『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

『王になった男』 大鐘賞と青龍賞と歴代観客動員1位

2013年02月28日 | 映画

ここ数年韓国ドラマにハマってます。
特に歴史ドラマに夢中です。
短くても20話、長いものになると200話くらいあったりするんですが、あ~見てて本当に良かったと思うエピソードや、ハンパないカタルシスを迎える瞬間が何回もあるんで、長くても、ま~たっく苦に感じないのです。
ところが、この映画、そのええとこばっかりを2時間で見せてくれよりました。
実はこの感じ、チュ・チャンミン監督の前作『拝啓、愛しています』の時にもあったんですよね~。
この監督本物やわ~。
これまで、手がけた4作は全て脚本も自分で書いてたけど、今回は『オールドボーイ』のファン・ジョユンに一任。
監督も脚本家も歴史モノは初やね。
「資料に記述がなければ、思いっきりフィクションで」っていうのが、韓国の歴史ドラマの面白いところで、見やすいところでもあるんですが、中でも『トンイ』『イ・サン』のイ・ビョンフン監督のそれは、自由すぎるというか・・・やりすぎの批判もがあるけど、私は大好きです。
ラストシーンが、ちょっと『チャングム』っぽいところは、うれしかったなぁ~。
イ・ビョンホンも意外な事に、歴史モノは初なんやね。
『風の絵師』で、めっちゃ悪役なのに「お前さん(原監督以外でコレ言う人初めて)」と言ったばっかりに、イマイチ憎めなかった大森南朋似のリュ・スンリョンと、
『トンイ』に比べてかなり薄いメイクと地味衣装(兄の件があるからやろね~)のハン・ヒョジュの歴史もんベテラン二人が、ええサポートしてくれたんやろ、全く問題なく、ちゃんと雰囲気になじんでました。
たぶん、こちらの方も初のはずの、二役演技のところは、『トガニ』校長役の時はめっちゃにくそかったのに、内官衣装を被れば温水洋一似のおっちゃんチャン・グァンがアドバイスしてるはず!!
そうそう、フランシス・マクドーマンドと似たアゴのラインのキム・ギドク映画常連パク・ジアも、毒殺未遂尚宮として出演してました。

衣装、美術、照明、食事・お菓子のフードコーディネート!
今まで見たどの歴史モノよりも見事やったです!
ほの暗ーく、鳥の鳴き声しか聞こえない寝所に、一人でおったら、父親、兄、弟(9才!)を暗殺したとされる王様は、そら、狂いそうになるわな。
ご飯にちょっとでも小石が入ってただけで味おかしくなんのに、銀の箸の色変わったら、あんなに美味そうな食事もばくばく食べれんわな。
王様の残したものが、女官の食事になるなんて初めて知りました。

この映画、大鐘賞15冠!
韓国には、日本アカデミー賞みたいな大鐘賞と、スポーツ紙主催でブルーリボン賞みたいな青龍賞があります。
でも、この独占受賞は、あんまり好ましく思われてないみたい。
そういうとこも日本アカデミー賞っぽいね。
で、ちょっと気になったんで受賞作品を並べてみました。


     大鐘賞     青龍賞
2000年 『ペパーミントキャンディ』 『JSA』 
2001年 『JSA』          『春の日は過ぎゆく』
2002年 『おばあちゃんの家』 『酔画仙』
2003年 『殺人の追憶』 『春夏秋冬そして春』
2004年 『春夏秋冬そして春』 『シルミド』
2005年 『マラソン』 『親切なクムジャさん』
2006年 『王の男』 『グエムル』
2007年 『家族の誕生』 『優雅な世界』
2008年 『チェイサー』 『私たち生涯最高の瞬間』
2009年 『神機箭(シンギジョン)』 『母なる照明』
2010年 『ポエトリー』 『義兄弟』
2011年 『高地戦』 『生き残るための三つの取引』
2012年 『王になった男』 『ピエタ』

2008年までは大鐘賞が6月発表なので、受賞作品にずれがあります。
なんや、大鐘賞のチョイス、そう悪くないやん。
ちなみに『王になった男』は青龍賞の方は美術賞のみでした。
意地悪しすぎとちゃう!
ついでに、かなりヒットしてるというので、年度別の観客動員1位も調べました。
1999年1位『シュリ』
2000年1位『JSA』
2001年1位『友へ チング』
2002年1位『家門の栄光』
2003年1位『シルミド』・・・『王になった男』を監督予定だったカン・ウソク監督作
2004年1位『ブラザーフッド』
2005年1位『トンマッコルへようこそ』・・・王様役予定だったチョン・ジェヨン出演
2006年1位『グエムル』
2007年1位『D-WARS』
2008年1位『グッド、バッド、ウィアード』・・・イ・ビョンホン出演
2009年1位『TSUNAMI-ツナミ-』・・・卜部将役キム・イングォン出演
2010年1位『アジョシ』・・・イ・テユン撮影
2011年1位『神弓-KAMIYUMI-』・・・ホ・ギュン都承旨役リュ・スンリョン出演

