『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」 200%おもろない映画

2008年05月16日 | 映画
自信満々の時に使う「200%~」という言い回しがあります。
これは、1994年の年の瀬に、プロレスラー安生洋二が、前田日明に対して「僕でも200%勝てますよ」とさんざん挑発しながら試合をしなかったり、あのヒクソン・グレイシーに「200%勝てますよぉ~」と吹きまくったあげく、ボコボコにされたのが言いはじめやと思います。
翻って「200%~」は、チキン野郎が、勝てる見込みがない時に遠吠えする言葉やと思てました。
その後一般的に使われるようになるにつれ、文字通り「100%」を超える言葉になってしもたんですが、私はこれを使うやつは全く信用しません。
つい最近でも、現大阪府知事が出馬を噂されてる時に「200%出ません」なんて言うてましたから。
で、この映画、誰かのコメントかコメント返信に「『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』(以降『ラスプリ』と略します)は、200%おもろないと思いますが、ネタとして見に行きます~」みたいなことを書き込んだ気がするんですが、全くそのとおり、意外と楽しめてもたわ。

ご承知の通り黒澤明『隠し砦の三悪人』は、『スター・ウォーズ』元ネタのひとつと言われてるんですが、この『ラスプリ』は、厚かましくも両方からいただいてました。
まず、『隠し砦~』に従わず、松潤をルーク、阿部ちゃん(髭の三船触りあり)をハン・ソロに置き換えてたんが、良かったですわ。
見てる途中、「200%、“おまじない”と言って長澤まさみが、チューするやろな~」とか、
「200%、ラストシーンは、髭剃って美しくなった松潤が、メダルをもらうやろな~、ほんで宮川大輔が、チューバッカのようにウォ~ンって鳴くんやろな~」とか、
いらん妄想が働きましたが、阿部ちゃんの活躍には「待ってました!ハン・ソロ!!」と本気で思いましたよ~。
C-3PO(藤原釜足)とR2-D2(千秋実)を、宮川大輔ひとりでやらすことから、お笑い方向は目指さない事が見て取れましたが、関所の高嶋兄は、めっちゃおもろかったです。
リアルすぎますが・・・。
あと、イウォーク(山の民)も登場したし、ダースベイダーは甲冑より中身の傷の具合がアナキンでした。
音楽もルークのテーマをちょっとだけパチってました。
『スター・ウォーズ』を200%パチった『宇宙からのメッセージ』を監督した深作欣二の『里見八犬伝』より面白かったな~。
薬師丸ひろ子が、馬に乗った!のが話題やったんですが、長澤まさみの馬乗りは作りもんでがっかり。

昨秋からの一連の黒澤リメイクもんでは、一番エエと思いますが、『ラスプリ』の一番の功労者は、樋口真嗣ではなく、間違いなく脚本の中島かずきでしょう。
舞台脚本、漫画の原作、アニメと、手がけた自分の作品と時代劇をことごとく関らせてきただけあって、極めて現代的な時代劇になってました。

★★★(期待値がマイナス出発であることと、長澤まさみが好きなんと、「スター・ウォーズ」が大好きなんを考慮してくださいよ~。)

「ミスト」 THE THING

2008年05月14日 | 映画
監督デビュー作『ショーシャンクの空に』が激絶賛。
いきなりアカデミー賞7部門にノミネートされ、スティーブン・キング作品の非ホラー、感動物担当監督みたいになったフランク・ダラボン。
続く同系統の『グリーンマイル』も予想通りアカデミー賞にノミネート。
本気でアカデミー賞を狙いに来たと思われる『マジェスティック』が、賞レースで無視。
「やっぱりキング作品でないとあかんわ~」
「脚本も人に任せんと、自分で書かなあかんわ~」
と原点回帰した本作品は、キングのホラー物。
監督デビュー以前はホラーの脚本ばっかり書いてたから、こんなんお手のものって感じのようできた怪獣映画やった。
『クローバーフィールド』よりこっちの方がタイプですわ。

いきなり主人公が、謎の“霧”(フォッグとミストはどうちゃうんやろか?)に襲われることで、ジョン・カーペンターを思い出すんやが、ダラボン自身カーペンターの『ヴァンパイア 最期の聖戦』に出演させてもらった人やから、カーペンター好きは間違いないやろ。
劇中「ブギーマン」というセリフがあったり、『ゴーストハンターズ』みたいな顔面膨張シーンがあったけど、冒頭で主人公のアトリエに置いてあったポスター『遊星からの物体X』みたいなシーンが、ふんだんにあったんが超うれしい!
この映画で、弱視のキングをモチーフとしてるスーパ-のおっちゃん役の次に目立ってた、ダラボン作品の常連ウィリアム・サドラー(突如「ハレルヤ!」派になるとこは、この映画唯一の爆笑シーン)なんかカーペンター作品に出てそうな顔やった。
そういえば、「アローヘッド計画」の概要もなんとなく『フィラデルフィア・エクスペリメント』みたい。

あと、『ゾンビ』や『ポセイドン・アドベンチャー』を所々彷彿させ、とどめのラストは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』やってんけど、軍が運ぶトラックの中に、篭城の前半で子供を助けに行ったお母さんを見つけられなかったのが残念です。
音楽がほとんど入らないと、臨場感も高まってええです。


★★★1/2