『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

2006年映画ベスト10

2006年12月30日 | 映画ベスト10

今年も、映画ベスト10を選ぶ楽しい年末になりましたが、忙しくてなかなか手がまわりませんでした。

ムスメが幼稚園に行き始めたので、去年より25%アップで映画見れました。
ムスメ、ありがと~。
それと、いつも「映画見に行って、ええよ」と言ってくれるヨメさん、ありがと。
2歳児坊や、出かける前に「ぱぱ、ぱぱ、ぱぷぁ~~」と泣きすがれると後ろめたい気持ちになるので、やめてね。リフレッシュして、ちゃんとお相手しますから。

 

10位・・・「東京ゾンビ」  見始めて60分くらいは、「今年イッパツ目の映画で、いきなり今年のベスト1映画を見てるかも~?」という気分になってました。この映画にゾンビ役で出てた“ざ・たっち”が、こんなにブレイクするとは思ってもみなかったです。

9位・・・「フラガール」   フラダンスを一生懸命練習してこんなにできるようになりました!っていう俳優挑戦モノ映画だと思ってましたが、「パッチギ!」路線でしっかりと作られてたのにびっくりしました。

8位・・・「花よりもなほ」  久利生公平検事=ハウル=キムタク侍よりも、 ぶっさん=アレン=岡田侍の方が、好っきです!来年は、浅井正平=クロ=ニノ侍の方が・・・なんてこと言ってそう。時代劇、出てくれるか?

7位・・・「博士の愛した数式」  やっぱり友愛数とか忘れてる~~。この映画見てる間だけは、かしこでおれてたけど、やっぱり身についてませんでした。子供の時に数学とこんな出会い方してたら・・・。 

6位・・・「太陽」  寝る映画のはずのロシア映画なのに、意外とハマって見れたのは、間違いなく天皇ネタやからやな~。イッセー尾形に尽きます!

5位・・・「ロンゲストヤード」  面白いってだけで言ったら、この映画がイチバンでした!

4位・・・「グエムル」  04年に続く韓国映画当たり年の中でも、コレはバツグンでした!キム・ヨナに続いて、敗北感すら感じさせられました。でもWBCがあったから、ま~ええか!

3位・・・「硫黄島からの手紙」  3位以上と4位以下には大きな溝があります。1~3位はその時の気分で変わりそう!とりあえあず、最近見た映画より、前に見た映画の方が、いい記憶だけを残す傾向にあるので、こないなりました。

2位・・・「ありがとう」  あの大震災で、ちょっとでも揺れを感じた人は、今自分がこうして映画見れてるのが、活断層の有無の差だけではないということを切に思わせてくれた映画でした。

1位・・・「クラッシュ」  今のとこ、泣かそうと思ったらなんぼでも泣かすことができたのにあえてそうしなかった「硫黄島~」のズシーンとくるモノが、まだ「クラッシュ」のベタ泣かせよりもキてないので、こちらを1位にとりました。いずれにしても今年はポール・ハギス イヤーですな~。あっ、去年から続いてたか!!

 

皆さんのベスト10で今年も遊ばせてもらおうと思ってますが、いいですか? 


「硫黄島からの手紙」 絶賛の嵐ニノ

2006年12月23日 | 映画
二宮和也(以下ニノ)の演技を最初に大絶賛したのは、怒り虫で有名な蜷川幸雄だったか。
『青の炎』で、共演の松浦亜弥にも「さすがはスーパーアイドル!存在感が違うね~」などと誉めてたけど、ニノは後に舞台にも誘われるほどの惚れ込みよう。
でも、たしかこの人、藤原竜也も誉めとったからなぁ・・・。
しかしその後ニノは、倉本聰にも誉められ、大竹しのぶにも誉められ、
誉めれば誉めるほど、よい子になっていく純粋な子供のように、ジャニーズ屈指の演技派になっていき、ついにはクリント・イーストウッドから写真だけで選ばれるオーラを放つことになる。
「どうせ、そういう筋書きになってんだろ!」とか、いやいややってる穴掘りとか、糞バケツ運びのいじめとか、現代の若者に通じるメンタリティを好演。
アカデミー賞でもなんでもいいからアメリカの映画の賞にひっかかってほしいです。
「マツザカ」同様、少年のような顔なのにスゴイヤツっぷりをアメリカ全土に見せつけたってほしいです。
が、先般日本アカデミー賞にノミネートされた木村拓哉が辞退した時に、ジャニーズ事務所は「木村に限らず、ウチはレコード大賞や各音楽祭など賞レースというものを十数年前からやっていません」と言ってるけどどうするんやろか。
本家のアカデミー賞にノミネートされてもホントに辞退するのかね~。
見ものです。

