『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」 あぁケイト様っ!(キャプショーじゃないよ)

2008年06月27日 | 映画
ネタ不足による一連の80年代復活映画では、一番いいんやないやろか。
元々が30年代のクリフハンガー連続活劇のヒーローを80年代に復活させたという甦ったヒーローやし、新作については2008年現在にやってきたというわけでもないから、違和感なく見れたんやろなぁ~。
それとスピルバーグの演出が相変わらずなんも安心して見れたわ~。
でも最初は『インディ・ジョーンズ inアメリカン・グラフィティ』で、どないなるか心配やったわ~。
おまけに『トゥルーライズ』、『チェーン・リアクション』などハリウッドの放射能に対するバカ見解を、大スピルバーグ映画でも見せられることで、ますます不安になったけど、中盤からはしっかり『インディ・ジョーンズ』らしさを取り戻し、最後には驚愕の展開を向かえてしまうんやけど許せます。
コレ、他の人がやると、「アホちゃう?」「子供だましが!」と非難轟々になるところやけど、スピルバーグ映画を見てきた人は、すんなり許してしまうんちゃうかなぁ~。
「スピ先生、いまだに「ムー」とか「トワイライトゾーン」読んでんの!?」と老齢期を迎えて今もなおピーターパン・シンドローム中の彼に感動さえしそうですわ。

正直、大人になってしまった私には中高生時に見た強烈なワクワク感の再現とまではいかんかったけど、ケイト・ブランシェットの女隊長だけは、大いに興奮したな~!
特に軍隊アリが襲ってきて、木にしがみつき難を逃れるも、一匹だけ這い上がってくるところは、私の脳内では、制服の上から乳首当たりを噛まれて思わず感じてしまうケイト様という絵になってました。
両手の自由が効かず、ムズムズに耐えるという姿が、トラウマになった人が多い「ルパン三世」第1話の峰不二子のコチョコチョ棒拷問シーンを即座に思い出してしまいどうもいかんです。
ムチを振るう姿も似合いそうなんで、あちらの世界からお帰りの暁には、インディと対決していただきたいもんです。
あとカレン・アレンが、昔のまんまカワイイ姿やったんにびっくりしたけど、相変わらず布施明似なんも一緒やってちょっとオモロやった。

まぁ、結局の所、原題「インディ・ジョーンズTM クリスタル・スカルの王国TM」と、二つのTMが示すとおり、テーマパークのアトラクション リニューアルに向けての映画やということなんでしょうかねぇ~。


★★★

今日の金言 黒沢清

2008年06月25日 | 今日の金言
「野口英世のような偉人のみなさんは、だいたい幼い頃に大変不幸な目に遭っています。
しかし、僕は残念ながらあまり不幸な目に遭っていません。
したがって、僕はたぶん偉人にはなれないでしょう」
黒沢清 (「黒沢清の映画術」より)

小学校一年生の時に書いた作文やって!
ウチの娘も、今一年生で随所に天才の片鱗を伺わせてくれるんですが、所詮親バカ目線であることが、ようわかりました。

「ザ・マジック・アワー」 十三谷

2008年06月24日 | 映画
『アフタースクール』の後に、この映画見たから、ものすご~くアホが目立った。
西田敏行のボスはじめ登場人物、アホばっかり!
この三谷作の架空のファンタジー世界=守加護(スカゴ)では、これが当たり前なんか?
USJか、ディズニーランド(隣の商業施設イクスピアリでは本当のマジック・アワーが常時見れる!)の町並みそっくりの、この守加護という町の人たち(キャスト)は、ゲスト(お客さん=観客)を楽しませるために、エエ人ばっかりなんやろ。
このアホさがこの町のリアルであることを認識せんと楽しめんわ。
ボスが牛耳ってる町のホテルの窓を開けっ放して、ボスの情婦とイチャついてるって、アホやん!
最初っからつまずいてしまったから、もうあかん。
基本設定は監督自身大好きな『サボテンブラザーズ』からのいただきで、すでにTVドラマ「合い言葉は勇気」でやってたネタやけど、あちらの売れない役者:役所広司は「偽者として弁護士のフリをしてくれ」と知った上で連れてこられたのに対し、こちらの売れない役者:佐藤浩市は、本当の目的を知らず俳優として連れてこられてる。
ここで生まれる噛み合わないセリフの応酬が本来面白く感じられないといけないんやけど、もう白々しく見えてしゃーなかった。
でも、劇場内は大爆笑!
このへん、舞台感覚なんやね。
空気読めてない人は、完全に蚊帳の外。
なんか「爆笑レッド・カーペット」で、「おい、おい、こんなネタに“満点お笑い”したったら、芸人のタメにならへんで~」と思いつつ三谷監督に一言。
最初はビリー・ワイルダーを目指して映画の世界に踏み入れたはずなのに、ヒットメーカーとして期待されてしまい、この作品ではパロディがあからさまでメル・ブルックスの映画みたいになってる。
本来の三谷ラインからどんどんはずれていってる様は、邦画不遇の時代に東宝の屋台骨を支えさせられた伊丹十三みたいになってる気がするぞ~。
もう二個も当てたんやから、これからは本当に好きな映画を撮ってくださいよ。
才能ある人やと、まだ思ってますんで。


