東京・ウサギSATELLITES

兎についてきた人だけが迷い込む不思議な衛星

再訪ジブリ美術館3

2018-08-31 | 長い散歩

※ジブリ美術館の感想をまとまりなく語っております




映像展示室「土星座」ミニシアター

『毛虫のボロ』感想

※なんとなくネタバレも含まれますのでご注意をば



ジブリ作品というとそのストーリーの素晴らしさもさることながら映像の美しさも注目せずにはいられません。事前にボロの制作風景を映したテレビ番組を見ていたこともあり、今回はなおさら画面全体を意識して見ていました。


ところが、、最初に気になったのは‘音’でした。


もちろんジブリ作品の音楽や音響の素晴らしさも周知の事実だと思います。けれども、この作品はなんと人間の口から発せられる音のみで表現されていたのです。しかもタモリ氏お一人で。水の音、風の音、葉っぱの音、ボロの声、車の軋み等々とにかくテーマ曲以外全て。

そしておそらくなのですけれども…録音技術を使って声を重ねているわけではなく、子供が(あるいは大人が)おもちゃごっこをする際自分で効果音を「キュイーン」とか「バゴーン」とか付けるようにやってるのではないかなと。なので最初は正直かなり戸惑いました……

が、見続けるうちに徐々に味わい深くなっていき、そうなれたのはタモリ氏が凄く真剣に演じられていたことが大きかったと思います。熱意や夢中さ加減にこちらも引き込まれたのでした。
とはいえ(確か風立ちぬでも同じような手法が使われていたような)そちらに気をとられてしまうのも事実なので、通常の音でも聞いてみたい気持ちも拭いきれませんでしたけれども。。




で、内容なのですが、ざっと言ってしまうと毛虫の誕生冒険物語といった感じ。短時間(14分ほど)なので起承転結がしっかりあるかというとそうでもなく、小さな生物から見た世界の神秘を…例えば香りとか光合成諸々が可視化されている等…独特の感性で描いていく感じでした。

そして何よりボロが可愛いかったです。周りで起こるいろんなことに瞳をキラキラさせて純粋に反応し、健気で、小さいゆえに感じさせる世界の美しさと怖さを教えてくれるようでした。ただまあ毛虫ですからね、仲間も毛虫なわけで、色々ウジャウジャだったりうんピ大量ゴロゴロだったり、妙な蜂登場でゾッとしたり、いろんな意味でショッキングな映像も結構ありましたけれども(虫が苦手な方は心してください)。

畳み掛けるような勢いのある宮崎駿監督然としている場面も多く、そういったところで客席の異国の方が大きいリアクションで声をあげたり笑ったりしていたので(迷惑にならない程度)それにつられて周りも笑ったりして楽しい雰囲気でしたし、お話しの方でもラストはちょっと幸せな気持ちになりました。



注目していた映像については、ポニョでの完全手書きから再びCGを使うとのことで、私は千と千尋のCGとか好きだったので歓迎なのですけれども、制作風景にてちょっとこれまでと違うCG起用方のようにお見受けしたので作風が劇的に変わってしまうかな?と思っていたら、わりとアナログな印象で安定の美しさでした。人物の動きとかかなり良かったです。まあ、宮崎駿監督がかなり細かく動き方を指示していた部分(卵の辺り)はあっという間に過ぎてしまいましたけれども。わずか数秒へのこだわり……でもそのこだわりが作品に厚みを足しているのでしょうね。。



ところで(熱く語り中)制作風景を番組で見て思ったのですけれども……

ジブリってあんな感じでしたかね?ピリピリしているというか殺伐としているというか、中心にいる宮崎駿監督が常にイライラしてらしているような。画面からなので一部しか分からないとはいえ、とある監督やスタッフがスタジオに戻ったら解散していたような話しも何かで見たりしたので、ジブリファンとしては現状が気になっていたんですけど、、、とにかくいろんな媒体を通して見て感じてきたほのぼのファミリー感が失せてきているような……


…と、余計な心配をしていたら宮崎駿監督が長編アニメを制作するというビッグニュースが入ってきました(もう去年のことだけど)。

わ~そうですか、しかも某ベストセラーのタイトルから和風の静かな内容を想像していたら、冒険活劇ファンタジーとのことで。

(幽霊塔縦展開ですかね?←)

とにもかくにもジブリが色々と動き始めているようで、最近の制作風景は見ていないのでどういった感じかは分からないですけど、今回の展示にしろなんとなく活気も戻り始めているようなので良かったです。



あら、なんだかこれで終了みたいな流れになっちゃってますが、私のジブリ美術館の感想はまだまだ続きます。





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