『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「LOFT ロフト」 笑ホラー

2006年09月22日 | 映画
和ホラーのパイオニア黒沢清監督がホラーに回帰した作品ときたら、もう最初っから画面を凝視して幽霊探しに夢中。
どっかに何か映ってるはずやとか、このカメラワーク怪しいとか、この構図の意味はとか、そんな調子で見てる私はアホウでした。
そんなことせんでも、お化け屋敷のBGMみたいな「ヒュ~ドロドロドロ…」という音楽が知らしてくれるし、中谷美紀が見てる私たちより先に「キャッ!」とリアクションとってくれるし、なにより霊能力者どもから「アレは本物に近い」とお墨付きをいただいた「降霊」同様の幽霊(安達祐実。西島、晴彦と黒沢ファミリーが相次いで登場してきてたからこの人、永作博美と思ってた)の見せ方をしてるもんだから、最初はコワーでも、慣れてるくるとオモロくなってきた。
次はどこにでるんかい?と。
でも、映画の雰囲気がフランス映画っぽくて、ヒッチコック映画の仰々しいロマンスシーンも、ついでにヒッチコックの撮るようなドライブシーンもあって賢そうなふりしてたから、ず~っと笑っていいんかなと思ったけど、それはトヨエツが「動けるなら、最初から動け!」と怒られるミイラで大爆笑にいたりました。
その前に、泥だらけの安達幽霊がトヨエツにせまってきても、無視するようにすっとかわすシーンがあって、この流れが面白かったんだけどね。
その後の安達死体を掘り起こすシーンも、トヨエツったら考古学者だから、丁寧にそりゃ丁寧に掘り起こしてやんの!
ラストの「太陽がいっぱい」みたいなシーンも、トヨエツの「ウワ~~~」という声がちゃんちゃってオチに。
みんな、笑えよ~!(横山たかし)
わからん人ほっときますよ。義務教育やないねんからね(大空テント)。

中谷美紀は、今年主演女優賞を総なめにすることは間違いないと思うんだけど、この作品で受賞してほしいな~。


★★★




「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」 ウルトラたちの老後

2006年09月19日 | 映画
今年は、仮面ライダー生誕35周年、スーパー戦隊シリーズ30作記念、そしてウルトラマン誕生40周年とメモリアルイヤー。
ガンダムは27年、エヴァンゲリオンは10周年だから、まだまだヒヨッコやね~。

映画の冒頭、ウルトラマン、セブン、新マン(帰りマン、ましてやジャックなどとは断じて言わん!)、エースの4兄弟が、とてつもなく強い怪獣と戦ってる!
倒せないほど強いんで、変身能力を失う変わりに封印するという相談をしてるんだけど、なんと喋ったぞ!
しかもその声、老人!!
この声を聞いたとたん、懸命に戦ってるように見えたウルトラ兄弟の姿は、老体に鞭打ちながら、息も絶え絶えに戦ってる姿に変わって見えた。
老いたウルトラマン。
おもろいやん。
そして封印に成功した、彼らは大好きな地球=神戸で生活を送るのだった。
明石海峡大橋を望むレストランで、レース場(どこの?)で、六甲山の牧場で、神戸空港で、あのウルトラマンになっていたあの人たちが、遊びに行ったことのある場所で働いている。
うれしいやん。
レストランで働くエースなんか、子供が不注意でテーブルから落としたグラスを間一髪のところで、割らずにキャッチ!
ウルトラの力をこんなことに使うなんて!と思ったが、それは違ってた。
こういうことがウルトラ兄弟たちが思い描いてた老後の楽しみ。
ウルトラの力を持ってても、普通の人間たちと同んなじ様に楽しみたいんだね~。
地球人と触れ合ううちに、より地球人に憧れを持つウルトラマン。
結論は「普通が一番!」
そうやんね!

