東京・ウサギSATELLITES

兎についてきた人だけが迷い込む不思議な衛星

アニメージュとジブリ展2

2023-02-23 | 長い散歩

 

※イベントは終了しております

※諸々内容を含んでいるので該当の映画作品など観たことがない方はご注意ください

 

様々な展示を経て更に歩を進めて行くと、ナウシカ…主にジブリ作品が増えていきました。

 

風の谷のナウシカというと今はもう当たり前のようにイコール=ジブリというイメージですが、今回の展示によって“アニメージュで原作連載→アニメ化の話→映画化して大成功→からのスタジオジブリ創設→そしてラピュタに繋がった”という流れを知り、そういえばジブリの存在も当たり前ではなかった!!と、記憶が蘇りました。

そう…

ナウシカが出てきた時、それまで感じたことのない不思議な世界が現れたと思ったのですよね。映像の美しさ、謎の生物、神秘的な音楽……何もかもが現在に繋がる、あれがスタジオジブリマジックの始まりだったのですね。。

 

ちなみにナウシカは原作も全て読みました※ネタバレあります

 

巨神兵のことやテトのこと、それぞれの進む道などだいぶ違い、映画はほんの始まりだったと気付かされた原作でした。で、私はその原作の内容…というか流れを苦手としておりまして(寂しくて悲しくて)なので映画についての賛否両論や原作に沿ったシン的続編の話もあるようですが、映画に関しては私は1つの世界線としてあれで良かったと納得しています。とはいえシン映画ができたら勿論観ますけれども。

(観た方それぞれのナウシカへの想いがあるんだきっと……)

 

展示ではそんなナウシカの誕生してゆく流れと共に高畑勲氏による宮崎駿氏への興味深い言葉も書かれていて、確か ‘共に苦労したい、喜びを分かち合いたい ’ といったような内容で心にくるものがありました。好敵手であり、互いに才能を認めあっていたお二人だからこそ世に出た名作中の名作だと思います。

 

 

映画のワンシーンが大きく表された展示。写真では分かりづらいのですけど不思議な奥行き感がありました。

風の谷に起きた青天の霹靂からの静寂という印象深いシーン……

せっかく胞子を集めて育て、研究してきた植物たちを枯らさねばならない辛さ。原作も思い浮かべながら考えていくと、、そうして分かった浄化の仕組みをどう活かしてゆけばよいのか?そして実は汚染に順応しているらしき人体etc..現実にも通ずる環境問題にこの作品のスケールの大きさを考えずにはいられません。

ちなみにこのナウシカの元へユパ様が階段を降りていくシーンもお気に入りでした。


もう1つ、特に好きなシーンだったのが腐海探索中に試験管に胞子をポンッと入れるところ。まさかのそのセル画(色指定付き)もあり、これが見られるなんて夢だろうか?となりました。そしてそんな夢の展示はまだまだ続きまして別シーンのセル画に続きなんと背景画も!!

どう記せばいいのか己の語彙力のなさがなんなのですが、荒廃ともまた違うあの地球上の雰囲気、砂漠のような…再生中のような…荒涼とした風景(懸命に考え中)とにもかくにも素晴らしい原画の数々に行きつ戻りつしながら何度も見つめ返しました。

そうして気付いたのですけど(熱く語り中)隅々までびっしりと描かれているものばかりではなく、程よく簡易化されている部分もあったということ。人間が可能とする映像の情報処理やら何やらを考えてなのか、いずれにしても生で見たからこそ分かったことで、なるほどとなりました。

 

 

造形師 竹谷隆之さん制作監修『風使いの腐海装束』

シン・ゴジラ等でも造形監修されている方とのことで(凄くいい感じでしたよねあのゴジラ…最後なんて特に……フルエ)

 

 

後ろ姿

生地に細かい模様があり、アニメではサラリとした描かれ方だったので(作画の手間とかもあるのかもしれない)こうした感性にある意味目から鱗でした。ナウシカの時代って最先端のようでもあり古代のようでもあり不思議です。

 

こちらも興味深かった瘴気マスク。あと胸元の薬莢装着の箇所にも注目(ここからシュッと取り出す仕草もお気に入り)

 

この長銃もいいですね。「そっちに行っては駄目だ!」と信号を出すところも良かった…結局どこもかしこも良い←

靴は皮なんですかね?あの森を歩くには薄いような、、いやでも大地の感触やメーヴェの操作とか直で良いのかも考察中

 

さらになんと!ナウシカが腐海を探索する際の所持品も立体物として展示されておりました!!