★1/2
市川崑監督オマージュのエンディングのキャスト紹介映像、ふだん市川崑監督に傾倒してないのに取ってつけたようにやるもんだから、三谷映像にゴシック明朝って、全く似合ってなかったわ!

「アフタースクール」 内田けんじ初体験

2008年06月20日 | 映画
今までいろいろ映画を見てきたけど「なんやこれ~!」と、わくわくしたんは、久しぶり。
未体験映画に出会ったような感覚やったわ!
犯人探しの推理映画とか、『スティング』みたいな映画で騙されるっていうのはある種当たり前。
そいうのを期待して見てるんやけど、この映画はそれらとは全く違う感じで、騙しよるもん。
この情報過多の時代、映画で純粋に騙されることって難しいんよね~。
最初見とって、騙される感じなんか全くせんもんな~。
しかも最初のシーンが、私が最も嫌いな人種である“妊娠中に浮気をする夫”という設定っていうのも、うまいことハマったわ。
堺雅人の薄ら笑いにムカムカしとっってん。
この映画、対観客というのを相当意識してるね~。
それも映画好きの観客を。
見てる人を騙くらかしたろう(喜ばしたろう)と、何回も何回も脚本を手直しして、ものすごく丁寧に作られた感じがしましたな~。

ノリがなんとなく「ルパン三世」の第一シリーズを思い出したわ~。
ファミレスのとこの、あれもこれも○○のとこが「どっちが勝つか三代目!」みたいやった。

中学教師:大泉洋が、佐々木蔵人に言う「お前みたいなヤツ、クラスに一人絶対いるんだよ。お前がつまんないのはお前のせいだ」ってセリフ、カタルシスあふれるええセリフやけど、秋葉原事件の犯人にも若干通じるものがあったわ。
子供が思春期になったら言ってやりたいなぁ~と思うけど、確実に反感買うやろなぁ~。

朝ドラ『瞳』に出てくる少年:吉武怜朗が、堺雅人の中学生時代に似とったとは驚き!
阪神の今岡に似てるとは思とったけどなぁ~・・・。


★★★

今日の金言 増田英彦(ますだおかだ) 

2008年06月17日 | 今日の金言
「家に帰ったら、好きなタイプの女が3人、おるんですよ~。
そんなん新地でもないでしょ」
増田英彦(ますだおかだ) 6月8日 ABCラジオ「誠のサイキック青年団」より

よくわかります!
4歳娘、6ヶ月娘、2女のパパである増田英彦の発言ですが、既にティーンエイジャーに育った娘を持つ北野誠に「女の子がパパ言うてるのは、今だけや~」と言い返されてました。
思春期娘との関りは覚悟して、やっぱり「パパ!パパ!!」言うてくれる今を楽しもうとスゴク思いました~。

「山桜」 「はつ恋」の桜

2008年06月16日 | 映画
毎年のように作られる藤沢周平原作物の非山田洋次監督物ということは、庄内弁が聞けないのか・・・。
監督は篠原哲雄にチェンジ。
この監督は、『がんばっていきまっしょい』で鮮烈デビューを飾ったものの、まだ方向性の決まってない田中麗奈が、アイドル“映画女優”として苦難な道を歩むことになったきっかけの『はつ恋』の監督やが、今回も田中麗奈のアップが多くて、小池栄子は「スマスマ」でキムタクに「キン肉マンに似てるよね~」と言われたけど、田中麗奈はウルトラの母に似てるな~と思ったり、ヅラ姿似合わないけど基本的に田中麗奈が好きやからだんだんカワイク見えたり、「その目をやめろ~~」と狼狽するおっさんに「あぁ、あの目付きしてるんやろな~!」と思ったりと、まぁほとんど田中麗奈、出ずっぱりですわ!
姑1号:永島瑛子一家に、いびられたおしで、高倉健のやくざ映画みたいに、耐えて耐えて爆発する映画かな~と思ったんやけど、そんなわけない。
でも姑2号が、なんと富司純子やって、藤純子ではない姿には、隔世の感がありますが、今どきの復讐はこんな形が理想かなとも思いました。
ここのシーンは、結婚する前は必ず相手の両親もよく見とけってことでもありますわ。
習慣の違いとか、日常の何気ないことって、結婚生活が順調なら面白話ですませられるんやけどね・・・。