サムの手紙シーンは、秀逸でした。
ベトナムに行ったアメリカ兵の手紙をハリウッドスターたちが朗読するドキュメンタリー映画『ディア・アメリカ/戦場からの手紙』なコトは、アメリカ人だけにあったことではないということが、わかったでしょう。
映画では日本兵が自分たちだけではなく、アメリカ兵たちも同じなんだとわかることは、アラブの人たちも、翻って世界中の戦場の人たちも、そうなんだとわかるシーンとなってて、このシーンをアメリカ人に見せるために二部作にしたのかと思うほどです。
だって、アメリカ人って外国語映画なんか誰も見てくれないから、いっそのことアメリカ人スタッフ&キャストでリメイクし直す人たちでしょ。
いきなり『~手紙』なら、日本人ばっかり出てて、日本語ばっかりの映画、いったいどれだけの人が見てくれてたか・・・。
それまでハリウッド映画でよく描かれてきてた、“アメリカ兵だけは捕虜を手厚く扱う”伝説みたいなものを、見事にブチ壊してくれたとこも、「アメリカ人、よう見とけ」って感じでした。


渡辺謙に西部劇にでてくるような銃をプレゼントする士官が、『デスパレートな妻たち』で問題児ザッカリーのお父さん役の人でした。
このブッシュみたいな顔の人、どっかで見たことあるな~と思ってたけど、あ~すっきりした。

『硫黄島~』PRで、渡辺謙がいろんな番組に出て喋ってたけど、桂南光との対談で関西弁を喋ったのには、びっくりしました。
阪神ファンだから?
ヨメの影響?


★★★★

「パプリカ」 妄想王

2006年12月21日 | 映画
庵野秀明が、『エヴァンゲリオン』の“真の完結”に10年振りに向き合うことを決めたという。
「孫悟空のとこ『ダイコンフィルム』に似てるけど、クオリティ高っかいなぁ~、
クライマックスの暴れ方も『エヴァ』の暴走みたいやんけ。
よ~し~、やったるわ~い!(byもーやん)」
とアニメーションの完成度の高さに思ったんじゃない?
なにより劇中、映画監督になりたかった刑事のトラウマシーンで、映画仲間から「完成させろ!」と何度も言われるいうセリフが、いちいちズシリとキタでしょ。
以上、私の妄想。

師匠筋に当たる、大友克洋、押井守らが、実写にうつつをぬかしてる間に、着実にアニメ映画の実績を築き上げてきた今敏監督。
原作をベースに自身の妄想で大きく膨らませ原作以上のものを作りあげる手法は、ティム・バートンが『PLANET OF THE APES 猿の惑星』で提唱し失敗に終わった“リ・イマジネーション”であるが、今監督は、98年のデビュー作『PERFECT BLUE パーフェクト・ブルー』で既に実践してた。
原作が竹内義和という関西のマイナー作家の作品だったから、おそらく自由に妄想を膨らますことが叶った幸福な巡り合わせだったが、大センセ筒井康隆原作の『パプリカ』は、どの程度妄想の余地が入ったんだろうか・・・?
原作をどの程度いらえたのかわからんが、『千年女優』を見た筒井氏が「『パプリカ』もこういうのでお願い」と言われた言葉に縛られたんではないかと思う。
なぜこれだけ妄想にこだわるかというと、監督の創作原点が妄想にあるから。
少年時代に『海のトリトン』全4巻を買いに行って、3巻だけ売ってなくて、我慢できずに3巻を読まずに4巻を読み進めていく際に、3巻部分は自分の妄想で膨らませてて、で、後に実際読んだ3巻は自分の想像よりも・・・だったという、まさに手塚治虫をしのぐイマジネーションの持ち主である。
だから、彼には自由に妄想させてやってほしい。
だったら、自分で原作やれって!
そう!自分で原作をやった『東京ゴッドファーザーズ』や原案の『千年女優』なんか素晴らしいやんか!
なぜ、やらない?
きっとこの人、一から作り上げるにはかなり消耗するタイプやないでしょうか。
わりと、ゆったりした間隔で作っていってるからな~。
次作のため、ゆっくり休養をとって備えてほしいです。
『東京ゴッドファーザーズ』で、妄想面だけでなく、快感を感じるストーリーテーリングにまで酔わせてもらったから、ちょっと求めるものが大きすぎました。