2012年は、もちろん『王になった男』~と言いたい所ですが、運が悪かった。
去年、『グエムル』を抜いて歴代観客動員1位を記録した映画が出たんです。
『泥棒たち』。
チョン・ジヒョン改めGianna Junの復帰作で韓国版『オーシャンンズ11』みたいな映画やそうです。
それでも、『王になった男』は歴代3位。
こんだけ、観客動員1位に縁のあった作品やったのに~。


★★★1/2

『ムーンライズ・キングダム』 小さな恋のメロディばっか

2013年02月27日 | 映画

『小さな恋のメロディ』が引き合いに出されてて、予告編見て、これいけそうと思ったんやけど、やっぱ、ウェス・アンダーソン監督、苦手やわ~。
なにが、いかんて主人公の小生意気なメガネ男の子。
見てくれも、性格も共感できかねましたので、その恋を応援しきれず。。。
女の子、カワイイんやけどね~。
二人とも、12歳って設定やのん。
ムスメとひとつ違いか・・・。
西洋のムスメさんはおませさんやね~。
あんま、書くことないんで、『小さな恋のメロディ』のこと思い出してたんやけど、いろいろい勘違いしてたことが判明。
『小さな恋のメロディ』って、ベネチアの橋行くやつやったっけ?
『小さな恋のメロディ』の主演の男の子って、大きなって『処刑教室』の監督してんやんな~。
題名『小さな恋のメロディー』やろ。


★★1/2

『ライフ・オブ・パイ』 3月14日はパイの日だってよ

2013年02月21日 | 映画


『トラと漂流した227日』という副題のおかげで、漂流アドベンチャーかと思ったけど、なにかスゲーものを見た感じ。
途中、『銀河鉄道999』で出てきそうな惑星じゃなかった食人植物の島みたいなとこに途中下車や、水の奥の曼荼羅世界を垣間見たりしたあげく、トラとのお別れシーンで、こっち振り向く?振り向かない?みたいな『あらいぐまラスカル』の最終回からもうひとひねり!沈没船ジョークみたいな、謎かけが語られます。
アン・リーあんた何者やねん!!
思えば、アン・リーほど多彩なジャンルの映画を作ってる監督は、なかなかおらん。
『恋人たちの食卓』までは家族モノの得意な監督と思いきや、
その後いきなり英国貴族モノの『いつか晴れた日に』。
『アイス・ストーム』で再び家族モノを手がけるも、題材は70年代アメリカの家族。
『楽園をください』で南北戦争も描き、
『グリーン・デスティニー』ではワイアヤーアクションも駆使した武侠映画の後に、CG駆使のアメコミ『ハルク』。
『ブロークバック・マウンテン』でゲイを題材にした後に、ハードコアポルノありの『ラスト・コーション』。
しかも、これら作品はレベルも高くて、『恋人たちの食卓』と『いつか晴れた日に』は、私の★★★★映画です。

で、このアン・リー、映画では、漂流前にわりと長いこと学園生活シーンを描きます。
中でも、自分の名前“パイ”にまつわる話~オヤジにつけられた“ピシン・モリトール”って名前が、フランスの有名なプールからってまさかのキラキラネーム。ピシンがオシッコって意味にとられてイジメの対象になるため自分からπと命名~は、“アン”って名前で同じ目にあってたのかと思うくらい丁寧に描いてます。
うちの小学校では二年生の参観に「自分の名前」についての授業がありますが、キラキラのさせすぎには、くれぐれもご注意を!
ちなみに、ムスメは、生まれた顔を見た瞬間ひらめいた名前(ヨメ談)で、意味は後付け。
ムスコは、『トンイ』で「中庸」からの引用がいい言葉だったので、いただきました。

それにしても、CGタイガーのできには驚くばかり。
やつれたトラを見て、「体罰!MPAAに訴えてやる!!」と思うほどでしたが、後で知ってびっくりです。
『ロード・オブ・ザ・リング』でWETAスタジオがニュージーランドにできたように、この映画で台湾の高雄市にデジタル・スタジオできるそうです。

『ガンジー』『スラムドッグ・ミリオネア』に続く、インド絡みでアカデミー作品賞、続くかな~。
おっと『インドへの道』は、ダメだったね。

★★★1/2

『東京家族』 涙王妻夫木

2013年02月06日 | 映画
「のう昌次、母さん死んだぞ」で妻夫木泣く予告、さんざん見た(主戦場のシネコンが松竹系のMOVIXやから、ほんまにようけ見たで~)けど、本編で泣けるかな~。
いや、泣けるでしょ。
山田洋次作品は、わかってても泣かせよるし、
出てるの、涙の王様、妻夫木クンやで~。
『涙そうそう』では、鼻つまんで我慢泣き、
『ブタがいた教室』では、子供と一緒に泣き、
『悪人』では、イン&ヤンな泣き、
『マイ・バック・ページ』では、山下敦広に絶賛された泣き、
泣いてるかどうか知らんけど『ノーボーイ、ノークライ』なんて映画もあるわ!

