『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ディスタービア」 ヒッチコックは永遠に不滅です

2007年11月26日 | 映画
『パーフェクト・ストレンジャー』を抑えての全米興収ランキング初登場1位から、3週連続1位、10週連続トップ10入りのこの映画、特に人気スターが出てるわけでなく、有名監督の映画でもなく、大金をぶっこんだブロックバスター映画でもないから、相当実力を評価された映画なんやろな~と思って見たんですが・・・。

いきなり親父が死んでしまうシーン、しかもその死に方に大衝撃!
それ以上に、いまだにアメリカでは瓶のコカコーラが飲まれていることに衝撃をうけ、どんな映画になるかちょっと楽しみになったわ~。

ところが、それから数ヵ月後みたいになってから、さっきの重要な意味があると思ってた親父の死が、この映画では主人公の青年がスペイン語教師を殴り足枷をつけられる→『裏窓』における骨折の役割しか担ってないとわかり憤懣やるかたない!
制限付きで動ける『裏窓』というアイデアは、最初「うまいこと考えよったな~」と感心して見とったけど、もっと面白くする方法はあったんちゃうか?と思えてしかたなかったな~。
もっと機知に富んだアイデアで戦ってほしかったわ!
ケイト・ブランシェット似の隣家の引越し美少女も、老け顔でちょっとタイプから外れてるんで、覗きシーンの生唾ゴックン度も減少。
ジョン・リスゴー似の悪役デヴィッド・モースも、ヅラ発見したものの女装シーンは見せてくれず。変質者度が増したのにな~。

ところで、高校生の分際で子供をこさえたとこも、冷蔵庫に赤ちゃんの写真が貼ってあったのに結局うやむや。
『ドーソンズ・クリーク』の面白い回を2時間にしてみましたみたいな雰囲気は決して悪くないだけに、なんかいろいろと惜しい映画やったな~。


★★

「自虐の詩」 映画化には意味がある

2007年11月17日 | 映画
最近では「泣ける漫画」といえば西原理恵子「いけちゃんとぼく」ですが、ちょっと前までは確実にこの業田良家の「自虐の詩」でしたわ。
呉智英らの地道な活動で世に知られることになったこの漫画ですが、まだまだ読んでない人がたくさんいるみたいで、映画化したことで、読まれる機会が増えたことにまずなによりですわ。

漫画の大ファンやから、「幸せって~」っていう冒頭の語りだけで、もう知ってるラストシーンを思い浮かべて涙がでてきたけど、あんまり好きすぎるもんが映画になるんは、すでにかなりのハンデを背負ってるもんで、不満ばっかりたらたら言わせてもらいますが、こらえてください。
最初にいっときますが、映画自体そう悪くないです。


漫画との改変点、幸江の故郷は気仙沼。
気仙沼っていうたら気仙沼ちゃんやな~。
と思ってたら、ラストクレジットでびっくり!
蛭子の嫁はん役で出てたんやね~。
見逃してもたわ!!

大阪・飛田に住んでるんか~。
地元ネタとして、激安スーパー「スーパー玉出」のビニール袋が2回も出てきたのはツボですが、飛田にある中華屋が大阪城まで徒歩で出前に行く(しかも事故にあう)のは、いかがなもんかと思たな。
中華屋の遠藤憲一はナイスキャスティングやけど、大阪にはソープがないから、あんさんが行くんは新地の置屋でしょ。

熊本さんシークエンスはもっと多く採用してほしかった、というのは原作ファンの大半が思うことやろけど、映画が幸江とイサオに焦点を当ててるだけにしかたないか。
不足分は『赤い文化住宅の初子』で補うことにしよう~。
幸江の学生時代(岡珠希)が中谷美紀には似てないけど、この映画の中谷美紀に似てるとこがうまいな~。
『ちりとてちん』の貫地谷しほり→桑島真里乃といい、最近の子役キャスティングはよう工夫しとります。
それ以上に、熊本さんの学生時代(丸岡知恵)は素晴らしいですな。
よう、見つけてきた。エライ!
でも後の旦那がドバイの大金持ちやなくて、原作通りフツーのサラリーマンでよかったんちゃう?
逆転人生より、フツーの中の幸せを描いてるんやからな。