メッチャカッコいいのに誰もパクらなかったデビッド・フィンチャー監督の『パニック・ルーム』風のタイトルバックが『東京ゴッドファーザーズ』に続いてあったとこは、ちょっと嬉しかった。

デブの主人公は、どう見てもダイエットして顔の肉が余った岡田斗司夫でしょ。

アカデミー賞にエントリー(ノミネート候補)された音楽、平沢進は、「おかあさんといっしょ」の珍曲「地球ネコ」の人でしょ!!
「マ~マ あかい ゆうひが しずむ やねのうえ~♪」
 

★★★

「007 カジノ・ロワイヤル」 オレのボンドに文句あるなら、30分黙って見てろ

2006年12月13日 | 映画

シリーズ最高です。
風光明媚な風景が!!
期首特番「世界の絶景100選」で出てくる、涙を流すような絶景の連発ですよ。
よく、あんなとこ見つけてきましたね~。
世界遺産もぶっ壊すし!(特殊効果、お見事!)

「007」シリーズは誰が撮ろうが、いつもだいたい同じ。
「サンダーボール作戦」の権利さえあれば、どんな「007」でも作れると豪語してた某プロデューサーの言うとおり(結局『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のみで以後作らず)、だいたい、オープニング・アクションから始まって、タイトルバック、基地で秘密兵器紹介、世界各地でドンパチ&口説き、でラストはムフフ、エンドクレジットの「WILL RETURN またあいましょう」で終わるってのがパターン。

なのに、脚本に、ただいま青天井のポール・ハギスが加わるだけでこうも変わるのか。
オープニング・アクションは、ハイテクビルっぽいとこを、エレベーターで上がっていくから、いつも通りの派手なアクションが展開されるのかと思いきや、回想シーンにうつり、そこでは地味ではあるが、70年代アクションの21世紀解釈みたいなカッコよさ。
そんで銃口に向って撃つとこまでの流れが、また、え~ねん!
いつも「な~んか、センス、古いな~」と感じさせ退屈してたタイトルバックも、今回ばっかりは、最先端を感じさせましたよ。
ここまでで十分ブルッときたのに、続く追っかけアクションシーンは、スタントワークにおいても最先端を行こうとする貪欲さ。
このテンポよさは、悪役顔と揶揄され、見る前から大不評だったダニエル・クレイグの新ボンド、「オレのボンド、文句いう前に、まぁ30分黙って見ててや」って感じで、そんな不評があったなんてすっかり忘れるどころか、この人で大正解と思うほどでした。
で、悪役は、デンマークのマッツ・ケンことマッツ・ミケルセンという男前で、子供でも「この人、悪モンでしょ」というほどの悪人顔にするため、爬虫類顔とドS顔を強調させ、ネチョッと7:3分けにしたうえに目に疵まで!
見事ヘンリー・シルヴァに変身しました。


カジノ対決なんだけど、ルールがイマイチわからんから、興奮しなかったのは、残念です。
ギャンブルシーンを盛り上げるには『ゴッド・ギャンブラー』か『カイジ』を参考にしてほしかったです。


劇中登場する「人体の不思議展」の展示方法が、5年位前に日本でやってた時と違って、チェスしてたり、自転車に乗った人体を吊ってたり、あと触れたりしてたけど、今はこんなんなったの?
スゲー!
それなら、神戸で今やってるから行かな!!

ダニエルさんのマッチョ・ボディが、ステロイドでないことを祈ります。

★★★

「ソウ3」 三部作症候群

2006年12月10日 | 映画
「実は三部作だったんだ」
「1」がヒットしたとたんに誰かが言い始めます。
このパターンは、アノ人が始めた錬金術だと思いますが、そういうの多すぎます。
で、だいたい完結編になる3作目は、辻褄合わせに四苦八苦させたり、「1」が完璧な終わり方やったら、特にそれを上回るラストを用意しなあかんわけで、三部作モノでイイ完結になったのってあったかな?
『ロード・オブ・ザ・リング』みたいに、本当に三部作構想で最初から最後まで作られてるのは別ですよ!