と、昔のウルトラ俳優たちが出てくるとこはすこぶる面白い。
年寄りどうしで「兄さん」とか呼び合ってんだもん。
そんなシーンばっかりだと嬉しいんですが、以外に少ない。
そりゃそうや。
「ウルトラマンメビウス」の映画やからね。
トーク番組で「○○したらVサインして」と無理矢理約束されるスポーツ選手のようなことを安易に提案するウルトラマンメビウス。
ちゃうねん、ここは、ベーブ・ルースの美談みたいなもんやねん!
って言われてもウルトラマンメビウスどうにも好きになれません。
前回の「ウルトラマン マックス」とは違って一向に面白くならない(太田愛脚本の回除く)。
なにしろメビウスに変身するヒビノミライが、平成ライダーシリーズの美少年風で、隊員たちも、好ましく思えない面々で、いつまでたってもこいつらを応援する気になれんです。
まぁ隊員に関しては、映画版はほとんどでてこないのでありがたい(「アミーゴ!」「グラシアス」しか言わんかったイカルガ・ジョージ除く)んだけど、話の中心はヒビノミライと須磨水族園で働くいとうあいこと心を閉ざしたその甥っ子(ガキ)。
ウルトラマンたちが戦うシーンは、起用法にこだわりのある懐かし怪獣も登場するとあって、相当多く感じる。
こだわりは、ゲスト出演者たちにもあって、
モザイクで「がんばれー!」と声援を送る氷川きよし(ヒビノミライ似)や、
須磨水族園で働く風見しんごや、
ポートライナーに乗って神戸空港に向う布川敏和と山田まりやらが、
神戸まで来てくれたのかと思うと、ちょっとうれしい。
おなじみお笑い芸人の特別出演は、松竹製作なだけに松竹芸人アメリカザリガニ。
といっても、彼らを芸人として扱ったのではなく、面白いシーンの一部として起用しておりシーンに溶け込んでて、しっかりウケてました。
こういう使い方が好例ですわ。

あと特筆すべきことがひとつ。
初代ウルトラマンのマスクが、お顔の肌の質感を当時のままのエイジング処理を施して作られたと思われ、特別編と称してはいらんCG修正をするどこぞのアホウにも見せてやりたいほどのこだわりの入れようやった。
ただそのスーツアクションと、板野一郎による目の回る板野サーカスCGアクションとの差異の大きさは気になる。
これは今後の課題やね。
エンディングに、たぶん舞子ヴィラで催されたウルトラマン勢ぞろいのパーティーの模様が映りますが、ここ泣けますね~。

通常は3歳以上有料なのに、この映画に関しては2歳以上は有料という特別処置のおかげか、しょせん子供向けの作りになっているって所が随所に見られたが、そんなん無用!
大人が面白いもんは、子供でも面白いんや!
で、ムスメの感想「ウルトラマンになる人が、おじいさんで面白かった」ってさ。
ほらー、こっちの方が面白いんだって!
いとうあいこと子役とのエピソードぜんぶなしで作り直してくれー!


★★1/2

「時をかける少女」 なにしろ恋してたもんで

2006年09月17日 | 映画
すごい評判が良いので見てきました。
原田知世の「時をかける少女」にどっぷりはまっていた私が、純粋に楽しめるかどうか不安でしたが、予想どうり原田知世の影ばっかり追い求めてしまった。

主人公の娘って、やっぱりショート髪でないと。
坂道、あるね~。
真琴の家、和洋折衷やんか!原作もそうなんか?。
芳山和子って、あの人やんな~。あんた理系じゃなかったの?
「土曜日の~、じっけんしつ~」とか言わんやろか。
「♪桃栗3年、柿8年」の唄とか。
そんなことばっかり頭のどっかにひっかかって・・・。

でも、この映画の真琴の高校生像は、ムスメにはこんな感じになってもらいたいなって感じでよろしいです。
野球好きの娘って、いいね!
真琴の通う高校も、公立の学校に不安を感じている私には、こういう感じならいいかもって思える。
でも男友達とばっかつるむっていうのは、親としてどうよ。
あと、声を当ててる方々、よかったです。
韓国映画界に、ことごとく負けてるな~と感じてならない今日この頃でしたが、原恵一(来年いよいよ「河童~」)と、今敏(「パプリカ」楽しみ!)と、細田守がおるから、まだまだ安心できるなと思いました。
アニメ界ですけど。