熊本さんとの回想シーンが、お手軽な生きるか死ぬかの大手術(ここも漫画にないとこ)のとこじゃなくて、普通に再会の空港へと向かうチンチン電車(ラピートにあらず!阪堺電車で南海の駅まで行く設定はちゃんとロケハンしてるな~)の中でよかったんとちゃうかな~。
ここで、波岡一喜の生命保険のCMのようなシーン(妊婦に席譲る)があったけど、5円玉だけは、映画の方がよかったわ。
しょっちゅう穴から景色を眺めてきてたし、なにより熊本さんがコツコツ集めてきたのが偲ばれるしな。

原作では母の幻を鼻横ホクロだけしっかり、顔はぼんやりとしか見せてなかったけど、映画ではホクロフェチの佐田真由美という半分モデルの女優に、付けボクロをさせてました。
どうせ誰かを使うなら、リアル鼻ホクロのある及川奈央を起用してほしかったな~。
西田敏行はミスキャスト。


漫画以上のもんを期待してたわけやないけど、無難に作られてもこの程度やから、『20世紀少年』、映画かも大いなるハンデを背負うことになるんやろな~・・・。


★★1/2

「バオハザード Ⅲ」 バブ~

2007年11月13日 | 映画
いきなり『CUBE』はじまりかよ~、と思ったら今度は『マッドマックス2』の世界。
俺もオーストラリア人じゃ!と主張しなくていいよ、ラッセル・マルケイ。
十分らしさは出てるから。
『ハイランダー』みたいな大剣で首チョンパはないけど、二丁剣で首チョンパはあり!
『レイザーバック』みたいな大イノシシは出ないけど、ゾンビ犬とゾンビ烏は大暴れ!!
MTVで培った手法は、いつも以上に音楽で驚かしてくれます!!!

『バイオハザードⅡ』が結構ゲームに忠実で(ジル・バレンタインが)面白かったけど、今度はゲームを離れて好き放題やっとります。
ゾンビを調教するって、ロメロの『死霊のえじき』のバブやし、
ゾンビを労働力にするって、ウェス・クレイヴンの『ゾンビ伝説』。
なんか、『バイオハザード』を見に来たのに『ゾンビ』を見せられるとは・・・。
アメリカ人が『マッドマックス2 THE ROAD WARRIOR』やと思って入った劇場が、
『WARLORDS OF THE 21ST CENTURY バトルトラック』やったみたいな感じかな~。
『ゾンビ』ファンとしては、『バイオハザード』とは明確に線引きしてほしいんです。
ゲームの「3」が映画にしづらい(「3」は「1」+「2」みたいなゲームで、面白いけど新味に欠ける)のなら、「コード ベロニカ」を作ればよかったのに。
それならゴシック・ホラーやイタリアン・ホラーの味も出て新たな地平が見えたんやけどな~。
ちなみに「バイオハザード コード ベロニカ」のCGムービー監督は佐藤嗣麻子です。
CGといえば、炎天下の砂漠で戦うミラ嬢の顔がおかしな発色をしてましたが、『Ⅱ』のジル・バレンタインでやってることをゲームキャラでないミラ・ジョボにやってもいっこも楽しくありません。
喜んでるのは、シリーズを統括してる旦那だけでしょう。
貧乳ミラを豊かに見えるように工夫するショットがありましたが、次回からは巨乳ミラがCGによって見れるかもしれません。

この映画、予告篇の作り方と、『1』『2』の連続TV放送での効果で、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(これも公開日前に前作をTV放送しましたが)を抑えて興行成績の週間ランキング1位を獲得!
たくさんの人の目に触れたことで、ワースト1位の有力作品になりそうですな。