そこには採取した胞子を再現したものがあり、三次元として目にすることができたことに感激&観察(残念ながら写真撮影不可だったので、公式様のナウシカ腐海装束の後ろにちょろっと写っているのを探してみてくださいませ)

中身を思い出す限り書いてみると─

鏑玉、狼煙玉、光弾、蟲笛、ステッキのようなもの、胞子の入った試験管、ナイフ、ライト、薬莢、スコープ、チコの実など。どれも造り込みが凄くて本物のようでした。

この付近には確かナウシカの格好についての宮崎駿監督の説明もあって、興味深い内容が書き込まれていたはずなのですが、デフォルメ姿の監督?の“ぶたのくにのぶたしか”とか“ずぼんはずぼん”というワードについ笑ってしまい上手く記憶できませんでした…ぇ

パズーの袋の中身をジブリ美術館で知れた時も感動しましたけど、今回も物凄くワクワク。そしてやはり真似できるものは真似したいなと思った次第(ライトとかチコの実をグミにするとか、試験管…はハンドメイドアクセサリーとか)。

 

更に圧巻の展示

同じく竹谷隆之さん制作の『朽ちゆく巨神兵の模型』

 

 

 

 

息を呑むほどのディテール

この繊細さでケースに入っていなかったのでちょっと心配になりました(故意にどうこうではなく不意によろけて手をついたらとか)。

 

 

 

オニヤンマ…じゃない、虫ヤゴだったかな?あ、大王ヤンマでした。BGMに久石譲さんの「腐海にて」や「〜オープニング〜」の最初の辺りが聞こえてきそう(どちらも、風の谷のナウシカ オリジナル·サウンド·トラック〜はるかな地へ〜に収録)

 

かわいい…ぇ

 

同じスペースにはラピュタのジオラマもありました。そちらは次の記事で〜

 

つづく

 

 

 

 

 




a drop of rain 111

2023-02-20 | 雨粒

 

 

  

遠く時の輪の接する処でまた巡り会える

 

松本零士氏の言葉より

 

 

※ ※ ※

 

 

数々の名作を生み出された松本零士氏が旅立たれたことを知りました。

どなたが去られても悲しいですが、人生を歩む上でいつもどこかに存在していた松本零士氏の描く物語はやはり特別で、自分の中で1つの何かがそっと幕を閉じたような気持ちがします。

私は、自分のこと含めこの地球上で起こるありとあらゆる出来事に、もう何者にも生まれ変わりたくないとすら思ったことがありました。でも松本零士氏のこの言葉を知った時、そうであったならと思ったのです。。。

 

いつか時の輪の接する処で、、

 

その時までどうか安らかに─


アニメージュとジブリ展 1

2023-02-08 | 長い散歩


*イベントは終了しております

*諸々内容を含んでいるので該当の映画作品など観たことがない方はご注意ください

 

 


再開催されたアニメージュとジブリ展に行ってきました

 

『アニメージュとジブリ展』

松屋銀座8階 イベントスクエア

2023年 1/3-1/23

元気になれました(返事)

 

2021年に開催された際、展示物やコラボメニューなど気になりつつも社会情勢によって期間が短縮され&タイミングが合わずで諦めていたイベント。なのでこうして再び催されて足を運べたことは本当に有り難いことでした。

とはいえ“アニメージュ”と“ジブリ”ということでボリュームが結構あり、ある程度の目星をつけて見ていくことに(観察人間なので最後の展示に辿り着くまでに疲れきってしまうことがよくあるのです…)…が、別場所で気になる看板を見つけてあれこれ楽しむ結果に。その紹介は3でするとして、、

 

さっそく展示の感想をば(ところどころ順不同&写真は撮影OKだったものです)

 

まず最初にお出迎えしてくれたのがネコバス

銀 座

壁を破って銀座に来ちゃったよ〜な感じかな?カワイイ

ジブリ美術館のネコバスは子供たちの聖域なので(そもそも美術館自体が子供さんメインなんじゃが大人も楽しみたいんじゃよ)、裏手に回ると乗車写真が撮れる仕組みになっていて良かったです。 

 

しかし私的に気になったのはこちら

 

ガンダム(いつものことである)

 



そしてラピュタ(尚更いつものことである)

 

でもこうして見ると興味深い表紙が沢山ありますね

昔はこうした作品について色々知りたくなっても、ネットで情報を得る〜ということが当たり前じゃない時代がありました。それが可能な現在の有り難さ。だけど電子の世界は不確かで、今後どういう道をたどるにしろ‘紙’という触れられる存在で情報が残るのは大切なことだなと思いました。

 

プラモデルなどの展示も結構ありましたよ

こちらはジオラマ

「ラストシューティング」

あの名シーン……うっ

 

 

「黒い三連星」

胸がざわつく

某ちまた番組でマツコなデラックス様が熱く語られていて、それ以来三連星関連を見かけるたびお姿が浮かぶようになったという……。

 

「ガンダム大地に立つ!!」

ニュータイプ発現。でも確か後に原作者様が、人類が急速に覚醒することの危険性について語っていたような…私はありかと。。

 

 

「ア・バオア・クー攻防戦」

ア・バオア・クーという響きがかっこよくてですね(今注目すべきは呼び方じゃない)上段と下段の構造にワクワク。ライトの青味も良い

 

ちなみに最新作の水星〜はまだ見ておりません。最初の段階で不穏な空気を感じてしまい精神的に今は無理でした。しかも見る前にラストを知ってしまってそれはガンダム作品として禁じ手中の禁じ手じゃないのか?と憤ったりもしてました見る前に(まず見ます)

 