ヒガシのヅラは、非常に似合っとったんで、もっと出したってもよかったね。
あまりにも善人すぎるところが、鼻につくけど、弟とかから語られる人となりは、結構面白人物っぽい。
下手したらストーカーまがいのことをするほど好きやった田中麗奈に、桜の樹のとこで出会う千載一遇の大チャンス!
今やったら、「メールアドレス教えてくれへん?」と言うところを、
「葉折ってしんぜよう」と助太刀して、ほんの少し立ち話するだけで終わってしまうストイックなヒガシのそんな一面をもうちょっと紹介して欲しかったなぁ~。
この助太刀シーンは、常盤貴子が『愛していると言ってくれ』で林檎の木の実を取ろうとピョンピョンしてるところをトヨエツが取ってあげる、まぁ現実社会ではほとんど見ることのない(公園で小さな子供の助太刀はよくしてあげたり、してるとこを見たりしますけど)たいへん乙女チックなシーンですが、大好きです。

わりと好きな感じの映画で終わりそうなところ、それを台無しにしてくれたのが、一青窈。
エンディングクレジットで流れるだけならまだしも、ええとこでがなりたてよるから、たまったもんじゃない。
お前の大声ソングでラストの余韻がパ~じゃ!!


★★1/2

今日の金言 手塚眞(6月14日朝日新聞)

2008年06月15日 | 今日の金言
ちょっと思いつきで新しく「今日の金言」という記事を書いていこうと思います。
映画のええセリフとかはブログで書き残してるけど、TVドラマのセリフとか、ラジオで聞いたええ話とか、本とか新聞の一文なんか、「あの人、なんかええこと言うとったのに、なんて言うとったっけ?」と忘れる事が多いからメモ代わりに書き残しとこと思いました。


「かつての漫画家は映画にあこがれたが、今年の受賞作を読み、すでに映画ではまねできない幅と深みを持つ表現が生まれていると思った」
手塚眞 第12回手塚治虫文化賞贈呈式にて発言(6月14日朝日新聞より)

まぁこんな風に単なる書き残しで、映画の記事に転載することがあるかもしれませんが、その時は読んでなかった事にして、「また同じこと書いてはるわ」なんて思わないでスルーしてください。

「山のあなた 徳市の恋」 マイコHaaaan!!!

2008年06月12日 | 映画
心の入浴料=1000円って、世界の大温泉スパワールドの1000円キャンペーン(最近やってくれないな~)みたいで、ありがたいなぁ~。
ほんま、映画の鑑賞料金って1000円が適正価格やと思うわ。
この試みがうまいこといって、他の映画でもどんどんやってくれるようになるといいなぁ~と思ったけど、興行成績よろしくありませんなぁ・・・。

監督自身が偏愛してやまない、世間的にも埋もれた名作扱いの『按摩と女』という映画を、リメイクじゃなくてリ・イマジネーションでもオマージュでも、ましてリ・ボーンでもなくカヴァーしたこの映画は、極めてミニシアター向けの映画やけど、東宝とジャニーズと亀山千広&大多亮のフジテレビコンビが、無理に大きいとこにかけた感じ。
そのカヴァー具合やけど、昔の名曲を、へたくそアイドルに唄わすでもなく、ラップ調にアレンジしたでもなく、実力派シンガーが昔の曲の良さを伝えるべくオーソドックスに唄いあげたって感じで、監督自身も「70年前の作品を高音質・高画質で観たいという自身の好奇心から作った」と言うてます。
発想は、ガス・ヴァン・サントの『サイコ』と同じやけど、確かにオリジナル版を見たくなりましたわ~。