『東京物語』にインスパイアということで、ほんま細かいとこまでこだわっとった。
最初の日にふるまう料理が、「スキヤキでいいかしら、お刺身もつけましょうか」といったセリフまで同じにしたり、
美容院の名前「うらら(ウララ)美容院」の看板といった小道具、
紙飛行機で遊ぶ孫が、ラジコンヘリで遊ぶに変更と、
そのまんまもあれば、現代であるがゆえに微妙に変更と臨機応変にしてるんやけど、ココどないかしてほしかった。
もう最初でひっかかってしもた。
それは、老夫婦が東京で一人行動できない点。
しかもこの人、教鞭とってたのに。
まだ痴呆がでてるって感じでもないのに、こんなにお供しないといけないわけ?
映画って、ミョーなとこでひっかかってしまうとダメなんで、この後ちょっとしんどかったんですが、
『東京物語』には登場しないキャラ妻夫木のとこと、蒼井優のとこは、いつもの山田調で楽しんで見れました。
妻夫木のキャラ設定は『息子』の永瀬正敏にちょいと似てるよねー。
で、聾唖の和久井映見じゃなかった、蒼井優と知り合ったのが「3・11」以後に付け加えられたとこやけど、このエピソードで、あんた実はいいヤツでんなぁ~ってこんな感じのん、最近見たでー。
『純と愛』で、妻夫木以上にダメなもうホントにダメな、純の兄貴(もこみち)が、実は好青年であることがわかるシーン。
1月17日放送の回、この兄貴が突然合掌するシーンがあって、もこみちが「え、みんな、やんないの?」「お兄ちゃん、毎年やってんの?」ってシーン(セリフうろおぼえ)。
あなたから、今日はあの日から18年ですと教えられるとは思いませんでしたー。
しかしながら、もこみちはまたイヤなヤツに戻っています。
そいえば、3.11後の帰宅難民中に知り合ったカップルという設定のドラマ『最高の離婚』では、タイトル通り瑛太と尾野真千子が離婚しました。
この後、どうなるんか楽しみです。

脱線してまいました。
『東京家族』に戻りますが、風吹ジュンの居酒屋にいた先客、『寅さん』で「とらや」のラストバイト担当の二人が出てました。
そいううとことか、夏川結衣が、さくら:倍賞千恵子の立ち居振る舞いと声が似てるなぁーとか、
橋爪功が爪切る姿は、『息子』の三國連太郎の後姿と被りましたわーとか、
山田洋次には山田洋二らしい作品を求めてしまいます!
橋爪功のこの役ですが、当初、菅原文太がやる予定やったんですけど、えげつな~い広島弁聞きたかったなぁ~・・・。
ピン芸人:三浦マイルドの広島弁ネタとか、『まほろ駅前番外地』の吉村刑事とか、ちょっと広島弁ブーム?


★★★

『拝啓、愛しています』 「イ・サン」の英祖がAVを見てるでチョ~ナ~

2013年02月01日 | 映画
韓国の歴史ドラマ監督イ・ビョンフン作でおなじみのあの怖い爺さん!
『ホジュン』『商道(サンド)』『イ・サン』で、主人公を導くメンター、厳しく高い壁の役を努めてましたイ・スンジェが、まさかのチャーミングなハラボジを演じています。
いつも通り、頑固は頑固なんですが、目の奥はやさしさに満ち溢れています!
いつも怖かった、あの爺さんが、笑てます!
ヤキモチやきます。
カフェにも行きます。
黒手袋をパンパンします。
お誕生日の歌も歌います。
鼻水も出します。
AVも見ます。
あの英祖がですよ~。
この爺さんが、英語題「late blossom」の通り、人生最終版にして、恋をするわけですが、これだけにとどまらず、もう一組の老夫婦が出てきます。
こっちは、社会問題(認知症介護)担当なんですが、この二つがええ具合に絡み合って、愛すべき映画に仕上がりました。
大好き、この映画!!

原作は、韓国の人気ネット漫画家カン・プル。
日本でも発売された『純情物語』を読んだ感じでは、ドベタな韓流ドラマの漫画版といった感じやけど、じんわりハマるエピソードの積み上げがうまく、映像化に向いてると思いました。
映画にもなってるんやけど、どやろね。

この題名すごくいいです!!
原題は「クデルル サランハムニダ」。
直訳で「あなたを愛してます」やけど、映画で語られる通り、同じ「あなた」でも、「クデ」と「タンシン」があって、この爺さんが、その使い分けを語っています。
このこだわりの「あなた」を、もうひとつのキーアイテム手紙からの連想で「拝啓」に置き換えるなんて、この題名はファインプレーです!
ドラマ版もあって、そっちはそのまま「あなたを愛してます」になっとった。
お~!イ・スンジェが引き続き同じ役で出てるやん!!
キム・ヒョンジュンが出てるから、老人四人の話だけではなさそうやね~。
見たい!!!


★★★★