『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「パコと魔法の絵本」 音読

2008年09月29日 | 映画
阿部サダヲ、芝居がかっててヤダなぁ~。
病院の連中も大芝居すぎるやん!
こんなノリで見てられるかなぁ~と思ってたんやけど、
「ばちゃ~ん けろ~ん
 ばちゃ~ん けろ~ん
 ゲロゲーロ ゲロゲーロ
 ガマのおうじは わがままおうじ
 ガマのおうじは きらわれおうじ」
のかわいらしい声が聞こえてきてからは、すっかり最後まで見てれたよ!
パコ7歳。
うちの娘と同い年の小学一年生。
正式に学校で字を教わる毎日、まだまだ勉強が楽しくって、音読の宿題がある日には、大きく口をあけて、時に抑揚をつけながら、楽しそうに読む姿とダブって見えましたわ。
なにげに膝の上にのってきたり、大人の言うことを素直に聞いてくれたり、「読んで、読んで」と言ったりするとこも、まだまだかわいい7歳の子供です。
ちなみに、娘はパコのポスターを見て、「大人が子供の役やってんの?」と言うてました。

で、ここからはさっきまでの芝居がかった演技と映画が見事にシンクロしてくれましたわ。
まぁよくよく考えれば、
『乱』の一文字秀虎を彷彿させよるメイクの役所広司は、仲代達矢の無名塾出身。
キャラメルボックスの上川隆也は、いまも演劇にこだわる芝居の虫。
阿部サダヲは、劇団大人計画。
國村隼も大阪放送劇団出身。
山内圭哉は、この映画の原作者後藤ひろひとと供に結成したPiperで活躍する現役芝居人。
小池栄子は、格闘オペラハッスルで1万人の前で演技した経験があり(“小池の旦那”と呼ばれる坂田亘が、高田延彦の化身エスペランサーの最後の一撃を食らおうとするまさにその時、身を呈して守ったのが小池扮する“妖精さん”。おかげで、“妖精”としての力が消え人間となってしまい、晴れて坂田から求婚される演技は涙もんでもあり、小池栄子の実力が垣間見えた瞬間でもありました!)。
劇団ひとりは、その名のとうり。
こんだけのスター劇団員が揃った芝居映画を見せられると、ハマるのも時間のうちやったんかもしれんな。
『有頂天ホテル』が面白く見れて、『ザ・マジック・アワー』がしらけてしまうのは、まんま役所広司と妻夫木の差やと痛感したわ。

芝居だけやない。
ストーリーも、ええ具合に転がっていき、発表会へと、皆がひとつになっていく感もあって心地エエ映画になっていきよる。
ほんま、ギャップが大きい映画やったわ(エエ方に)!

ティム・バートンの感想より宮崎駿の感想がどんなもんか聞いてみたいよ!


★★★1/2

今日の金言 いしかわじゅん 

2008年09月25日 | 今日の金言
「描き手やってると、本当にね、一番描ける頃ってあるんだよ。
今ならなにやっても描ける。
~中略~
一番描ける頃ってね、本当に描けるんだよ。
今週号、描いてるとね、来週号が頭ん中出てくるんだよ」

9月16日「BSマンガ夜話 ハチワンダイバー」の回

柴田ヨクサルは「エアマスター」後半で、この域に達し、予てから将棋マンガを描きたいという思いを、自ら集英社に持ち込んだんやって!
この人、青木雄二、福本伸行の流れにおる人やって!
読まなあかんな!!

「フライング☆ラビッツ」 真木よう子の笑顔を見たくないかい?

2008年09月22日 | 映画
北京オリンピックでの女子選手の活躍に楽しませてもろたおかげで、つい勢いでこの映画も見てしもたんですが、意外なことに結構面白かったですわ。
女子バスケットボールは、残念ながら北京オリンピックの出場を逃してたんやけど、もし出場してたら、この映画ももうちょっと脚光を浴びてたかもしれませんなぁ。
しかも、東宝映画では、映画館マナー啓発CMに同じようなスチュワーデス映画『ハッピー・フライト』を投入。
負け組み映画の予感が漂うてます。