ところで、マイコ(この人のブログタイトル、「マイコha-n!」)が、よろしおすな。
モデルをやってる時の顔より、断然この映画の彼女の方がよろしいわ~。
草なぎ按摩を呼びつけたくせに、外に出ていたずらっぽく目隠し鬼ごっこみたいなことをするシーンのカワイさったらないどすえ。
「見えない目で あなたを見つめていた」と草なぎ按摩は言うとったけど、
私は「見てるだけの画面で、あなたの匂いを嗅いでました」というくらいエエ匂いがしてそやった。
ひとつ不満なのは、温泉映画のくせにマイコの入浴シーンがないではないか!!
これは、オリジナルがどうかはしりませんが(戦前の映画なんでたぶんないでしょうよ。。。)、仮にオリジナルにはなくても監督の「ここだけは変更したい!」と鶴の一声でどうとでもなったやろうに・・・。
風呂上りの首筋の寄りだけ見せて、入浴シーンは見せない=按摩と同じく想像してくださいって意味やないやろけど、おっさん按摩衆のケツとか裸はいらんねん!!
あと女学生軍団のメンバーが、伴杏里(重信房子)、尾野真千子(河瀬直美の秘蔵っ子)、野村佑香(子役)、末永遥(ボウケンピンク)、金田美香と、意外と豪華。
君らの入浴シーンでもよかったのに・・・。


★★1/2

「僕の彼女はサイボーグ」 郭在容の日本観

2008年06月09日 | 映画
しまった!
メモ帳持ってきたらよかった~!!
って思うくらいツッコミどころ満載でした~。
外国人の監督が日本を撮ると、妙な雰囲気の日本になって面白いけど、小ネタまで扱うと
大変な事になると言うことがよくわかりました。

以下、ヘンテコシーンのツッコミと、郭在容(クァク・ジェヨン)監督の言うてそうな言い訳を思い出し~。

●モテネ系のオタク大学生が、自分の誕生日にあんなお洒落レストランでパスタ食わん!
行くなら吉野家の牛丼やろ!
→郭在容「おばあちゃんが誕生日に麺を食べると幸せになれるって言ってるでしょ!」
→それなら、立ち食いそば行け!それとおばあちゃんじゃなくて、おかあさんね!!
●デートで屋台のリンゴ丸かじりするかなぁ~?
→郭在容「韓国では、仲違いした人にリンゴを贈って謝る“りんごの日”ってのがあるのですが・・・」
→10月24日でしょ。映画の設定は11月22日やんか~。
●食べかけのリンゴとか空き缶とか、ぽいぽい投げ捨てしすぎ~!
→郭在容「空き缶をゴミ箱に投げ捨てるシーンをTVや映画で見たので、日本人はよくゴミを投げ捨てるんだと思ってました~」
→『少林サッカー』をやりたかったんやろ?
●朝から鍋は食べません!スントゥブじゃないんだから~。
→郭在容「主人公のペット“ラウル”を食べてしまうという一流のギャグシーンです。黙って見ててください」
→笑えない・・・。
●チョークを投げる大学教授っておる?
→郭在容「私が読んだ日本の漫画ではこんなシーンがよくでてきました」
→漫画と現実を混同しないように!
●品川ナンバーのバスがあんなド田舎走らないって!
→郭在容「あれはサイボーグの特殊能力で、いつものバスを乗ってたら、過去に遡って“僕”の田舎に行ったってことなんですが」
→わかりにく!
●病室のTVを看護婦がつけるか?病室のTVって有料じゃなかった??
→郭在容「あれは、後のシーンの伏線だから黙って見ろって!」
→ヘタクソ!
●2007年に大学生の“僕”が大事にしてた宝箱の中身がメンコって・・・せめてキン消しか、ビックリマンシールにしてよ~。
→郭在容「日本のノスタルジーおもちゃってメンコじゃないの?」
→『ALWAYS 三丁目の夕日』見て、日本の昔は~なんて思わないでくれ!!
●日本の警察はイチかバチかの狙撃はしません!
→郭在容「私が見たTVや漫画では・・・(以下略)」
→『デイジー』と間違ってない?
●モテネ大学生だからって、スカートの中を見るのにあんなに必死な大学生はおらん!
→郭在容「私は十分興奮します!」
→ボディスーツが、でしょ!」
●クラブの雰囲気はあれでいいのか?
→郭在容「サイボーグだからロボットダンスって、一流のギャグです!」
→古い!
●2008年誕生日以降の“僕”の身の回りに起こった出来事すごすぎー。
①銃乱射事件の現場に遭遇
②交通事故目撃
③近所の子供サッカーで火事
④近所の学校で人質篭城事件
⑤大地震に被災
→郭在容「私の映画ではこんなん当たり前なんですけど」
→その通りでした。

