『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ダイ・ハード 4.0」 よその子の成長は早い

2007年06月29日 | 映画
「ダイ・ハード」では、大きなクマのぬいぐるみをお土産に喜んでたブルース・ウィリスの娘も「ダイ・ハード 4.0」では、車の中でいちゃつく年齢に!
ボニー・ベデリアに似たんか、どっちに似たんかわからんけど、あんなにカワイイ娘に育って気になるのはわかるけど、デートの尾行はしたらあかんで~。
私はやらない。
きっと。
たぶん。

「ダイ・ハード」といえば、ノンストップ・アクションですが、まぁいさぎいいくらい徹してましたな。
それが、「ダイ・ハード」なんやけど、やっぱり強くなりすぎてるのが気になりますわ。
これじゃあ1作目のときに、なんでわざわざブルース・ウィリスを起用したんかその意義を問い直したくなりますわ。
ギリギリセーフの連発はこの世界のお約束やから許すけど。

今回、敵役になかなかええ動きしよるのがおりました。
シリル・ラファエリ。
リュック・ベッソンの秘蔵っ子スタントマンで、こっちの方が「ダイ・ハード野郎」やったな。
車に飛ばされても死なない、ヘリから落ちても死なない、そして三度目の戦いでは1対1の格闘なんで圧倒してたんですが、ちょっと油断してお約束どおり落下でミンチに。
なんか『スターウォーズ ジェダイの復讐』でボバ・フェットがサルラックの穴に飲み込まれたとこみたい。
もったいなかったのは、マギーQ。
『M:i:Ⅲ』で彗星のように現れた実写版峰不二子。
もっと“お色気”を使てほしかったなぁ~。
相棒の若僧なんか、声で「この人悪もん!」と看破しよったけど、胸チラとか太モモチラ、ついでに誘惑ボイスで、「やっぱりこの人じゃないデ、ス・・・」ってなっとったで~。
それから、あんまり美人に撮られてなかった気もする。
あんまりエエ女に撮りすぎると、監督の嫁はんケイト・ベッキンセールが、あらぬ疑いをかけてきよるから、あえてアクションのみの活躍にとどめたんかもしれんな~。
で、マルコム・マクダウェル似の大ボスは・・・。
なんなんでしょ。
最弱。
もっとひきようでゲッすいヤツの方がスカっとすんねんけどな~。

ま、全体的に『ブルーサンダー』+『24』+『16ブロック』を『ダイ・ハード』の世界感に巻き込んだ感じでまずまずってとこかな~。


★★1/2

「ゾディアック」 VSデ・パルマ

2007年06月27日 | 映画
『ゾディアック』の新聞広告「(太字で)ダントツに面白い。~MOVIEぴあ」
よく見れば小さい字で「フィンチャー監督の中で」だって。
わずか6作品の中でのNO.1かよ!
小さいこと言うなぁ~。
どうせ言うなら「今年の映画でダントツに面白い」とか吹いてくれたり、「『ブラックダリア』より面白い」って言うてくれる方がええのに!!

昔のワーナーロゴ(ちょっと汚れてる)とパラマウントロゴ。
その後いつものフィンチャー映画の凝ったオープニングを期待してたんですが、そんなんあらへん。
殺人シーンもいたってシンプル。
そのシンプルさが、無機質な殺人鬼の快楽殺人っぷりをひきたてよります。
今までのフィンチャー映画でヒッチコックを感じたことはないんですが、この映画からはちょっと感じましたわ。
時代設定がヒッチコックの晩年と重なるからとか、サンフランシスコが舞台やからやないですよ~。
姿なき連続殺人鬼とそれを追う刑事&『大統領の陰謀』チックな新聞記者の映画と思いきや、ビルが一棟建ったり、ヘルシーブームが到来したり、大きめメガネっ娘との関係が深くなっていっくあたりから、映画の雰囲気も一変。
一介の漫画家ジェイク・ギレンホールが、この事件にハマっていくっぷりがひどくなっていきよる。
このへん、映像派のくせにテクニックを抑え目(ちょっとだけ)にしたデ・パルマの『ブラック・ダリア』とよう似とるんですけど、フィンチャーは『ブラック・ダリア』の監督を降板しただけに、そのへん準備しとったことは全部こっちでもやっとこかってことでしょうか。
こっちの方がダントツに面白いですけど。
でも、ラストも含めての感じは『殺人の記憶』によう似とるんですよね~。
後にDNA鑑定で結果でても、「コイツに違いない!」と思ったら最後までしつこい!
ラストカットの後も、「こう、こう、こうやから、この人が怪しいんですよ~」っていう字幕までつけてました。