まぁ、あらためて原田知世のことがよっぽど好きやってんな~ということも、よ~わかりました。
今夜、「時をかける少女」をTVでやってくれるんで(この後も「探偵物語」「ねらわれた学園」「セーラー服と機関銃」と角川アイドル祭り!)、じっくり見ます。
自分のトラウマ的なショートカット好きは、やっぱ、この時からやろな~。


★★★

「スーパーマン リターンズ」 フォンテ~~ヌ

2006年09月10日 | 映画
当時、ジョン・ウイリアムスの「スーパーマン」のテーマ曲は、「STAR WARS」のパッチもんというのが私の評価でした。
だって「探偵ナイトスクープ」で「蛍の光」を唄った後「仰げば尊し」を唄う事ができないと検証されたように、「スーパーマン」の曲聞いた後は、「STAR WARS」の曲、出てこないだも~ん。
なのになぜか、あの曲と80年代風のタイトルロゴがヒュ~ンとでてくるオープニングにはぞぞっときました。
やっぱり名曲やってんね。

地球の遥か上空、神の視点から地球を見るスーパーマン。
目をつぶって耳を傾けると、自分を必要とする声は、アメリカ合衆国 U・S・A だけではないのだ!
ということに気づくシーンの直後に、ヨーロッパ、南米、アジア、世界中で人助けをしてるわけなんだが、悪人と対峙して説教たれたりしてたら時間かかっちゃうだよね~。
いくら弾丸よりも速く飛べるスピードで飛べるとしても、どうやってんだろう?
説教してる間にも、アラブのどこかでは・・・。
こういうことは、考えないで純粋に見るべきなんだけど、全世界同時に人助けするには、どうしたらいいか?・・・で、導き出した結論は、“世界各地の女にオレの子を産んでもらう”というものだろうか。
「僕はいつもそばで見てるよ」(なんせ心に響かなかったもので正確に覚えていない)という父から子へ、そしてまた父から子へと受け継がれてきたラストのセリフは、親バカで売ってる私なんか感動に身もだえしてるはずのシーンなのに、こんなゲスな解釈(この能力をしょーむないことに使わんと、ちゃんと人助けせ~よ。嘘ついても、父ちゃん分かるねんで~)をしてしまいました。
「我輩は主婦である」で、我輩(斉藤由貴)が、ネグレクトの義妹(猫背椿)に説教するシーンは心に響いたんだけどね~。
やっぱ超人に一般的な人生訓を語られてもあきまへんわ。

それにしても義理の父は、義理の子であるにもかかわらず、我が子同然に可愛がってるふしがあって、むしろクラーク・ケントよりもいい親父ですわ。
この親父がなんか語ってたら、きっと泣いてたね!


★★1/2(見方誤る)

「グエムル 漢江の怪物」 韓国の黒沢さん

2006年09月07日 | 映画
「殺人の追憶」で韓国の黒沢明と異名をとったポン・ジュノ監督の新作が怪獣映画だと!
そんで「カンヌでの評判が上々でうんぬん」っていう評判は話し半分で聞いてたけど、ここまでとは!
「怪獣映画といえば・・・」としか思えない硬直した頭の私は、ソン・ガンホ同様麻酔ナシで頭に穴を開けられた気分です。
いや、もう怪獣映画というよりスピルバーグの「JAWS」同様のエンタメ大作やんか!
「シュリ」が日本における韓国映画の転換点と言われてますが、その時より衝撃的でしたよ、私には。

