※一応レポですが個人的に気になった部分について書いています(そして曖昧)正確な内容を求める方は、そっ閉じして下さい。
※ネタバレありのアニメの感想含みます。
アニメ「どろろ」が思いのほかツボにはまり(ストーリーは切ないけれど)製作会社であるMAPPAのイベントに行った後、別の日にスタッフトークショーも開催されるよ~と教えてもらったので行ってきました。
会場は400人近くの席が用意され人がびっしり。人気の高さがうかがえましたね。
トークショーは撮影禁止なのでその前にパシャリ
開始時刻になると雷鳴と同時にストロボが発光「(わ~‼)」となった途端、なんとスクリーンにてアニメのオープニングが流れ始めるという感動演出。
このオープニングが本当にいい感じでして「女王蜂/火炎」の歌声の高音部分が叫びの様な…この世の理不尽さを表しているように感じられて(個人の印象です)その際の登場人物の周囲をぐるりと回る演出もいいんですよね。あと百鬼丸の髪の毛の動きやどろろが不安そうに胸の前で手を合わせる姿もグッときます。
…これらが大画面で観られただけでなんだか目的が果たされたような気がしました←全てはこれから
登壇されたのはMAPPAのスタッフ兼司会者の方と池瀬広さん(音楽)、浅田弘幸さん(キャラクター原案)、小林靖子さん(シリーズ構成)、大塚学さん(MAPPA社長)木村誠さん(MAPPA企画部プロデューサー)。監督は恥ずかしがりで来なかったとおっしゃられていたような……。そして 皆さんのコーディネートが私の好みすぎ問題。
それにしてもどの方もレアですが(言い方)まさか生で小林靖子さんを拝見できる日がくるとは思いませんでした。柔らかい雰囲気の方なのに描くギャップが凄くて、進撃の巨人とか映画刀剣乱舞とか今回のどろろとか、悲惨さとか悲惨さとか(←)とにかく様々な想いが湧いては消えていきましたよ。。
で、自己紹介に入ったのですが皆様座られてしまっていて、あれま~(笑)となりながら開始。
ほのぼのしつつ、浅田弘幸さんが映画「刀剣乱舞」をお子さんと観に行ったことを話されて(小林靖子さん脚本)、でもどろろは見せるのが難しいと…草むらでのとあるシーン(性的な行為)に少し触れて、私はなんとなく他の方の表情をうかがってしまいました。というのも、そのシーンの描かれ方がストレートでとても嫌だったからです。…とはいえ、どろろと百鬼丸が出会った女性が孤児の子供たちを食べさせるためにとった行動の悲しさやむごさを伝えるためには、あえてストレートにするのも必要だったのかなとも。
もう少し語ると、この辺りで見せたどろろの考え方、母親の話しも交えての物事の平等な見方に感服。そして演出的にも女性が登場した際の川の中での様子(魚をとってる風がない←多分身を清めていた?)の描き方もうなりました。
ちなみにこの女性はオープニングにも登場していて百鬼丸にとって重要な意味合いがあるのだろうと予測したのですけど、思っていたより深掘りされなかったような。どろろ重視の私としては百鬼丸が他の誰かと絆を深めたり、恋愛要素(母性愛含め)をにおわされても複雑な気持ちだったので(原作では描かれてるようなのでなんともだけど)これぐらいでちょうどな気もしましたけど、なにより…子供たちは無念だったけれど彼女の体のことや辛さを考えるとあの結末に救いがあったようにも感じられたのですよね……ムズカシイ
自己紹介の後はそれぞれアニメ化の話しをもらった時のことなどが話題に上り、それが2016年だったというのを聞いてアニメとは練られて練られて出来上がるのだなーと感心。が、浅田さんだけは1週間後に原案を出してくれという無茶ぶりだったとのこと(笑
その当時のキャラクター原案もスクリーンに写しだされ、SHOWCASEでのそれとの違いを見いだしつつ、百鬼丸は全体の雰囲気の関係で少年っぽさを増すことにしたとかどろろはほとんど訂正が要らなかったとか(まるっこさ重視)興味深い話しを聞くことができました。
それにしても本当にキャラクターが魅力的。