ゾディアックって、クリント・イーストウッドの『ダーティハリー』1話目の悪もんスコルピオのモデルになった犯罪者やけど、まだ事件の記憶が生々しい時に映画やっとったんやね。
恐ろしいなぁ~と、思う反面ハリー・キャラハン刑事に胸のすく思いをさせてもらったんやろなと思います。
「漕げ、漕げ、漕げよ、ボート漕げよ」のスクール・バスジャックシーンもゾディアックのネタやったんですね。
現実では、その情報を掴んだ一部のもんだけは、「今日バス乗んのやめとき」って言いいやがんの!
『24』でもこんなんあったよな~。

階段を落ちていくスプリング状のおもちゃ(一応レインボースプリングと言うらしい)が欲しくて、親に泣きついて買ってもらったんですが、ちょっと遊んだだけで、スプリングがこんがらがってダメにした記憶が甦りました。
チュッチュッ人形(正式名称不明)とか、狭苦しい飛行機の中など、当時の風俗再現の丁寧さは舌を巻きます。
キャスティングも渋いどころを集めてます。
昔好きやった『ブルー・サンダー』のヒロインキャンディ・クラークが出とったんも嬉しかったなぁ~。


★★★1/2

「バベル」 ディスコミュニケーション

2007年06月25日 | 映画
言葉が通じないことから招く悲劇。
同じ日本語を喋り、同じ屋根の下に住んでて、同じ子供を愛して育てようとしてるのに、こないだもモメました。
「そんなつもりで言うたんちゃうのに~」
「そんな風にとってもらったら困るわ!」
しゅっちゅうこんなんだから、メキシコ人のシッターが被る不幸の連続はかわいそうったらないわ~。
『クラッシュ』の透明マントパパ(マイケル・ペーニャ)、あんただけはわかってくれると思ったのに~。
せめてコーエン兄弟風にコメディタッチで描いてくれればとか、不幸にまみれたぶん次はええことあるねんよと思ってあげるしかないわな。
でも子供を放置して一人で助けを呼びに行くのはイカンわ~。
いくら「ココにおっといてよ!!」って言っても、子供ってすぐおらんようになったりするんやから。

そもそもブラピ夫妻、なんで子供をほっぽりだして、モロッコ旅行に行きよんのかわからん。
一緒に連れて行くか、もっと近場で済ませるとかせんかな?
置いてけぼりくらってる理由がわかるには、あの子供二人まだ幼すぎると思うけどな。
でも、おかげで、子供は、めざましいほどの精神的成長を遂げよったわ。
メキシコ行きは、すげー冒険やし、この親なら決してさせそうにない異文化交流とか珍しいもんとか食べれたもんな。
子供は、言葉なんて通じなくても、見た目が自分と違ってても、すぐ溶け込むことが出きよる。
結婚式で子供が楽しそうにしてるとこが、未来のなにかを感じさせるのですが、その後であんな目にあうから、やっぱり“人間って”てことになるんかな~。