冒頭、米軍基地の霊安室のシーンから、なんかもう他の映画とは違う匂いがプンプンしてましたが、怪物が露になって大暴れしだすと楽しくってしかたないわ~。
多用されるスピード感あふれる横移動が気持ちいいし、「スパイダーマン」ばりの怪物の動きや、突飛な出没の仕方、音楽で驚かすというより存在で驚かす怪物は、ともすれば足の生えた魚になりかねないのによくぞ作り上げ、動かした!
SFXの大家はILMからWETAへ移った気さえする。
デモ運動ばっかりしてたから火炎瓶とか、詰めの甘い血筋なので銅メダル級止まりのアーチェリーといった自分の半生に即した武器も楽しい。

あと、お笑い。
私的にはこのお笑いのシーンがことごとく家族愛に繋がってるとこもキュンキュンきました。
「屁の音」だけで子供の体調がわかる(私はまだうん○見てわかるレベルやわ!)とか、
大親父の見せ場ラスト一発で仕留めまっせって時なのに、誰かさんが弾数の計算間違いしてるわで、でもそれは大親父自身がタンパク不足にさせてしまったからと思ってしまってたわけで、
その最たるシーンは、疲れ果てた家族たちが屋台でカップラーメンの晩餐中に共通の幻を見るシーン。
「クムジャさん」でも似たようなシーンがありましたが、黒沢清を感じさせるシーンでもありました。
そして、娘であり孫であり姪であるこの少女がいかに愛されていたかわかる最高のシーンなのですが、子供を失うものの気持ちというのは一生味わいたくないものです。

傑作怪獣マンガ「The World is mine」を深作健太が興味持っているみたいですが、韓国映画界に権利譲っちゃってくださいよ~!
ちなみにソン・ガンホのダメっぷりのモデルは「最強伝説 黒沢」です。
嘘です。



★★★1/2

「ラフ」 長澤まさみでお腹いっぱい

2006年09月01日 | 映画
「ホーホー」と「ヘーヘー」って、昭和のいる・こいるか!
レオタード姿がない南ちゃんなんて「タッチ」じゃなくて「ざ・たっち」じゃ!と、悪態をつくほど嫌いではない長澤まさみの「タッチ」。
水泳選手だということで、水着姿は避けられない長澤まさみ、さぁ~どうすると思ったら満載でしたね。
なかなか根性あります。
ストーリーに必然性があれば・・・。
これから先も期待せずにはおれません。
上野樹里や、トム・クルーズのように、素行や奇行を暴露されないでおくれよ。
萎えるから。

製作の本間英行は、「クロスファイア」でもプロデューサーを務めており、初製作を務めた「阿修羅のごとく」を含め自分の製作作品全部(「セカチュー」「タッチ」「ラフ」)に長澤まさみを起用していることから、相当な長澤まさ好きであることがうかがえます。
まるで、原田知世を見出した角川春樹との関係にも似たこのコンビはまだまだ続きそうで、そんな製作者の意図を汲んだこの「ラフ」も真っ当なアイドル映画でした。
~アップが多い。
決めカットがある。
衣替えが多い。
映画内では、なにをしてもカワイイク見える。~

チラシに書かれた「あだち充作品の中でもファンの間で最高傑作と呼ばれ」という、嘘丸出しの一文に怒ることなく、
あだち充作品「H2」のライバル女でもパッとしなかった市川由衣が、再度パッとしなかったことや、
「蝉しぐれ」の石田卓也が、PRIDEの五味隆典に似てることや、
阿部力は、仮面ライダーか戦隊モノに出そうだなとか、
スキマスイッチの曲が、こと関西に限っては高校野球を想起させてしまい困るとか、
前半コメディっぽく進行してたのに、後半マジ話になって、面白いのは八嶋智人だけだったとか、
そんなもろもろは、ぜ~んぶ長澤まさみのビーチボールシーンを思い出すだけですっかり忘れてしまうが、
これだけは許せん!
コマ付き自転車のくせに、あんな空いた道をこともあろうか車道に乗り出して一人で乗ってる米良美一似のガキの親の躾には、怒り心頭です。

女性から見てこの映画が速水もこみちのアイドル映画になってるかどうか、おすぎとピーコではないので、わかりません。


★★★(甘い!)