今後登場する人物含め皆様も語ってらっしゃいましたし、そもそも浅田弘幸さんが手塚治虫氏をリスペクトしているようなのでそういう姿勢が反映されているようにも。からのどろろの性別についての話題が出て、もしかしたら知らない人もいますか?アニメからどろろに入った人挙手~という流れになり、私は「(性別?あーっそうじゃん!!)」と慌てつつ映画のキャスティングからすぐさま予測して理解するという自己完結を繰り広げていました。
ところで、ここまで色々聞いていて思ったのですけど大塚学さんと木村誠さんが第2の司会者のようになられていたなと。視聴者とクリエイターの中間というか、的確に他の三人から話しを引き出し、そこに本司会の方も上手く加わってチームワークを感じましたね。最初のティーザーPVの百鬼丸はなんだどーした!?という話題がちょっと面白かったです。
からの音の話し。
池瀬広さんから“ジャズ”というフレーズが出たり太鼓などの和楽器のことが語られたりで、かなりこだわられていたことを知りました。歌舞伎の家元にも頼まれたそうです。そのこだわりは墨絵を感じさせる世界観ととてもよく合っていますし、あえて古風にしたという(小林さん談)ナレーションと共に作品に深みをプラスしているなとも。
この作品は手塚治虫氏の原作で内容も重いのですけれども、新しい絵を上手く取り込みつつ大河の雰囲気もまとわせ、百鬼丸と周囲の関係性とか改変が上手いと改めて思いました。やっぱりアニメ化ってスタッフのセンスと力量が問われる仕事だな。。
それらを踏まえ、トークでは原作丸々同じでも…とアニメ化したことの意味も語られていて、二期全24話でどこを失ったことにしてどう取り戻していくか、小林さんが髪の毛だとぶわっと生えるのもなんだし内臓だと分からんし~と語られて笑いが起きつつ、これに関してはとても重要なことも話されていて、手を失い取り戻して幸せ…というふうにはしたくなかったとも。
確かに、音を取り戻した際の静寂からのふいな解放…雑音の苦しみとか、足を取り戻した際の痛みとか、単純ではない何かがそこに呈示されていたように感じます。失うこと取り戻すこと、、いずれにしても生身の体ってリアルに色々考えさせられますね。
で、アニメを見ながらずっと思っているのですけど、この子が…百鬼丸という子が一体何をしたというのでしょう…生まれながらにここまでの業を背負わされるとか。なので、育ての親である寿海に拾われその指を乳と思って吸う姿に、生きることに真っ直ぐな赤子の様子に号泣してしまいました………
…しかし、そんな気持ちなんてなんのその。小林靖子さんが今後も親切な作りとはいきませんが~とも話されて悪寒が(会場も凍りついたような)。どれ程の試練が今後起きるのやら。
で、余談です。
(ここから個人のどうでもいい感覚について語っております)
途中で私、登壇された方と目が合いまして「(やべっ)」となりました。これは各々違うと思うのですけど、第四の壁越えを好む人と好まない人がいるとしたら私は後者なのですよね。つまり有名人といわれる方々との直接交流は特になくてもよい派。とはいえ避けてるわけでもないのでごくまれに街中でお姿を見掛けて流れで握手とかできたらそれはそれでありがたいことなんですけれども。
なんというか舞台と客席(あるいはテレビ画面の向こうとこちら側)は同じ空間にみえてパラレルワールド設定だったら不思議で面白いなーと。でも最近知った2.5次元ミュージカルのレポ等で演者との交流とか見ると楽しそうなので、今回のトークショーでは条件反射でやべっとなりましたけど今後変化があるかも。
さてさて、時間は瞬く間に過ぎ終了の時刻がやってきました。
最後にコラボカフェの案内があって起立して挨拶されて退場。正直あと二時間は聞いていられると思いましたね~。
来場者特典もいただけたのですが、雨の中たたずむ百鬼丸を横から描いたカードが本当にいい感じで感動。記入されているサインは声をあてている鈴木拡樹さんという異種コラボ仕様でもあります。 アニメの方ではようやく少し言葉を発し始めた百鬼丸ですが、何を言ってるのかな?と耳をそばだてて「どろろ」と叫んでると分かった時には泣けました(もう泣いてばっかり)。カードの他には会社について説明された興味深い冊子もいただきました(こういうの結構ありがたい)。
というわけで、SHOWCASEからのスタッフトークショーでした(今後思い出したことがあったら追記します)