時を操る延長戦ネタは相変わらず冴えてるし、アイドルをアイドル映画としてカワイク撮れるのは大林宣彦級であるのは間違いなく、まぁ郭在容らしい映画なんやけど、それやからこそリサーチをちゃんとして、ツッコまれないように丁寧に作って欲しかったなぁ~。

小出が履いてるスニーカーが、私が履いてるオニヅカタイガーと全く同色なんと、未来の同級生吉高由里子(なぜか「チョギ!」と韓国語を喋ってた!)と、エルヴィス=サイボーグ説はお気に入りです。
監督より偉そうなエンドクレジットの統括:宮下昌幸は謎?


★★1/2

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」 懐かしの特撮マン

2008年06月06日 | 映画
当時のアフガン情勢に目をつけてたの俺!
って後出しじゃんけんの映画ちゃうん?
と思ったけど、“9・11”の元凶かも知れんわ俺(トホホ)って映画でしたが、
実はあの『スター・ウォーズ』のデス・スターのドッグファイトを手がけたリチャード・エドランドによる特撮シーンが一番の見所やった映画でした~。
生粋の特撮マンである彼は、CG全盛時代となり居場所がなくなったんか、ずいぶんと名前を見かけまなんだが、CG一辺倒の特撮が飽きられつつある今、お呼びがかかるとエエ仕事しますな~。
ソ連のヘリコプターが、雑談しもってアフガン市民を撃ちまくるシーンは『ランボー 最後の戦場』以上の残虐さでしたわ。
彼の出番やないと思うけど、難民キャンプを訪れたトム・ハンクスの居る場所がだんだん俯瞰になっていき、もんのすんごい難民の数が明らかになるシーンも、すごい迫力で、トム・ハンクスならずとも「なんとかしなあかんわ~」と思いましたわ。

ガスト・アブラコトスというスゴイ名前の役で、アカデミー賞の新参受賞者メンバー、フィリップ・シーモア・ホフマンが、他のアカデミー賞受賞者に一歩も引かず一際異彩を放っとった。
彼が裏で暗躍する社会派サスペンスの映画の方が、たぶんおもろなっとったやろな~。
彼の大物オーラを見るにつけ『ハピネス』みたいな脂汗をかきながらせんずりこいてるデブの役なんか、やってくれないんやろなぁ~と思うとちょっと寂しい。


★★1/2

「ランボー 最後の戦場」 ちょっとだけFirst BloodⅣ

2008年06月04日 | 映画
残虐シーンをリアルに描く事で見事な反戦映画に仕立て上げたのは『プライベート・ライアン』やったけど、“9・11”以降明確な悪者を描きにくい今の世の中、やっぱりランボーが登場しても昔見たような爽快感は全く得られませんでしたわ。
ジョージ・クルーニーがダルフール問題の提起で評価を高めたように、スタ公もミャンマーで行われてる事を訴えて、ただの筋肉バカやないことをアピールしたかったんやろけど、あんな残虐シーンは、単にランボーが滅茶苦茶やってもいいための残虐行為にしか見えんかったわ。

この作品の残虐度が高まったのが、メル・ギブの『アポカリプト』の影響らしいけど、あちらが昔の未開の土人やから何やってもOKと思わせるのにに対し、こちらは“9・11”以降の現在やし、『ビルマの竪琴』で日本ではおなじみの国。
そんで、ジャーナリスト長井健司さんが、無残に射殺されたかの地でもあるから、アメリカ人よりは、よう知ってる国や。
そんな社会背景なんか、関係なしに単純に虐殺アクションエンタティメントとして楽しんでくれや、言われても無理な話やわ。

ところで1作目『ランボー(原題First Blood)』は、『ET』が公開された同じ年の正月映画(確か唯一のアクション映画やったと思う)として結構ヒット(日本のみ)したんやけど、無実の罪で警察に捕まったランボーが素手でありながら、ひたすら逃げる追っかけアクションが、こんなに面白いと再認識させてくれた映画やった。
今思えば『アポカリプト』に、よう似てるやん!
その後、続編が作られるにつれFirst Bloodというタイトルは、ランボーというタイトルシリーズとなりFirst Bloodイズムは失われていったんやけど、「IT'S a long road」に終止符を打ったラストシーン、故郷の長い道を歩くランボーは、ちょっとだけ感傷に浸れます。
結構大きな農場の息子やってんね!!
あんたも60なんやけど、親父は無事生きとったか~?


★★1/2