『SAW』公開当時は、宣伝も少なくほとんど予備知識なしに見た映画ファンが多くて、見た人は「あの映画、見た?掘り出し物、発見!!」と、自慢したくなるような映画で、ホラー映画とサスペンス映画のブレンド具合と、インディーズ感がちょうどいい塩梅でした。
『2』は、『死霊のはらわた』同様、低予算であったがゆえにできなかった描写をやりたいがための映画でありながらリメイクという形をとらなかったことと、「お前、男前やから主演ね!」と決められたブルース・キャンベルに当たるリー・ワネルが出なかったことが斬新でした。

ところが、この『3』は、なんなんでしょう。
『マイドク/いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか』のような頭蓋骨開頭手術脳みそシーンは、「ほれ、画面から目をそらさんと見てられるか?お前ら!!」と挑戦されてる感じで、
『エクスタミネーター』みたいなブタミンチのシ-ンは、ただただしつこかったです。
この二つのシーンはジェームズ・ワン&リー・ワネルの『SAW』精神に反する気がします。
残酷描写は、回を追うごとに慣れていくもんで、それ以上のもんを提供されても、今度はイヤな気分になるだけです。
『1』に、繋がっていくところは、「え~~、そうやったんか!」というより、「あっ、そう」ってだけ。

ジグソウ(トビン・ベル)がダース・ベイダー気取りでイヤになってきましたが、この人がなぜこんな人間になったのか(子供の頃に相当なコトがあったんでしょう)、ファラフォーセットみたいな金髪ネエちゃんはなんなのか、その謎が明かされるなら『4』ちょっと見たいかも。


★★

「武士の一分」 山田洋次、宝刀を抜く

2006年12月08日 | 映画
藤沢周平=山田洋次モノ三部作(続きもんではないが)の完結編で、主演にキムタクときたら失敗するわけにいきません。
『男はつらいよ』シリーズの後釜にと思ったのに2作で終わった『虹をつかむ男』シリーズや、『1』『2』が評判よかったんで『3』を撮ったらもうひとつやった『学校Ⅲ』とか、ギネスブックにも載ってるシリーズモノの王様=山田洋次監督としては、この作品、ぜ~ったい失敗するわけにはいきません。
ですから、エピローグには、とっておきを用意してました。
たぶん、ファンのあいだでも山田洋次作品で一番好きなシーンは?と聞かれるとベスト3に入るだろう『遥かなる山の呼び声』の、列車で護送される健さんに、倍賞千恵子とハナ肇が腹芸で会話するシーン。
あれをアレンジしてました。
で、ここで重要な役回りをする下男役が、それまで前二作の下男を務めてた神戸浩に替わって、より演技のできる笹野高史になってますが、しかたないですね。
ここのシーンだけでなく、キムタク並に存在感を放ってますもん。
ただし、武士:キムタクが、下男:笹野に「バカが!」「アホだ!」「徳平!徳平!」などと声を荒げたりするさまは、確立された階級社会だから当然とはいえ、相手が笹野だから、見ていてつらいもんが少々ありました。
神戸=下男の時には感じなかったんだけどね~。
まぁこれもある種の「武士の一分」なんでしょうけど。

まさに育児中に『たそがれ清兵衛』を見てしまったので、どうしてもあの作品の影がちらついてしまいます。
キムタクが時折、特に月代部分に毛が生えてきた姿は真田広之に見えました。
檀れいの横顔が、宮沢りえに見えたけど、正面向いたら桜井淳子やった。
薬を口移しで含ますシーンは、目をつぶってるキムタクの後ろに「イイ男連続1位」の金看板とか何万というキムタクファンの目が見えてたようで、かなりやりにくそうに見えましたが、あれは必要なシーンでしょうか。
毒見役仲間の「おめぇの、それ、なに食った?」と言う赤塚真人(特技:東北弁)が、三部作皆勤賞です。

『フラガール』でも東北弁聞けたけど、山田洋次のこのシリーズのは格別!
もう、しばらく聞けなくなるのか・・・。
ロードムービーの『十五才』を『学校Ⅳ』と副題つけたように、また藤沢時代劇撮りたくなったら、いつでも撮っていいからね。
他の人に任せられないもん!!


★★★

「トゥモロー・ワールド」 「赤ちゃんよ永遠に」いや「赤ちゃんに乾杯」

2006年12月06日 | 映画

「トゥモロー」+「ワールド」。
なんかテーマパークみたい。

さらにチラシのデザインが『アンドリューNDR114 』と似てる。
楽しいSFやろ、コレ!
そんで、ポスターに書いてある衝撃のクライマックス6分間って、いつも通り誰も見たことのないSFX映像のことでしょ。
総製作費120億円って書いてるし。
な~んて、思ったもんだからこの映画の雰囲気に馴染むまでだいぶヒマかかりました。
好き系の映画なのに・・・。