菊地凛子は、聾唖のシーンもたいしたもんですが、大山加奈を彷彿とさせる高校バレーのシーンもなかなかなもんです。
このバレーシーンの監修にゼッターランド洋子。
私も、役所パパのように、ムスメの試合を客席から応援したいと本気で思いました。
娘も坊やもなにか運動部入ってくれよ~。
ついでながら、役所広司は、銃をあげるなんてせんとあのモロッコ兄弟にエロ本の一冊でもプレゼントしてやれば、こんなこと起こらんかったんかな~と思いましたよ。
たぶん、めちゃめちゃ怒られるやろけど。


★★★

「舞妓 Haaaan!!!」 先輩・後輩

2007年06月21日 | 映画
阿部サダヲ主演映画。
本人も「オレが主演でいいの?」って言ってたくらいなんやけど、まぁ嫌いな俳優ではないし、クドカンやから楽しみでしたわ。
でも、あのテンションの演技で映画がずっと続くのはちょっとしんどかった。
『ライアーゲーム』の鈴木浩介演じるフクナガがずっと出てるみたいで。
そのおかげでか、堤真一のコメディアンっぷりが、心地よかったな~。
間の取り方(お茶かけられるとこ)とか、「○○○、ボ~ケィ~」「○○○、ワ~レィ~」と関西弁の言い回しが出きる姿に、堤真一ってどこの人?と思って調べたら、あんた兵庫県出身やがな!
しかも西宮市浜甲子園って、こないだ娘が幼稚園の遠足で潮干狩り行ったとこや!!
プロ野球の投手役やけど、西宮東高校の後輩で野村阪神時代のストッパーやった成本年秀(現ヤクルトコーチ)に演技指導してもろたんやろか・・・。
この堤真一が姿を現してから、いや阿部サダヲが京都に行って舞妓はんが出だしてから面白なってきた。
その舞妓はん、メイクしとったら誰が誰かようわからんかったけど、舞妓入門映画だけにみんなカワイク撮れとったな~。
これやったら、須賀健太を筆頭に次世代の舞妓オタクも育つやろ。
特に駒子役の小出早織。
バカみたいな映画でありながら、後半、パパクドカンの“娘love”面を具現化する重要な役柄。
正直、このキャスティングは事務所の先輩:柴咲コウとの抱き合わせで得たもんやと思うけど、京都出身の純粋京女でもあり、昭和の香りがする顔立ちの彼女にはピッタリやったわ!
今にして思えば、アイドルの登竜門であるドラマシリーズ『ケータイ刑事』の五代目銭形に抜擢されたのは、なんかの間違いやったと思いたい。
『時効警察』のファミリーでも後で入ってきたわりにハマっとったし、このチャンスを掴んで特異な魅力を放つポジションを放さんときや~。
で、彼女、地元京都の現役大学生やって!
しかも私の後輩やがな~!!
頼まれんでも応援しますわ~!!!

植木等の奇跡的な出演のほかゲスト出演がいっぱいおって楽しい~。
単なる顔見せでなくって、山田孝之とか北村一輝とかオクレさんまで一応ネタになるような出方やった。
漫才の$10(テンダラー)浜本もほんまにちょっとだけやけど出とったわ。
こっちは、出てただけやけどな。


★★★

「プレステージ」 なぜプリンセス天功のコメがない?

2007年06月17日 | 映画
『プレッジ』ショーン・ペン、
『ターン』平山秀幸、
『プレステージ』 エドゥアール・モリナロ 。

ハトのマジックのネタには心底驚きました。
まぁ、ああいうネタでやってたのは『エレファント・マン』と同じ19世紀末のロンドンだけと思いたいですけど、私が子供の頃見た手品というか「TVジョッキー 日曜大行進」の奇人・変人では、金魚を丸のみして、しばらくしてから出すというのがあって、たまに失敗してほんまに飲んどったから、見世物小屋とかでは実際やってたかもしれんな~。