★1/2

「インベージョン」 美女VSゾンビ

2007年11月10日 | 映画
ニコール映画史上、一番綺麗やったんとちゃいますか?
こんな奥さんが公園で子供を遊ばせとったら、うちの子を近づけてお近づきになりたいですわ~。

なんか『トワイライトゾーン』の1エピソードみたいやった。
戦争が大好きな人間(主にアメリカ人)が地球を支配してるとよくないでしょ。
わしら知的生命体がとってかわったるわ!
『ウルトラセブン』の、かしこの回(怪獣が出てこない回)にもこんなんあった気がするわ~?
本来は、この50年代SFネタに、「9・11」以降という要素を絡め、心理描写が得意なオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督が、ドキュメント感あふれるニコールの便所シ-ンを撮るほどに意欲的なリメイク作品になる予定が・・・

スーパーマーケットを独り占め、
配電室みたいなとこでゾンビと対決、
エレベーターの開閉サスペンス、
ヘリコプターで黒人とご一緒、
って、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』になっとるやん!
ウルトラセブンの怪獣と星人が一緒に出てきてカプセル怪獣も出して、バトルの多い回になっとるやん!!
ロメロ大好きやから、ええねんけど、どっちかにしてほしいわ!
これもジョエル・シルバーがいらったんでしょうな。
なんとなく『ブレイブ ワン』と対になってる感じもするしな。

『エイリアン』のノストロモ号にシガーニー・ウィーヴァーと共に女性乗組員やったヴェロニカ・カートライトがニコ-ルの患者役で出とったけど、さすがにふけましたな~。

【追記】このゾンビシークエンスの数々は、ジョエル一派のウォシャウスキー兄弟&『』Vフォー・ヴェンデッタ』のジェームス・マクティーグ監督が関わったとノラネコさんとこの記事にありました。
それなら、後半のニコールはサングラス&黒コートもしくは、剃髪ツルッパゲにしてもらわんと!


★★1/2

「ブレイブワン」 31年後の私

2007年11月08日 | 映画
9・11以降の映画とは思えん、「目には目を」「倍返し」みたいな典型的なアメリカの復讐物語でしたわ。
しかも、これ監督したのがニール・ジョーダン。
いつものようにもう一ひねりあってもええのに、今回せんかったのは製作のジョエル・シルバーの意向を感じ取ったんか?
ポール・バーホーベンみたいにきっぱりとハリウッドと決別する潔さを持てよ~。
それとも母国で作る映画は趣味全開やから、この映画は雇われ仕事ですねんということかいな?
おっ、製作にはジョディー・フォスターもかんでんのか。
『タクシードライバー』でデ・ニーロに助けられた少女が成長したみたいな役で、あん時のトラヴィスイズムを継承して、さらに次代に繋げるために同じことしてやんの。
しかし、あんなラジオ番組が人気あるって、ホンマかいな~?
そんで、あの裸もホンマか~??
下ネタついでに、ラストクレジットをぼや~と眺めてたらJeffrey Mankoという俳優の名を見つけました。
ラストシーンが、思いがけず『ロボコップ』のラスト「お前はクビだ!」バキュ~ン!!とそっくりで卒倒しそうになったので、下品をお許しください。

図らずも映画が突きつけた事実は、マイケル・ムーアが口を酸っぱくして言い続けてるのに、全く改善の兆しを見せない“簡単に銃が手に入る”ということ。
最近イライラしてる人が多いから、日本もこんなんなったら怖いよ~。

ジョディさんには、くれぐれも、復讐を遂げた後の心を埋めるために、正義という名の殺人行為を続けてませんように!
犬が、癒してくれますように!!

NYの地下鉄って、いまだに怖そうやけど、これもホンマ~???


★★1/2