色々、見所があるんでしょうけど、私にとっては、“赤ちゃん”が戦闘を一時的に止めるという、『マクロス』のリン・ミンメイの歌が戦争を終結させたみたいな(元ネタとなったといわれる『リリー・マルレーン』は見てません)、その一点に尽きました。
新生児を抱っこしてスーパーとか行ったら、全然知らんおばあさんとか近寄ってきて「ちょっと見せて」と言ってくれたり、指握らせてとか言われたり、さらに「カワイイ赤ちゃんね」なんて言ってもらえたら実にいい気分だったのを覚えてます。
毎日、今日はどっちが抱っこしていくかをヨメさんと争ってました。
とりあえず、仲の悪い夫婦だったウチは、赤ちゃんの誕生によって、休戦いやひとつの国になれました。

原題は「Children of Men」。
邦題付けの王様だったはずの東宝東和が、こんなヘタクソな題つけるなんて・・・。
猛省を促します。

キー:「ヘソの緒、切らなくていいの?」
セオ:「しばらく、ほっといていいんだ」
今まで急なお産のシーンには、「お湯」と「ハサミ(切るもの)」と「布」を用意してたけど、本当か、コレ?
本日、まもなく『14才の母』がお産をむかえます。
どうか、母子ともに安産でありますように。


★★1/2

「ありがとう」 芸風を変えた仙頭武則

2006年12月04日 | 映画
「車いすやギプスの子を見ていると、おれが現役で大きなけがもせず、活躍できたのも、この子らが身代わりとなって守ってくれたおかげやと、ホンマ思いますわ」
「身体障害者野球を応援する会」の理事長も務め、ことあるごとに阪神・赤星らにボランティアをすすめる“世界の盗塁王”阪急・福本豊の言葉を思い出しました。

シンプルなことなのに、よく忘れることがら~「ありがとう」の一言、お辞儀、一日楽しく過ごせたこと、そして誰かに生かしてもらってるってこと~大震災の跡地の一角に居を構えてる私は、子育てを通じてそういうことの大事さをあらためてわかったつもりになってたけど、実際大震災を経験し這い上がってきた者だけが遂げた境地というものは、わかりそうでわからないもんで実に身にしみやすい映画でした。

さっきの人永瀬正敏?いや見間違いやろ、まさか彼がこんな役をと思わせるトップシーンから釘付けです。
圧巻の大震災のシーンは、やっぱ特撮はドラマがあってこそやなと思い、樋口真嗣も勉強になったと思います。
殊に焼け野原と化した長田の商店街に立ちつくす赤井一家のシーンは、日本映画もこういう画が撮れるようになったな~とつくづく感慨深い気持ちになりました。
特撮監督は仙頭武則。
河瀬直美との離婚で男を下げたと思われたプロデューサーのはずである。
なんで彼が?
こんなこともできる人なの??
大震災のシーンが上手く撮れてることは、後のいろんなベタなシーンを納得させる上でよかったです。
町内会の採決シーンや、ゴルフバッグ様のシーン、奇跡のショット、最後の一押しと、様々なベタは「実話を元に」なんでどこから実話でどこまで映画かわからんけど、それら全部は“大震災であれだけのことを経験して這い上がってきた人だから”ということで、全て納得できました。

主演の赤井英和は、元ボクサーというだけでなく、飛田市場の漬物屋の倅でもあるんで、根っからの商店街人演技は、演技云々を超えたオーラがでててまさに適役でした。
彼のおかげでベタも倍増してたけど、あの髪の毛の色の変さだけはようわからんかった。
ヨメさん役の田中好子との『芋たこなんきん』ばりの夫婦会話シーンもオモロかったです。
薬師丸ひろ子の、キャディさんメイクにちょっとだけ萌えました。
友情出演じゃなくてこの映画では賛同出演の方々が素晴らしく、皆がこの映画をよい物にしようと出演を快諾した姿が目に浮かびます。
もし自分ならと思うとたまらないトヨエツはもちろん、
一瞬ウルトラマンに見えた佐野史郎、
鶴見辰吾の最近の悪役ぶりから、こいつ援助物資パクルやろと思わせといて、実は思いがけない人、
それからなんと年に2~3回しか見ることのできない生きた化石芸人テントまで呼びよせ、さらにテント路線をなんとなく引き継いでいるMrオクレさんまで出すなんて、なんかあるなと思ったら、仙頭武則は宝塚育ちの人でした。
なるほど、WOWWOWの『J・MOVIE・WARS』で培ってきた人脈から、それまで小洒落た映画やツッコまれやすそうな娯楽映画ばっかりプロデュースしてきた人が、なぜこうもベタな映画をと思いましたが、彼がいつも通りプロデュースだけでなく、脚本も、特撮も、そして役者集めまで一手に引き受けた理由がわかります。
「前日までそこにいたのに、実家の宝塚に母をおいて、なぜ自分は東京に居るんだろう」

