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李登輝元総統

2009-09-10 23:54:36 | 歴史

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来日中の台湾の元総統・李登輝先生が、本日福岡国際空港から帰国された。
私は日華(台)親善友好慰霊訪問団の団員として台湾に慰霊訪問したことがあるが、そのご縁でお見送りに誘っていただいた。

11時過ぎ頃、専用車で奥様とご一緒に空港に到着され、見送りの私たちの所まで来られて多くの方と握手をしていただいた。
私もちゃっかり握手をしていただいた。
元とはいえ『国家元首』との握手は生まれて初めてで、とても感激した。

李登輝先生は、戦前の台湾のお生まれなので、当時は「日本人」だった。
戦後の中国で共産党に破れた国民党は台湾に逃げ込み、今日に至っている。
台湾では、今でも孫文が建国した「中華民国」が続いている。

蒋介石、蒋経国と続いた国民党政権は、ちょうど日本がバブルの頃、李登輝先生に引き継がれた。
その頃及びその後の台湾の発展・民主化はめざましく、アジアNICS(台湾、香港、シンガポール、韓国)として注目された。
NICSという語が「新興経済国家」の意で、中国(中華人民共和国)が台湾、香港を国家と認めていないことから、NIES(新興経済地域)と変更された、と当時聞いたことを思い出す。

今では台湾は経済的にも発展した「国家」と言いたいところだが、国連にも加盟できず、日本も国家として承認していない。
中国共産党(大陸)と中国国民党(台湾)は、双方が「唯一の中国政府」を主張して相手方の存在を認めなかったことが原因だ。
現在も中国共産党は台湾を自国領土の一部と主張し続けている。
逆に台湾側は、中国唯一の政府とする主張はしなくなったようだが、台湾独立派、現状維持派、中国統合派等が存在し、個人個人の環境や立場で異なる考え方があるようだ。

台湾では、戦前から台湾に住んでいた者を本省人、戦後台湾に来た者を外省人と区分する。
この他に、原住民である13部族が存在する(戦前は総称して高砂族と呼ばれた)。
しかし、本省人でも、終戦時に20歳だった者は、現在84歳だ。
本省人の子は本省人だろうが、やがては厳密に区分できない又はする必要もない時代がくるだろう。
そして、それはそれで一つの民族といえるだろう。
そのときに、中国との統一を望むのか、別の国家として並立を望むのか、このあたりが将来の台湾の鍵になるだろう。