一応トリックが見世物の映画ですが、実は職業:奇術師についての映画でしたわ。
ヒュー・ジャックマン(たまに板尾創路似)の方は、『ザ・フライ』みたいなことして、神の領域に踏み込んだ報いとして、一昔前のSF映画でよく使われとったネタみたいに苦しみ、
クリスチャン・ベールの方は、上手いことやったつもりやけど、『インファナル・アフェア』みたいな目にあいよります。
こういう場合、思い切って『男たちの挽歌』のようにそれぞれ別天地に住む方がおすすめでしたな。
ハトも一杯おるし。
いずれにしても奇術師として生きるには、人生全部を捧げなならんのやな~。
それでこそのプレステージ、一度味わったら、何度でも味あわな気がすまんのやろ。
私も、幼稚園児の娘にヘタクソな手品を披露するんですが、マジでびっくりして大喜びする様を見ると、彼らの気持ちもわからんでもない。
そういうわけで、プリンセス天功は奇術師として、しごく真っ当な生き方をしとることがわかりました。
今でこそ、初代天功マジックなんか、大晦日にナインティナイン岡村ができてしまう程度やけど、あの言動とか行動を24時間続けるのは真似でけんぞ~。

マイケル・ケインは、『探偵 スルース』『デストラップ 死の罠』『ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ』と、ほんま人を騙す映画が好っきやなぁ~。
テスラ博士の研究所に訪れる時の、蒸気機関車が山の裾野を登っていくシーン、あそこでファンタジー映画と気づくべきでした!


★★1/2

「しゃべれども しゃべれども」 ツンデレとは

2007年06月15日 | 映画
桂南光曰く「枝雀師匠が憑依した」と評判の少年を見に行ってきました。
一応、宣伝的には「国分君の落語が~」ということですが、関西のラジオ番組にパーソナリティで出てる落語家たちは、この映画の話をするとだいたいこの少年のことを語ってました。
特に若手落語家は、この映画を見た後、練習熱が高まったそうです。

人に“なにか”を教えるということで、今までわからなかった“なにか”が、ちょっとわかったような気になって、あぁ自分も成長したなぁ~ということは、ようある。
特に子育てに関わってるようになってからは、日常しょっちゅう感じてる。
育児は育自とは、うまいこと言うたもんである。
この映画の国分太一扮する落語家の落語も、まぁ面白ない落語をやってましたわ。
なんで、面白ないか本人は全く気づかないまま、頑なに古典落語をやっとるわけですが、そんな国分が人に落語を教えることで、落語のレベルがひとつ上がったんやけど、落語について詳しく知らんのですが、マクラが上手なったんかな~?
マクラがあかんかったら、いくら面白い落語やっとっても聞こかと思わんもん。
師匠クラスや有名人落語家のんは、最初からこっちが「聞かせてください!」って気持ちやけど、どこの誰か知らん一若手の国分落語を、ちゃんと聞いてくれてたのって、知り合いの眼鏡女子(思わせぶりっ娘)だけやったもんな~。

さて、私がわからなかったのは“ツンデレ”の魅力。
女子にツンケンされて嬉しいって“S”か!と思ってたけど、香里奈みたいにブスっとした表情で愛想のない女子が、自分だけにあの柔らかい笑顔を見せるってのは、気持ちええやろな~と、ちょっとわかった気になれました。
クリーニング屋の看板娘になれる器が、なぜあそこまで仏頂面娘になってしまってたのか、失恋だけではないと思うんやけど・・・。

この映画で一番気になった人は松重豊。
元々脇役でよく顔を見せる人やったけど、最近の出演作品でのキラリ光っぷりたらない。
『拝啓、父上様』では、八千草薫に心酔する下町の若い衆。
『プロポーズ大作戦』では、高校野球部の監督。
なんか湯河原と被ってる気が・・・。
大杉漣級にはまだまだやけど、遠藤憲一級には近づけたかな~。
『地獄の警備員』の富士丸がこんななるとは感慨深いわ~。