河島英五が、次女アナムが生まれた知らせを聞き新幹線の中で書いたという曲「生きてりゃいいさ」をエンディング曲にチョイスしたこともナイスです。


★★★★

「7月24日通りのクリスマス」 BUSU、OTAKU、MOTE

2006年12月01日 | 映画
今年のお笑いのトレンドに島田珠代、オアシズ(光浦、大久保)、森三中、北陽、アジアン、ハリセンボンらブス芸人達の妄想話というのがありまして、もてたことのない彼女達の凝縮した濃い設定の話は、本当に面白いのですが、それを彼女達自身が演じたコントは、調子に乗った小芝居で、雨あがり決死隊宮迫がニヤケながら言うところの「はっらっ、たつな~、ほんまに」でした。(http://www.tv-tokyo.co.jp/yarisugi/backnumber/060701/index.htmlに腹立つ顔満載!)

眼鏡とって、髪の毛ちょっといらって、ちゃんと化粧して、着替えしたら美人であると誰もが一目見てわかるこの映画の中谷美紀が、「王子様ランキング」や「いがらしゆみこ漫画」などのブス妄想&オタク面がつぎつぎ発揮する前半は、モテ男の弟が選んだ彼女が自分に似たタイプの娘だったとこが頂点でした。
どうでもいいことですが、私のヨメさんも、私の姉に似てるとよく言われます。
弟という立場は、無意識にそういう選択をしてしまうのかもしれません。
それから、リスボンと長崎が似ていると中谷妄想ではいうのですが、路面電車、海、坂、そして川原亜矢子だと『キッチン』の函館を思い出してしまいます。
その川原亜矢子は、『週末婚』の時と同じく沢村一樹と夫婦でして、沢村一樹の元恋人役はBUSU設定の永作博美でした。

後半は、目覚めた中谷美紀がブスのコスプレをやめていくというだけでして、綺麗になっていく(まぁ、恋すると女性は見られてる意識が強くなって綺麗になりますわ)のに反比例して、なぜか大沢たかおは、ブサイクに見えていきました。
大沢たかお→阪神の鳥谷→安田大サーカスの団長。
それにしても、弟の結婚式であるにもかかわらず、登場人物全員が姉の中谷美紀だけを気にかけてるのには納得いきません。
弟の結婚式ですよ、ここは。
YOU、なんで靴もってきてんの?
上野樹里、よりによってこの場面で言うかな?
佐藤隆太、「あの~、ちょっといいですか」って終わりの会か!
そして、上野樹里の父。
激怒しろよ!
お前は、なんや?飾りか??
喫茶店での二次会も、おらなおかしいやろ!
お父さんをのけものにしないでおくれよ!!
将来、花嫁の父になるであろう、そん時に河島英五が娘のあみるに言った言葉をパクろうと思ってる私には、あの父の立場のなさは屈辱的でたまりませんでした。

また、映画では、“あっち側”と“こっち側”が論じられていましたが、最終的に“あっち側”を選び、素敵なパラパラ漫画の製作者、佐藤隆太までもが“あっち側”に行こうと努力する服装の変化も苦々しく見てました。
“あっち側”の連中が、“こっち側”の方が楽しそうで、居心地がよさそうで、うらやましく思われる、そんな“こっち側”に居ながらにして幸福を追求している身としてはもっと“こっち側”の素晴らしさを伝えてくれよ、と思ったんですが、そもそもこの映画はOTAKUを描いたものではなく、MOTEを描いたものであったんだな~ということに、今やっと気づきました。
その「MOTE」を唱えたYOUは、『木更津キャッツアイ』で観月アサリ役としてぶっさんといい仲になってたんだが、ぶっさんの親父小日向文世と親子丼になるやんといらん心配をさせるのは脚本家金子ありさのイタズラか?

「クリスマスは大好きな人と一緒に過ごす日」だと、これまたYOUがほざいておりましたが、私の大好きな人は、子供たち。
その子供たちが、いずれ「大好きな人と過ごす日」を、お父さんと過ごさなくなるようになるんだな~と思うと、ちょっとセンチになりました。
週末、一緒にツリー出そうね~。


★★★