『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ドリームガールズ」 求む!日本版

2007年03月25日 | 映画
歌手を嫁さんにもろて、夫婦ゲンカでもしようもんなら、耳元で大声で唄われるんか~。
かなんな~。
こういうのがいつもなじめず、音楽/ミュージカル映画は敬遠してきましたが、急にセリフが歌になったり、途中で踊りだしてもあんまり気にならないよと言われた『エビータ』、『シカゴ』もダメで、正直今回もあかんと思ってました。
でも音楽がちょっとなじみのあるやつやったし、『ブルーズ・ブラザーズ』に近いノリがあったんで助かりました。
ネタ的にも、「芸能界で売れていく10の方法」みたいな、いやらしい手口が面白かったわ~。

「歌うまいけど、カワイないから、バックボーカルね!」って、キャンディーズのランちゃんが真ん中に変わったり、福田明日香となっちがメインボーカル争ってたのに、ビジュアル的になっちのモー娘。になったけど、さらにゴマキが出てきてって、やっぱり真剣にメインボーカル争いをしとった時が一番おもろかったな~、モー娘。。
韓国のFINKLというアイドルグループも、抜群に歌唱力のあった小デブの娘は、メインの位置におさまらせてくれてません。
世界中の共通認識なんやね~。
新メンバーの、昔から幼馴染というにせプロフィールも、インターネットのない時代は通用したんやろね。
曲のパクリ騒動も、よくあったんやろな。
今では、すぐどこぞの掲示板とかで晒されるけど、詩を変えるのは、耳毛のすごい爺さんの逆鱗に触れるからやめとけな。
でも、パワフルに通好みで唄われるより、アレンジしたやつの方が聞きやすく感じたのは商業音楽に慣れっこになってるからかな~。
エディ・マーフィーの失神パフォーマンスも、今だにピンク・レディー復活コンサートの定番ネタにもなってるけど、ほんま、あらゆる芸能ネタがつまっとる!
娘っ子に手をだすってのも、もういくら言うても間違いないことなんでしょう。
おニャン子の時も、秋元康、後藤次利ならまだしも吉野までもが手をだしとったことが明るみになった今、ハロプロの誰かは、つんくのお手つきになってると思っとくのが、正解やろな。
というわけで、こういうのの日本版が見たいと思ったわけですが、この場合劇団四季とかがやる正規のやつじゃなくて、本人呼んでるからエエ話しかしない『いつ見ても波乱万丈』とかでもなく、「BUBUKA」みたいな噂話満載+えげつない黒い芸能史みたいなやつね!
ちょっと石原真理子に期待するか!!

アカデミー賞も、この作品が作品賞にノミネートされとったら、丸くおさまってたんとちゃう?
アカデミー会員、ミュージカル映画好きやし。
黒人が白人に勝るっていう部分が、お気に召さなかったのかな?


★★★

「叫」 おっちゃん、ホネ折ってない?

2007年03月13日 | 映画
赤いドレスの葉月幽霊(書いてても怖いし、難癖つけられるのも怖いので、以下葉月ちゃんと書きます)、怖いよょょ~。
この日の夜のお風呂の時間は最恐でした。
目をつぶってシャワー浴びるんですが(あたりまえじゃ~)、目を閉じても、まぶたの裏には、目を見開いてス~っと近寄ってくる葉月ちゃんがこべりついてます。
かといって目を開けると、目の前には鏡。
どっかに葉月ちゃんが写ってないか、探したらあかんのは、わかってるくせに探してしまいます。
こんなんじゃ、寝るのも怖いやん!
『エルム街の悪夢』やがな!
伊原と葉月ちゃんのシーンが、『エルム街』のラストに似てましたな。
大人になってから、こんなコワイ夜を過ごすのは初めてです。
あ~、ベッドで子供が一緒に寝てくれててよかったよ!

上岡龍太郎の薫陶をうけてきた私は、幽霊なんて全く信用してませんよ。
でも、楽しく見れるんですよね~。
黒沢清のは(中田秀夫も)。
精神科医オダジョーに語らせてた黒沢清の幽霊理論は、幽霊否定派の私には、結構な説得力あります。
ほんで、黒沢清が撮る、廃墟はもちろん、ひらひら舞う布、水たまり、部屋の中までなんか今にも幽霊が出そうで力入れて見てたら、スカされて、突拍子もないとこから出たり、出たら出たで葉月ちゃんずっと怖いし・・・。
でも、実は一番怖かったシーンって、地震で家屋が揺れる音だったりします・・・。

黒沢清映画のお楽しみ、ヒッチコックLOVEも随所に見られました。
『白い恐怖』でダリとコラボしたように、今回の『叫』ってムンクの絵からでしょうな。
葉月ちゃんが、初めてお顔を見せるとこ(写真参照)が、それでした。
鳥の大群が役所広司上空を舞うとこは、やっぱ『鳥』でしょう。
ヒッチコックが好んで使った合成によるドライブシーン(技術がアップした後年でさえも使ってた)なんて、世界の映画人でも、現在引き継いでやってるのって、黒沢清だけじゃない?
ヒッチコック探しと同様に面白いのが、いつも凝ってる飛び降りシーン。
今回ついに、ジャッキー・チェンが、人気女優でも平気で高い所から飛び降りさせてたように、ノンスタントで俳優を落としたんではないかと思わずにはいられない域に達しました。
エスカレートしすぎでっせ。
次の作品、どうするんやろ?