身長157cmの石原さとみが、どう考えても「お前がバスケなんてやるわけないやろ!」と思うんやけど、同期の新人に同姓同名がいたから間違われてバスケのチームに入ってしまうという『ちりとてちん』設定で不安な始まりやったですが、最近イメチェンにいそしんでも、やっぱりドジっ子が一番よう似合うてます。
ところが、この石原さとみ、タレント図鑑の特技・趣味欄で、「バスケットボール」とあるとおり、試合に出ると前言撤回というほどのええ動きをします。
特に、レギュラー選手に抜擢されるきっかけとなった技の動きっぷりは、よう練習したあとが見えて、選手になったというのも納得するほどです。
実はチームメート役の176cm滝沢沙織、174cm渡辺有菜(金八の学級委員役)、167cm鹿谷弥生らも特技・趣味欄は「バスケットボール」で、どうやら経験者を集めたようですわ。
真木よう子かて、「バスケ」やないけど、特技が「陸上競技」だけあってアスリートっぽさがムンムンしてます。
真木よう子も身長160cmで、石原さとみとそうかわらんけど「やってやるって!」という雰囲気が常に漂ってて、こんな4人が(鹿谷さんは、当初のチラシデザインでは、メインキャスト扱いでしたが、なぜか補欠メンバーで出番らしい出番がなかった。なぜ??)、ガチでやってる試合シーンは、がんばってる感満点で、スポーツ女子の見たい部分を、カメラワークの良さもあって、きっちり見せてくれてます。
さわやかな女子汗の匂いが感じられるわ~。

石原さとみの子供時代を演じてたのが「薔薇のない花屋」の八木優希ちゃん。
真木よう子の子供時代とニアミスしていた素敵なシーンを含め、エンド・クレジットには、かなりの未使用シーンらしきものが流れてました。
これらをばっさり切ることで、いいテンポになったかもしれんけど、もったいないなぁ~。


★★★

「おくりびと」 なぜ脱がん!

2008年09月18日 | 映画
広末涼子、脱ぐべきやったんと違いますか?
八の字眉毛状態を保つモックンは、銭湯での入浴シーンをはじめ、“おむつ”ヌードまで披露してくれます。
ダブル主演(こう表記するのはサンケイスポーツくらいですが)というくらいなら、それくらいのことしてくれんと、あの流れで見せずじまいやったら、主演とはいえまへんで。
しかも、滝田洋二郎監督は『秘密』で、すでにエロいセリフ(娘を持つ父親になった今、このセリフを聞くのは怖い!)を言わせてた恩人(この人「病院へ行こう2」でも小泉今日子にエロいセリフを言わせとったなぁ~)やんか!
脚本読んで、賞を受賞するような映画やと思われへんかったんか!
この映画は、脱ぎ時映画やったのに、惜しい事したなぁ~・・・。
な~んて、かく言う私も、賞取るような映画やと思ってなかったよ~!
失礼ながら滝田洋二郎監督は、終わった人やと思ってましたわ。
『コミック雑誌なんかいらない!』をビデオで見て以降、『木村家のひとびと』から、『シャ乱Qの演歌の花道』まで、かかさず映画館で追っかけとったけど、まぁものの見事に、漸減していく成長曲線に耐え切れず、もうええやろと見切った後(一色伸幸と切れた後ね)も、ベストセラー原作の映画や、有名人初主演映画、ちょっと毛色の違う時代劇映画と、ちっとも作家性を感じさせない、どっちか言うたら映画会社の企画主導で引っ張ってもろてる職人監督って感じで、滝田なら見んでええかって足が遠のいたんよ。
で、モントリオール映画祭(親日の映画祭やけど)で賞もろて、アカデミー賞の日本代表になると聞いてあわてて見たひさしぶりの滝田作品は、納棺師という知られざる職業を伊丹映画風に見せるかと思いきや、そこは松竹映画、硬派な方向には興味がなく、笑い泣き路線で描いてくれたんが嬉しいわ~。
この納棺師という仕事ぶりを見せるのに、映画をもってきたんは大正解やな。
職業HOW TO とか職業差別を受けるとことか、それぞれの死を人間ドラマとつなげて見せるのんは、本とか漫画とかでもええかもしれんけど、あの手際のいい所作は実際の動きを見ることで、あらゆるものを説得させるに相応しいもんやからな。
ずいぶんと寝やすくなった晩やけど、うちの幼稚園児はいまだに大汗をかいて寝とって、夜中にパジャマを着せ替えるんやけど、これがむずかしい。
下手すると、せっかくよう寝てたのに、起してしまい、再度の寝かしつけをせなあかんことも。
それが、納棺師の手にかかったら、まぁ簡単に着せ替えしますやんか。
死後硬直で体も固まってる上、みんなこっちに注目してるから失敗もでけへん。
あの動きは、冒頭から釘付けになったもんなぁ~。
「ん!?ん!ん?」と何か見つけて笑わす。
最後の「ん!?ん!ん?」と見つけたもんは、それがなんであるか、わかっとっても泣かす。
父親になってはじめてわかる父親の気持ち、その時に納棺師という職業に就いてた運命の流れがたまりません。
にっかつポルノ映画界にいた滝田洋二郎を大抜擢したのが内田裕也で、義理の息子:本木雅弘が持ってきた企画で海外の賞をとる。
これも大いなる運命の流れやな!


★★★★