できました。しかも、座席でも確実に受信できてしまいます。
 特に、東西線中野駅では、線路の下にある連絡通路でも受信することができました。正直、これには驚きです。

 前回でも書きましたが、鉄道無線を受信するには最適な受信機といえそうです。

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