『CURE キュア』以降、『カリスマ』、『回路』とカオス感あふれるラストシーンは、今回抑え目でありながら、映画自体は集大成感たっぷりで、『ドッペルゲンガー』、『LOFT』と変化球が続いてきただけに大満足でしたわ!!


★★★1/2

「ボビー」 ラジー女王!

2007年03月04日 | 映画
「あの人が生きてはったら、こんな世の中には・・・」
故人を偲んでというより、今ある状況を嘆かわしく思った時によく言いますが、こんなに惜しくして逝った人やったんですね!
そら、事あるごとにアメリカ人が、「ケネディさん(兄弟とも)が生きてはったら・・・」と言うのもうなづけますわな。
言うてる事はいまだに通用することやし、あの時代にこんなメッセージを発してるんんなら、あの人が大統領になって何年かアメリカを動かしとったら、今のアメリカの姿はなかったやろうに・・・。

群像劇は、いつも面白いですが、今回もキャスティングがツボでした。
支配人のウィリアム・H・メイシーなんか、この支配人絶対なんかあるで~と思ったら、ヘザー・グラハムと役得なことしてやがってました。
『ドーソンズ・クリーク』のペイシー役やったジョシュア・ジャクソンなんか、元カノ:ケィティ・ホームズがトム・クルーズと結婚してから、久しぶりに見かけたんですけど、いまだに高校生みたいな雰囲気で、選挙参謀というより生徒会委員長って感じです。
自称将来の運輸長官が、ボンクラ学生ボランティアにあないに丁寧に声かけますやろか?
クリスチャン・スレーターは、さすがに老けましたね。
メキシコ人ウェイター役のフレディ・ロドリゲスは、『ポセイドン』の時と同じ役回りで、また誰かおっさんに、言い寄られるんやないかとハラハラしてました。
女優志望のウェイター、メアリ-・エリザベス・ウィンステッドたんは、萌え要素満点のカワイさでした。

プラハの春は、私の新聞記事が発端となったのよ的な新聞記者役の、スヴェトラーナ・メトキナたんは、とってつけたような眼鏡女史でした。
圧巻は、『陪審員』&『素顔のままで』、『GIジェーン』、『チャーリーズ・エンジェル フル・スロットル』でラジー賞に3回も輝いた(ノミネートはしゅっちゅう)デミ・ムーアと、
『わかれ路』、『氷の微笑2』でラジー賞に2回も輝いた(ノミネートはしよっちゅう)シャロン・ストーンの2大ラジー女優が共演を果たすとこ!


デミ:「よくそんな老けた顔さらして大画面出てるわね!」
シャロ:「あんた、美肌とか豊胸手術ばっかりしてサイボーグやん!」

この時代のこの映画にありそうな、登場人物のその後を伝えるテロップを流してほしかったんですが、24人の名もなき登場人物より、やっぱりこの映画の主人公はボビーなわけでした。


★★★

「善き人のためのソナタ」 ハリウッドリメイクしないでね!

2007年03月02日 | 映画
原題直訳の英語題が「THE LIFE OF THE OTHER」。
めっちゃいい邦題をつけたな~と思いますが、若干ミスリードしてる感じ、します。
善き人への目覚めが、音楽だけではなかったです。
本!
そして、SEX!
このエロに目覚めるシーンが、ヘッドホンで聴く「ソナタ」、こっそり持ち帰って読んだ「ブレヒトの詩集」と同等にちゃんと描かれていたのが嬉しい。
主人公のおっさんは相当な堅物である。
趣味なし。
友だちなし。
食事も興味なし。
仕事は定時にこなす機械みたいな人物で、東ドイツ共産主義が生み出した見本みたいなおっさん。
ついでにヘッドホンが超似合うおっさんでもあります。
盗聴係の相方が、退屈でしんどい盗聴仕事も「エロいの聴けるから、深夜勤務、なんとかがんばれるよな~」と言うても、「フン!興味ないね!!神聖な仕事場で、なに言うとんねん!!」って感じなのに、
盗聴相手に興味をもっていくにしたがって、性の悦びというのも試したくなって、街娼を呼ぶんだけど、もちろん「チェンジ!」なんて言う勇気もなく、夢の時間はあっという間に終わって、「もうちょっと、おってよ~」という言葉も空しく、街娼のおばさんの早業「メ~イク・アップ!完了!!」シーンは、重い雰囲気のこの映画で、唯一笑えるところでした。
その後の彼は、心を寄せる盗聴相手の女優が弱ってる日には、勇気を奮って声をかけて元気づけたりもします。
「シュタージ」の悪口を言う子供に「今回は見逃したる」と言うたのもこの頃やったかな?
なまじ空っぽな人物だけに、純粋に吸収していくんやろね。
こういうとこ、子育てと似てますわ!
ドイツ人と日本人の美徳の価値観って似てるから、このおっさんの心情とか態度とか変わりようとか、ようわかります。
アカデミー外国語映画賞を獲ったことで、ちよっと設定変えてハリウッドリメイクの気運が高まってるかもしれませんが、あんたらアメリカーンにこの繊細な色々とかわかるかな?
単なる感動映画だけになっちゃう気がするよ!

こんな映画感想ばっかり書いてる私が、この時代に東ドイツに生きてたら、しょうもない冗談を上司に聞かれて、封筒開封係をずっとやらされ続けてるんやろな~。


★★★