アニメージュは元々ガンダムの掲載に力を入れていたこともあって、展示も中盤辺りまでガンダムが多い印象を受けました。

そうした中の1つに背景画を担当されていた中村光毅氏のイメージボードや実際の背景画もあり(ナウシカも担当されていた方です)ファーストガンダムのあの稀有な雰囲気を担った存在に触れられたのは大変貴重な体験でした。ただ、、、帰宅後に検索をかけて十年ほど前に旅立たれたことを知り悲しい気持ちにも。でもこうして想いは残るのだなとも。。。

ロボットものではマクロスも確認。超時空要塞って考えてみたら凄いな…と未だその仕組みについて詳しく理解していないことを思いながら「(私はリン・ミンメイとくっついてほしかったんや…)」とここでもぐじぐじと考える我。←

 

バリエーション豊かだった日本初のアニメーション専門商業誌「アニメージュ」に関する展示

編集部の再現

ワープロとかラジカセとかフィルムカメラとか懐かしい。そしてこれら全てが1つの端末に入ってしまう現在の未来ぶりよ(遠い目

 

今なら労働基準法にry

 

 

私はやはりガンダムF91の記事が1番記憶に残っておりまして、そこに載っていたシーブック・アノーの姿の虜となりVHSビデオをレンタルしてハマっていった記憶(もしかしたら同じくアニメ雑誌のニュータイプと記憶が混ざっているかもしれない…ぇ)。

展示にはそんなアニメージュの表紙広告がずらりと並んだ回廊的な場所もあり壮観でしたね。

 

そしてプロデューサーである鈴木敏夫さんについての特集コーナーも。数多の才能&作品を見出した凄腕の方です。でも、、正直なところ私は少し苦手でして。というのは…私の完全なる偏見で、本当は沢山の意見によって物事は動いていたとしても…様々なことが一存で決められてしまっているように感じるんですね。

スタジオジブリの様子を追ったTV番組や、参加されたとあるクリエイターさんの話し(完成後制作現場に戻ったら解散してた的な)と連動するかのようにジブリの印象も昔と変わったように感じられて、厳しいアニメ業界をプロデュースするのは大変だろうなと想像しながらも、そして部外者の誤った視点だと分かっていても、中心に立っている方にどうしてもマイナスな感情を向けてしまうわけです。悩みましたがずっと気になっていたので、コソコソではなくあえてこの場で書きました。

 

 

空気を変えて……

 

ユニークだった展示

「1980年代後半の とあるアニメファンの部屋」

つまり、ヲタク部屋?

あちらこちらにある懐かしいアイテム。ブラウン管テレビとかアメリカナイズなアイテムとか、レトロなデザインのコップとか。ここにはないけれどバドワイザーデザインとかもこの頃よくあったような。というか私も現在ヲタク街道まっしぐらなので、アイテムは進化すれど尚更身近に感じられたように思います。

 

ファミコンの置かれ方がリアルだわ

 

 

こうした様々な展示物がある中で特に感動したのが、実際に使用されたセル画やレイアウト、資料、背景画等を見られたことでした。

ガンダムはもとよりナウシカやルパンのアニメージュの表紙セル画だったり、宇宙戦艦ヤマトで使用されたセル画だったり。いつものことながら見つめ続けてしまいましたね。

更に、じゃりン子チエや赤毛のアン、ガッチャマン(009もあったような…)、初めて見る作品やアニメージュの制作に携わり個々でも活躍されている方のコーナー等も。こうして改めてみると、人生でこれまで出会ってきた作品って本当にアニメージュ関連が多いなと実感。

 

幾つかピックアップ~※ネタバレ含んでおります

押井守監督の天使の卵をちょうど最近見たのであれこれ新鮮でした。が、作品自体の感想を述べると、想像していたものと全く違い可愛らしいタイトルからは真逆だったなと。言葉を発するシーンが殆ど無く、叙事詩的で見る側の心に謎を残し続けるような。

 

ミンキーモモとクリィミーマミに関する展示も。

クリィミーマミは1番夢中になった変身ものでして、まだ感想は書けてないのですけど展示イベントに実際に行きました。「キャノ」と言いながらコンパクトを開く仕草が好きで好きで、そのコンパクトに小さな状態のステッキが入っているのも好きすぎて好きでした(落ち着け)。一方のミンキーモモはですね…なんだかとっても衝撃的でトラウマになった記憶

2つが一緒に出ている作品のセル画もあってレアでしたが、欲を言えば単独のセル画も見たかったところ。

 

そしてなんと未来少年コナンの生の背景画が!!

素晴らしい物語、未来少年コナン。終盤の、ギガントの上でウィンクと共に手をグッとするシーンが大好きでした(今でも真似しているのはここだけの秘密グッ)

展示された‘のこされ島’の夕暮れの背景、、と書いて気付く、もしかしたら天変地異か何かの際の風景だったかもしれないという衝撃。…いずれにしてもこれを私は見ていたのかと1人タイムスリップ。絵があまりに上手すぎてまるで絵画を見ているようでもありました。それはどの作品にも当てはまることで、日本のアニメーションのクオリティの高さを改めて知ることができたようにも思います。

 

後半はナウシカやラピュタの興味深い展示について

 

つづく