朝日新聞火曜日夕刊の連載コラム「米朝口まかせ」がオモロイです。


★★1/2

「赤い文化住宅の初子」 尾道の隣町の美少女

2007年06月13日 | 映画
クドカンの昼ドラマ『我輩は主婦である』に面白家族の一員として出てた時の東亜優はそれほどでもなかったのに、伏目がちな貧乏目線、キュッと結んだ口元、石鹸で洗ったようなそれでいて清楚な髪、化粧っ気のない肌、安っぽい服装という真面目貧乏ファクターを添えると胸キュン少女に!
男(私と三島君だけか?)というもんは、なんでこうも貧乏女子(美女に限る)に胸キュンするんやろか。

彼女の口から吐かれるのは前向きな貧乏オチの独り言。
中学生が「金(かね)、金言うんじゃない!」と中華料理屋のおっさんにピンハネされると、「カネ、カネ、カネ・・・死ね」。
同情するなら金くれて、「参考書が買える」と言いながらちゃっかり一張羅購入。
お尻を披露する坂井真紀扮する女教師に「田尻でよかった」。
デリヘルのチラシをくしゃくしゃにして、「いけん、お兄ちゃんがいる(必要)かもしれん(風邪で早退したらお兄ちゃんがデリヘル嬢呼んでた)」。
独り言はエスカレートして、さらに妄想まで加わる。
この妄想シーンが、いかにも女子発って感じでよかです。
ライバル女子の下駄箱にヒキガエルを入れようとするけど、そん時そばにいる三島君にキャっと腕を掴んでイイ感じになってしまうとこまで想像して、結局靴の向きを変えるだけにとどめるってカワイイ抵抗やんけ!
自分が風俗の呼び込みをしてるとこなんか(ここはアドリブらしく、よくわかってなさがやけにリアルでカワイイ!)、風俗で働いてる美女は皆家の貧しさゆえにしかたなくやってるもんだと、逆にこっちが勝手に妄想してまうわ!

これに“妹萌え”の要素まで加わるんやけど、女子から見たら“お兄ちゃん萌え”にもなってるんとちゃうかな?
100円玉おはじき(お兄ちゃん多め)とか、コロッケとか、電球とか、なんやかんや言うても一つ屋根の下に住んでる兄妹。
あや取りのシーンなんか、お兄ちゃんの方が、自分より少しお母ちゃんとの思い出がようけあるだけにしっかり覚えてるって、鈴木砂羽ママの育児が貧乏なりにもしっかりしてた証拠やな~。

全編広島弁で語られるこの映画の舞台は広島県福山市。
たぶん、ほとんどは東京の日野市で撮られたと思うけど、海の向こうにわりと近い距離で島が見えて美少女というシュチエーションは、広島ならではで、隣町尾道の大林映画『さびしんぼう』で富田靖子が自分の家を見られたくない貧乏女子を思い出しました。
「赤毛のアン」の理想と現実を描きながら、三島君をゼッタイ信じたいラストカットには、初子も「自虐の詩」の幸恵同様「生まれてきた喜び」をわかってもらいたいと思わずにはいられませんでしたな~。

「やっちもなぁわ」は「カバチタレ!」に続く広島弁の勉強になりましたわ。


★★★1/2

「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」 すべらない男

2007年06月08日 | 映画
カザフスタン。
1997年、初めてのワールドカップ出場がかかる加茂ジャパンが、アジア最終予選で1勝1敗1分とパっとせず、カザフスタン、ウズベキスタンのアウェー2戦で確実に勝利して帰ってくる予定が、いきなりロスタイムで引き分けに持ち込まれ監督更迭までおこったとこ。
そん時から、謎の多い国カザフスタンでした。
だって今やってるユーロ2008で予選戦ってるんだもん!
いつのまにか、アジアからヨーロッパ所属になってやんの。
だからボラットみたいなおっさんがTV局のレポーターやって言うても何ら不思議ではないし、あの国歌がほんまもんかどうかも定かではない。
映画自体がそうだ。
どこまでがほんまで、どこからが作りもんの映画か。
ここが実に面白い。
森達也や、長江俊和の「放送禁止」シリーズで、メディア・リテラシーを鍛えられたおかげで、最初のカザフスタンの紹介シ-ンは、「あぁこういう風に笑かしていくんやねと」思たけど、アメリカに行ってからの行動がうまくドキュメンタリーと同化して素晴らしいモキュメンタリーになってる。
数々のチン行動は、「人志松本のすべらない話」に出てくる「すべらない話」級で、さらにそこから浮き出る批評精神は、さすがモンティパイソンを生んだ国の出だけあるで~。
圧巻は「ロデオ大会」のとこ。
なるほどブッシュが勝利した理由がようわかるわ!
年金めちゃくちゃにされて、現役大臣が自殺までするほど怪しい金が動いてるのに、いまだに自民党言うてる人のおる日本にもボラット来てくんないかなぁ~。
そん時は、「アメリカの真の姿を暴くための手法として、あそこまでバカを使うと、カザフスタンが気の毒で、笑うどころか白けてしまった。」とコメントした田嶋陽子女史と対談してほしいなぁ~。
この映画にもんく言うてないカザフスタンという国の懐の大きさを見習ってよ、オバサン!!

主演の、サシャ・バロン・コーエン(通称:サーャ)は、SNL(サタデー・ナイト・ライブ)コメディアン同様、巧みなキャラクター像を作り上げてそれが一人歩きするような作品作りをしてきた人。
前作「アリG」は、サーャのもう一人の持ちネタ、気弱・真面目・エロのラッパーというキャラ“アリG”が、なぜか政治家になるという映画で、各国首脳と歓談するシーンでカザフスタン代表でボラットが出てくるとこまである。
なかなかに面白い作品やったけど、よくあるキャラ立ちコメディといった感じやった。
DVDの特典映像に、モキュメンタリー(というより単なるイタズラ)っぽいとこがあったけど、そこから膨らましたんかなぁ~。
見えそで見えない、全裸レスリングは『オースティン・パワーズ』のジェイ・ローチのネタやろな~。

そういえば「ウルルン滞在記」で高橋真唯がルーマニアに行ってたけど、現地の人、挨拶でチューばっかりしてたよ!


★★★

「ザ・シューター 極大射程」 ランボー4.0

2007年06月07日 | 映画
スナイパーもんといえば『山猫は眠らない』シリーズ(もう3作も作られてるんですね)とか、『ジャッカルの日』とか、『プライベート・ライアン』」の1エピソードであるような、とかくストイック&プロフェッショナルな話が多いんで、そんなんかな~と思ったら、思いっきり『ランボー』でした。
カー・チェイスや、死んでしもた戦友の家に訪れたり、自分で治療とかもあったしね!
ただし、トラウトマン大佐しか心許せる人がいないランボーと違て、この映画の主人公スワガー(マーク・ウォールバーグ)には、『クラシュ』のマイケル・ペーニャ(雪山での身代わりシーンは「透明マント」でなく鉄板をしこんでましたが、頭撃たれてたらやばかったんちゃうの?) とか、戦友の婚約者にしてはロリすぎる恋人やなぁ~と思ったら、『ブロークバック・マウンテン』のセルマJrやったケイト・マーラとか、『アリG』でサシャ・バロン・コーエンと共演してたローナ・ミトラ(この人はマイケル・ペーニャに協力してたんですが)、そして愛犬までと味方たくさん!
でも犬以外は、常に裏切られるんちゃうか~と緊張感があったから、やっぱり「一人だけの軍隊」感は漂ってたな~。
原作はベトナム帰還兵という設定らしいから、やっぱりそうなるんかな~。
原作は金看板「このミス」1位の作品で、この年の2位は『ボーン・コレクター』やけど、ずいぶん寝かしとったんやなぁ~。

掘り出しもん感のある公開のされ方で、プ~ンとしたけど、私的にもひとつ。
ヘンに期待してしもたわ~。
ネッド・ビーティの顔、久しぶりに見れたから良しとするか!


★★1/2